本記事は、シャープのポケットコンピュータPC−E500シリーズで、いわゆるパソ コン通信を実現する為のストレートケーブルです。 ハードフロー対応、無電源動作という優れた特徴を持っています。 注意…お決まりですが...。 本記事により、ポケコン本体が破壊されたとしても一切の責任を負わないものと します。全て各人の責任においてやって下さいるようお願いいたします。 以下、転載記事です。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ -NUM- -R.DATE- -R.TIME- -SENDER- -CONTENTS- [W]WRITE [RET]READ [?]HELP 00015 95-01-07 20:05:57 2845 E500用 レベコン・モデム・ケーブル V.2インテグラ/Great ---------------------------------------------------------------------------- 【 名 前 】G式モデム・ケーブル(と勝手に名づけた)V.2 【設計・製作者】Great #2845 【 対応機種 】E500シリーズ全部(と思う^^;) 【掲 載 日 】1995/1/6 【 転載可否 】可(ただしメールでご一報を) 【掲 載 先 】ポケット通信Ver.3 ---------------------------------------------------------------------------- 便利なE500専用レベルダウンコンバータ・ストレートケーブルが出来たのでを発表します。 ●特長 ハードフロー対応、無電源動作 SIOの設定をデフォルトのままでOKなのでソフト依存性なし 自動(CD・DTR)常時ONで、ターミナルを終了してXM等を使う場合も回線は切断されません。 DTR・ONで電源ONの設定のあるモデムではポケコンの15P端子にケーブルを差しただけで モデムの電源が入り、ケーブルを抜けばOFFになるので超便利(^^)。 ●回路図 【ポケコン】 【モデム】 1:FG <------------------------> 1:FG 2:SD >------------------------> 2:TXD L番ピン | _ ▲ 1SS131 | 10kΩ 3:RD <----+--------VVV----< 3:RXD | _ ▲ 1SS131 | F番ピン 11:RR >------------------------> 4:RTS L番ピン | _ ▲ 1SS131 | 10kΩ 5:CS <----+--------VVV----< 5:CTS | _ ▲ 1SS131 | F番ピン 7:SG <------------------------> 7:SG 3kΩ ←V.2の変更箇所 8:CD <----VVV----+ 4.7kΩ | 10:Vcc>----VVV----+--------->20:DTR ←これがミソ 13:Vcc ●部品 ケーブル用25P・RS−232Cコネクタ・オス E500用15P・SIO端子オス 15Pコネクタ用基板………以上各1ケ 6芯シールド線………………2m ダイオード・1SS131…4ケ 10kΩチップ抵抗…………2ケ 4.7〜2kΩチップ抵抗…1ケ ※●DTRのプルアップ抵抗の補足説明を見よ (3kΩチップ抵抗…………1ケ:無ければ短絡しても可) ●解説 オールリセットしたデフォルト状態のE500は ハードフローの信号線が4:RTSでなく11:RRなのでそれに従いRR-RTS接続としました。 また、E500はターミナルソフトを終了してバイナリファイルを送受信するの時等に回線を切断 しないようにいつも必ずモデムをDTR常時ONの設定で使うことになるので、ケーブルに DTR常時ONの機能を持たせました。 具体的には、モデムの20:DTRをポケコンのVccでプルアップしました。 このプルアップ抵抗は、ポケコンの電池がかなり減ってる状態でいろいろ試しましたが、 7.5kΩでも静的には一応 DTR常時ONになるものの、抵抗による電圧降下のためRS232CのHiレベル ギリギリでのDTR・ONのようで、ちょっとした時にHiを維持できず瞬断することがあったので、 4.7kΩくらいが丁度良いようでした。 また、このHi信号をポケコンの8:CDにループバックさせてますので、ケーブルを差し込むだけで CDは常時ONになります。 使ってもらえれば解りますが、ケーブルをつないだだけでモデムのDTRのインジケータランプが 点灯してDTRがONになったことを知らせてくれます。 またモデムのDTR設定をしなくていいだけでなく、あらかじめ、モデムをDTR・ONで電源がONになる ように設定しておけば、E500と接続しただけでモデムの電源が入り、ケーブルを外せば電源OFFに なるのでとても便利です。 ケーブルも6芯でOK、レベルコンバータ(レベルダウンコンバータなので無電源動作)も 2信号分だけでよく、簡単、スリムです。 作り方はチップ抵抗は15Pコネクタ用基板のパターンをカッターナイフでカットして表面実装、 ダイオードもリード線付きですが同様です。エレガントに並べましょう。 3kΩの抵抗は大した意味を持ってません(単なる節電)ので、ゼロΩ(短絡)でもOKです。 