第102回「いーぐる連続講演」
ジャズ・リスナーのためのドラムン・ベース入門
--- Derek Bailey "Guitar, Drums 'n' Bass" が出てきた背景 ---
- 解説:
- 嶋田 TFJ 丈裕
- 日時:
- 1997年5月10日 15時30分〜 (2時間余り)
- 場所:
- 四谷「いーぐる」
背景
90年代に入ってから、ロンドンを中心に盛り上がっているダンス音楽に
ドラムン・ベース (drum'n'bass) というものがある。
テクノ (高速の打ち込みパターン)、
レゲエ (ダブ流儀のベースライン、音処理)、
ヒップ・ホップ (ブレイクビーツ) といった、
都市型のダンス音楽をルーツを持つ音楽である。
96年に入ると、
メジャーなポップ/ロックバンドの曲でこの要素を採り入れたものが
よく聴かれるようになり、
もはや、かなり一般的なダンス音楽となりつつある。
その一方で、Courtney Pine から Derek Bailey まで、
イギリスのジャズ/フリー即興ミュージシャンもドラムン・ベースの
アーティストと共演した作品をリリースするようになっている。
また、インタヴューでジャズからの影響を語る
ドラムン・ベースのアーティストもおり、
ジャズ的な要素を採り入れたドラムン・ベースや
ドラムン・ベース的な要素を採り入れたジャズの
作品が今後増えてくると思われる。
目的
まず、ドラムン・ベースがどういうダンス音楽なのか概観する。
さらに、
ドラムン・ベースをはじめとする様々なミュージシャン
(含む Derek Bailey ) を共演させる
ロンドンで行なわれている実験的なイベントである
``Extreme Possibilities Live And In The Mix''
に出演したミュージシャンを中心に、
Derek Bailey ``Guitar, Drums 'n' Bass'' のような作品が
どのような所が出てきたのか
焦点を当てて紹介する。
主な内容
ドラムン・ベースの流行は早く様々なスタイルが生まれ廃れており、
全てを見通すことは困難である。
以下のような項目に絞ったうえ、時間が許す範囲で紹介する予定である。
また、できるだけ新しい音も紹介したい。
概観
- ragga jungle
- reggae の影響の強い drum'n'bass。
- mainstream
- Metalheadz, Reinforced, Moving Shadow といったレーベルから出てくる音。
- dark core, etc
- Photek / Source Direct, No U Turn レーベルなど、最近の音の少なめな音。
- pop / jazz
- Everything But The Girl, Soul Coughing, Coutney Pine といった先駆的な例。
Extreme Possibilities (極端な可能性)
- avant-gardism, etc
- Squarepusher, Plug, Aphex Twin, μ-Ziq, Bedouin Ascent, Talvin Singh, etc
- out/post rock
- Tortoise, The Third Eye Foundation, etc
- jazz, free improv., etc
- Noel Akchote, Derek Bailey, Bill Laswell, Mick Harris, DJ Spooky, etc
問い合わせ先: 嶋田 TFJ 丈裕
「いーぐる連続講演」
TFJ's Sidewalk Cafe