『アエリータ』 _Aelita: Queen Of Mars_ - U.S.S.R., 1924, B+W, 81min. - Directed by Yakov Protazanov. Russian Avant-Garde 期のSF映画。火星に社会主義革命を輸出するという内容 の映画なのだが。 Alexandra Exter による Avant-Garde な衣装 & 美術が炸裂する火星のシーンが、 舞台作りから演出から、舞台的な正面性があったりすることもあって、まるで Avant-Garde 演劇の舞台を撮影しているような感じ。去年観た『美術と演劇 ロシア・アヴァンギャルドと舞台芸術 1900-1930』(横浜美術館, 1998) を思い 出してしまった。実際、Exter は舞台芸術家として活躍していたのだが。 地球側でも、火星に向かう宇宙船の制作現場が Vladimir Tatlin の塔みたい だったり、Piotr Mitouritch の飛行船とか頭を過ぎったり。 それほど実験的な画面作りではないが、さり気なく画面合成使ってたり、 アニメーション使っていたりするのも、良かった。 もちろん、ブルジョアな生活の描写とか、ブルジョアな生活に惹かれたり、 プロレタリアートに共感して建設現場に生きがいを見つけるインテリ技術者とか その類型的なキャラクターの描き方も含めて、時代を感じさせてくれて、 興味深かったのだけれど。それに、主人公の女性のモガっぷりも良かったし。 かなり楽しめた映画だった。 2000/12 (1999/3/31) 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