他の適当な値を使う場合、10kΩではCDがONになりませんでしたので、参考にして下さい。 ●DTRのプルアップ抵抗についての補足説明 G式モデムケーブルはレベルダウン・コンバータを採用していますので、RS232C のHighレベルの正規の電圧+12V以下であってもHighと認識してもらえる電圧の信号を送 ってやることで、簡単ながら正常な動作をさせるものです。 ところでプルアップ抵抗は、VccをもってHigh固定の信号とする場合、電流を制限する目 的で付加するのですが、この抵抗R[Ω]にI[mA]の電流が流れますとV=IR[V]の電 圧降下が生じ、Vccよりさらに低い信号レベルになってしまいます。 その下がった信号レベルをRS232CがHighと認識してくれれば良いのですが、些細 なことですが、出来るだけ電流は制限して節電したいのでこの電流制限抵抗(プルアッ プ抵抗)は極力大きい値を選んでいます。 しかし、モデムによっては、使っているRS232Cドライバや他の設計等でこのHigh と判断する電圧がわずかに異ったりすることがあるようです。 その為、G式モデムケーブルがあるモデムで正常に働いても別のモデムでは電圧不足で うまく働いてくれないことも無いとは言いきれません。 そこで、その時の対策を示しておきます。 対策@モデムをDTR常時ONの設定にし、E500をPOKE &BFD35,0[RETURN]とする。 これで抵抗を買ってくるまで臨時には正常に使えます。 対策A根本対策です。DTRやCDのプルアップ抵抗を小さくする。 具体的には半分位の値にして、正常に動作したら少し上げてもいいでしょう。 (そのままで上げなくても問題はありませんが) これだけのことです。ま、最低でも1[kΩ]までも下げれば必ず動作するとは思うので 、面倒な人は最初からG式モデムケーブルの3[kΩ]・4.7[kΩ]の抵抗を1〜2[k Ω]にしておくのも手かもしれませんね。 この説明のきっかけになったのは、マイクロコアのポケットモデム・MC24PA5で はG式モデムケーブルでDTRはONになるものの、CDがONにならなくて、ACCESS ではいいのですが、KTERMではデフォルトのE500ではエコーが無いとか、またどういう仕 様か解りませんが、通信に支障なくDTRがONになるにもかかわらず、電源のオートモ ード(DTRがONになったら電源が入るモード)でケーブルを接続してDTRのインジ ケーターランプが点灯してるのに電源が入ってくれないことがあると解ったからです。 このモデムでは、CDの抵抗はそのままで、DTRの抵抗を2[kΩ]とすることでパー フェクトな動作をしてくれました。参考にして下さい。 ●G式モデムケブール・15Pコネクタ用基板・実体配線図 私の製作例を示しておきます。基板はみずほさんにいただいたものです。ありがとうございました。 ※行間・字間ゼロで印字した方が見易いです。 【E500(SIO端子)】K 【モデム(6芯ケーブル)】 ______________________ | | (15:PRG)----| ●==============◎ | 14:ER ーーーー| ●==============◎ ○ | 13:Vcc ーーーー|++●==============◎ | (12:PAR)ーーーー||| ●==============◎ | 11:RR ーーーー|||●==============● | 4:RTS 10:Vcc ーーーー||| ●========472===● |20:DTR ( 9:NC )ーーーー|||●==============◎| | 8:CD ーーーー||■ ●========302===● | 7:SG ーーーー||□●―――++====● | 7:SG ( 6:NC )ーーーー|■| ●====||======◎ | 5:CS ーーーー|□+●――+||103=● | 5:CTS 4:RS ーーーー|| ●==|□|======◎ | 3:RD ーーーー|+―●―+|■|103=● | 3:RXD 2:SD ーーーー| ●|++□======● ○ | 2:TXD 1:FG ーーーー| ●==|====■====● | 1:FG | +――+ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 基 板 の パ タ ー ン :●=====◎(●はハンダ付) ※リード線等に隠れるといころは表示してませんが、 左の●から、右の●または◎まで、抵抗の場所を除いて連続 リード線 及び15Pコネクタ :――+ | チ ッ プ 抵 抗 :103=10kΩ 302=3kΩ 472=4.7kΩ ダ イ オ ー ド(1SS131):| | ■ = _ □ ▲ | | 基 板 外 形 線 :__ | |  ̄ ̄ ケーブル止めインシュロック用の穴:○ ●SIOドライバの設定について G式モデムケーブルの設計上の、捕捉説明をします。 以前たもつさんからポケコン単体で通信するには POKE&BFD35,0,255,0,80 としてモデムの設定をDTR常時ONにすればいいことをアドバイスいただきました。 その節はお世話になりました。 これがきっかけで、通信出来るようになっただけで無く、SIOドライバやケーブルについて 考えるようになり、G式モデムケーブルの発案に至りました。 