掲 示 板

(「本音で語る」シリーズ)

今回は、証券業界のエキスパート、泉田君からのアドバイスです。原稿依頼に気持ちよく応じてくれました。
それでは、どうぞ。


証券投資について(初心者編)
泉田 整


最近、テレビ
インターネット 週刊誌等で「株式投資、債券投資、投資信託」についての話題が取り上げられることが多くなってきたように感じられます。

この機会に証券投資を考えてみようかと思われる同窓生の方がいらっしゃるのではないかと思いまして、証券投資を始めるに当たっての注意事項と言うか、留意点について私見を述べさせていただきたく、ペン(キー)をとりました。

尚、高校時代同様、アバウトな性格は変わっておりませんので本気で投資をお考えの際は改めてお問い合わせ下さい(正確にしらべてお答えいたします。)

有価証券(株式、債券、投資信託)投資についての基本認識と投資対象別の説明


1)成果(リターン)とリスクは隣り合わせ…リスクの種類を認識しましょう!

リスクの種類

  @クレジット(信用)リスク・・・債券、株式発行企業(国)の経営(財政)安定性

                             及び債務返済能力の確実性

A為替変動リスク     ・・・・・・・外貨資産は円高になると目減りする

B流動性リスク      ・・・・・・・・換金できないリスク(投資信託の解約制限、買手

                             のつかない株式、債券)

C価格変動リスク    ・・・・・・・・上記@〜Bとの相互関連で基準価額、株価、単価

                                が上下します

       一般的な有価証券の種類とリスク、リターン 

@株式(株式投資は人気投票に例えられることが多い・・・物差しが都度変わる)

ア.業績動向

イ.需給動向

ウ.話題性    

等によって株価変動が起こりやすい。

      例)業績の増額(減額)修正、新製品(技術)の開発、訴訟、事故、増配・・・・etc

     A 債券(国債〜一般事業債)・・・償還迄保有する場合はあまり問題では有りません

                             が、途中換金する場合は時価が都度変わります

例1) 一般的に金利上昇時は債券単価が下落し、金利低下時は債券単価は上昇する。

10年満期の2%クーポン債券は現在0.5%の金利変動で4%前後価格が変動します。(100万円の債券で4万円前後価格が変動)

例2) 発行会社の債務返済能力の上下で単価が動くときがあります

最も信用力が高いのは国の債券(国債)です。一般の事業会社の債務返済能力の確実性は「格付け」と称して、格付け機関から記号が付されております。

確実性の高い順から AAA、AA+、AA、AA−、A+、A、A−、BBB+、BBB、BBB−、BB+、BB、BB−、・・・・以下C、Dと続きますが、BB+以下は一般に投資不適格債券といわれております

      B 転換社債・・・一般の事業債に比べ利率は低いが、発行企業の株価が事前に決められ

               た価格を超えれば株式に転換出来る。(株価に連動して単価が変動)

債券の償還時は通常額面で償還(例外で103%や105%等額面以上の単価

         で償還するものもある)

      C 外債(仕組み債)・・・近年色々な形で発行されてきておりますがここでは代表的な

                     物だけを紹介いたします

    タイプ1・・・払い込み、利払い、償還がすべて外貨による物

    タイプ2・・・払い込み、償還が円。利払いのみ外貨による物

    タイプ3・・・払い込み、償還が外貨。利払いのみ円による物

    タイプ4・・・日経ダウにリンクして償還条件が変わる(元本割れリスク有り)

    タイプ5・・・特定株価にリンクして償還条件が変わる(株券で償還することも)

    D投資信託・・・元々「一つの籠に卵を盛らない」の例えで言われるように、たくさん

             の小口資金を集めてリスクを分散する投資ができるように考えられ

             た方法で、今後日本の年金資産の運用対象になる可能性が高い商品

             と言える。(米国ほど日本では普及していないが、米国では家計の

                4割強が投信を保有し、家計の金融資産の1/3が投信と言われてい

                ます←野村総研調べ)

概して商品の特性を本当に理解するには難易度が高いと思われる物もある

(エンジンの仕組みは解らないが、車の運転は出来る・・・的な投資家の方が多い

         のではないでしょうか・・・私見)

    以下代表的なタイプ別に紹介いたします

ア) 公社債投信 (MMF、MRF)

出し入れ自由で証券会社の普通預金的な位置づけ(短期債中心に運用)

イ) 公社債投信(ボンド)・・・(中・短期債中心に運用)

1年間、予想分配率を決めて設定され、解約するときに1万口につき100円

    (1%)の手数料(プラス消費税)が掛かるが、毎年の金利水準に連動する実績があ

       り、金利が上昇していくと思われるときに有効ではないでしょうか

ウ)外国投信・・・基本的には為替リスクと組み入れた外国債券、外国株式のリスクを

       とる。(一般的に資産の価値は「為替」×「外国債券単価」又は「外国株価」)

エ)株型投信・・・・単位型(募集時のみの設定で運用)

                追加型(随時、売買が出来る・・・新規設定のときは売却できない期

                        間が設けられることが多い)

投資信託の運用方針にそれぞれ特色をつけていることが多く、

日経ダウ等の指数連動型、テーマ別(情報通信関連、成長、小型株、環境関連)

債券とのバランス型、等いろいろなバリエーションがあります。

 

2)決められた取引きルールを守る・・・自分を守る為

   証券取引には決められたルールが有りますので遵守しなければなりません。

  特に投資家側でも留意すべき事項を紹介いたします。

   ア)インサイダー(内部者)取引きはしない

 *インサイダー取引とは、上場、公開会社の役職員等が公表されれば投資者の投資

 判断に影響を及ぼすような会社の重要情報を知り、それが公表される前にする取引

 のことを言います。・・・公表とは2つ以上の報道機関(総合日刊新聞紙、一般放送事

 業者等)で重要事実を公開してから12時間が経過すること

 (証券取引法166条・・・3年以下の懲役、300万円以下の罰金・・・法人は3億円以下の罰金)

イ)損失補填の禁止(証券会社だけではなく投資家も罰せられます)

 *事前、事後に損失の全部又は一部を補填してもらう。又はその約束をすること。

  (証券取引法 42条の2)

ウ)仮名取引き、名義仮取引きはトラブルのもと(証券会社側では仮名取引きと知って

  取引きを受けてはいけないことになっています(公正慣習規則9号9条)

  ・・・贈与と混同される場合も有ります。

 以上 思い付くまま書き綴りましたが、最後に一言

 投資家は自己責任が原則になっておりますが、証券会社側には説明する義務が有ります。

事前にリスクの所在を良く確認しておくことをお勧めいたします。

大きく期待すればするほどリスクは高くなることを再度ご認識下さい。

(終)