久々の銀座の画廊めぐり。期待していなかったせいか、意外と楽しめた。 というわけで、印象に残ったものについて軽くコメント。 _ _ _ 内藤 礼 ギャラリー小柳, 中央区銀座1-7-5小柳ビル1F, tel.03-3561-1896 1999/9/7-30 (日休), 11:00-19:00 『MOTアニュアル1999 ― ひそやかなラディカリズム』(東京都現代美術館) で、 細かい透明なビーズを連ねた糸を部屋の端に一周這わせたインスタレーションが 印象的だった作家の個展。 今回も見落しそうな、指輪ほどの作品が床に置かれていた。ギャラリーの スタッフの話では、何回か踏まれるという事故に見舞われているそう。 天井から吊るした作品は、ほとんど下端が床に届いているので、まるで天井と 床の間に張られているように見える。横から扇いで揺らがせてみたりすると、 その微妙さがわかるかもしれない。 指輪状のものの作品は、人が指先で地面に接することが出来る範囲を意味 している、ということだったが。そういうコンセプトよりも、そのような ミニマルなものが指し示すことによって、インスタレーションされている 空間に、一種、生け花や庭造りにも似たような感覚を作り出すところの方が 魅力のように思う。 _ _ _ 山口 勝弘『夢遊桃源図考 ― 山口勝弘の宇宙風景』 佐谷画廊, 中央区銀座4-2-6第2朝日ビルB1, tel.03-3564-6733 1999/9/17-10/16 (日月休), 10:30-18:30 「夢遊桃源図」という中国の水墨画 (だろうか) をアニメーション化したもの。 山の絵がレイヤー状になって動くというもの。このレイヤーというのは、 パースペクティブとは異なる中国の前近代の絵に見られる遠近表現だそうで、 それをアニメーションを使って表現し直したということらしい。 見た目に実際にレイヤー状に物を作ってフィルム撮影したのかとも思ったが、 実際のところコンピュータグラフィックらしい。けっこう奇妙な画面の動きを するので、ずっと観ていたら酔いそうな感じになってきたので、退散して しまった。(もともと、ビデオの手ぶれ画面などにとても弱いのだけれど。) 1999/9/25 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