Nmasuさんやみずほさん、たもつさんの意見も参考にした私の分析結果を書いときます。 ************************************************************************************************ ■&BFD35:エコーバックについての設定:デフォルトは値は2でCDがONの時にエコーする。 ポケ通とコネクトする前から(CDがONになる前から)エコーした方がキー入力した文字が LCDに表示されて便利なので値を0に変更してdon't care(常時エコー)としている。 G式モデムケーブルはCDをプルアップして常時ONとしているのでデフォルトのままでOK。 ■&BFD36:受信時のハードフローの設定:デフォルト(値&DF)はRR制御。 G式モデムケーブルはデフォルトに対応してますが、ここで問題なのが受信フロー制御線に RRを使わずにRSを使ってるケーブルがほとんどだということです。 そのケーブルでハードフロー受信しようとするには POKE&BFD36,&EF としてハードフロー信号線をRSに変更しなければなりません。 たもつさんに教えてもらったのは値を0にするってことですから、受信時ハードフロー無し にするってことになります。 ■&BFD37:送信時のハードフローの設定:デフォルト(値4)ではCS制御。 これを値0に変更するということは送信時ハードフロー無しということになります。 ■&BFD38:「送信するよ」と送信直前にHiにする信号線:デフォルト値も80(DTRとRS)で変更無し。 全二重通信ではここの設定は何でもいいけど、(G式モデムケーブルはDTR常時ONなので&10でも同じ) これもケーブルの問題で、モデムのRTSにHiを送ってやらないとダイヤルも出来ないので、 ポケコンのRSとモデムのRSをつないでしまってる人は&BFD41を変更せずに使う場合には (&BFD41のデフォルトはターミナルソフトを起動した時点で モデムのRTSにポケコンのRRからHiを送ることを想定している) ビット4の値は1でなくてはいけません。 ただしデフォルトでビット4は1になってるので無変更で大丈夫です。 しかし、これは結果は同じでも間違った使い方です。 ここの設定はモデムをアクティブにしてダイアルを可能にする目的のものでは無いので ポケコンのRSをモデムのRSにつないでしまってる場合はオープン(ターミナルを起動)時に RSがHiになるように&BFD41の値を変更すべきでしょう。 ■&BFD41:ターミナルソフト起動中にHiにする信号:デフォルトは値 &60(DTR,RRをHi)。 RRでなくRSを制御線に使用する場合&50とするべき。 G式モデムケーブルはデフォルトのままでも&20でも(DTRをプルアップしてあるので)OKです。 ************************************************************************************************ ということで、G式モデムケーブルを使う場合、SIOドライバの設定を元に戻して下さい。 POKE&BFD35,&2,&DF,&4,&50 POKE&BFD41,&60 もしくはオールリセットでOKです。戻さなくても使えると思いますが…。 ただ、&BFD36,&BFD37の設定で何故わざわざハードフローを無効にしていたか解りませんので、 ハードフローの設定なんかにしちゃダメだよって意見があれば訳を教えて下さい。 多分RS-RS接続にまつわる理由なのだと思うのですが、RR-RS接続ではうまく行きますので…。 以上、私も間違ってるかもしれないし、読まれた方は是非ご指摘やご意見のメールを下さい。 ●最後に なお、私が考えたんだぞーっていう権利は主張したいですが、改造は是非どんどんやって、 良いのが出来たらでお知らせ下さい。 でも、製作に失敗したりしてポケコン等を壊しても私のせいにはしないよーに。 このケーブルは自分で設計したものの半信半疑で製作をためらっていたものですが Nmasuさんに同意いただいて現実化しました。 また、相談に乗っていただいた、たもつさん、みずほさん、石田くんにもあわせてこの場を お借りしてお礼を言いたいと思います。ありがとうございました。 しかし、G式モデムケーブルをD/L出来るってことはもうストレートケーブルを持っ てるってことですよね。 誰も作る人はいないかな? ●参考文献 PJ'92.7 『レベル・ダウン・コンバータの製作』/みずほ [PC−E500*PC−1480U]活用研究 /工学社 ※活研(初版)のSIOドライバ(P.163)で SIO open port control &0BFD41のdefault value=41Hは60Hの誤りですね? #2845 Great ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 以上、転載記事でした。 本記事中のオリジナルアーティクルのみをダウンロードする。 本記事の執筆者からのコメント: 「改造は自分の責任でして下さい。Great(VEG00302@niftyserve.or.jp) はアドバイスは可能な限りしますが責任は取れません」
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