Ramat式クロスケーブル

Japanese (sjis) Only [最終更新日: 1998年03月14日(Saturday)15時17分48秒]


           
   (画像をクリックすると、元のサイズが見れます。)

本記事は、シャープのポケットコンピュータPC−E500シリーズとパソコン間での
データ通信を実現する為のクロスケーブルです。
ハードフロー対応、無電源動作という優れた特徴を持っています。

私の使用環境では、ポケコン<−−−>パソコン間で38400bps(実質速度28
00バイト/Sec程度)という高速通信においても安定したデータ転送が実現してい
ます。

注意…お決まりですが...。
   本記事により、ポケコン本体が破壊されたとしても一切の責任を負わないものと
   します。全て各人の責任においてやって下さいるようお願いいたします。

以下、転載記事です。

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00013  95-01-04 01:04:06 3755      Ramat式クロスケーブル


なにかの参考になればと思い、
私の作ったクロスケーブルの回路図をupします。
PC-E500のシステムワークを変更する必要はありません。

  ---や | は導線、+ は交点です。

  VVVVは抵抗10KΩ、_ と V はダイオード(1S1588など)です。
                   Λ     ̄

ポケコン側と、パソコン側それぞれ信号名と信号線番号を書いておきました。
なお、パソコンはPC9801を想定していますが、
括弧内にIBM機のピン番号も書いておきました。

                                                                
  ポケコン側                                      パソコン側    
                                                                
    2   SD-------------------------------\  /------SD   2 (3) 
                                           /                   
    3   RD<--------+-------+------VVVV---/  \----->RD   3 (2) 
                   |       |                                    
    4   RS---------------------+        +------------RS   4 (7) 
                   |       |   |        |                       
    5   CS<-+--+---|---+---|------VVVV--+   +------->CS   5 (8) 
            |  |   |   |   |   |            |                   
    6       |  _  _  V  V  |            |        DR   6 (6) 
            |  Λ  Λ  T  T  |            |                   
    7   SG-----+---+---|---|-------------------------SG   7 (5) 
            |          |   |   |            |                   
    8   CD<-+          |   |   +-------------------->CD   8 (1) 
                       |   |                |                   
   11   RR----------------------------------+                   
                       |   |                                    
   13   VC-------------+---+                                    
                                                                
   14   ER                                           ER  20 (4) 

参考:PC-E500*PC1490U2活用研究  工学社
    :インターフェース'93-5 特集"作りながら学ぶRS-232-Cインターフェース"
        CQ出版社
by□#3755□らまっと


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00020  95-02-03 07:15:54 3755      REPORTありがとう!:ラマット[長文注意]


Greatさん、わざわざ作っていただいた上、詳しい使用レポートまでいただいて、
ありがとうございます。

それでは、早速 ER(DTR) を使わないわけと RS(RTS)>>CD 接続にした理由について
解説させていただきます。



(1) ER(DTR) を使わないわけ

 ER(DTR) は、”通信準備ができた”事を通知する信号ですが、
クロスケーブルの場合、通常は相手の DR(DSR) につなぐべきものです。

     **DR :相手が通信可能かどうかを示す入力

しかし、”準備確認は自分で(つまり手動で)行う”ならば、
自分の ER を DR に折り返すことも出来ます。
(Greatさんのケーブルがそうですね)

さて、PC9801(とその互換品)の場合、DRがオフでも
内部回路の事情で通信できてしまいます。
(IBM互換品ではオフだとDEVICE NOT READYエラーが発生する)

そこで、EPSON機を使っている私の場合、
ER>>DRの配線はあっても意味がないので省略しています。



(2) RS(RTS)>>CD 接続にした理由について

クロスケーブルではRS,CS,CD(ポケコンではRRも)のつなぎ方が
一番頭を悩ませることかと思います。

ここで、各信号の役割をクロスケーブルで利用することを前提にしておさらいすると、

  RS:送信するときにONにする送信要求信号
  CS:送信していいかどうかを示す入力
  CD:受信データが有効かどうかを示す入力
  RR:受信できるときONにする信号

ですが、通常、RSは
    相手のCDと自分のCSに入力するか(フロー制御できない)
あるいは、相手のCSとCDに入力します(フロー制御できる)

というのは、モデムを介して通信する場合には、
**********************************************************************
送信要求 RS をモデムに送ると、モデムからキャリア信号が回線を通じて
相手側のモデムに送られ、相手側のモデムではそのキャリアを検出して
 CD をオンにするとともに、自分側のモデムでも届いたのを見計らって
 CS をオンにする。
**********************************************************************
のですが、それを模倣しているからのようです。(図を参照)

モデムが介在するとき
                RS                      CD
     COMPUTER ------>MODEM ---- MODEM ------> COMPUTER
       (DTE)  <----- (DCE)      (DCE)           (DTE)
                CS

モデムをとっぱらうと
                RS          CD
     COMPUTER ---------+---------> COMPUTER
              <--------+
                CS

したがって、これが一番RS232Cを正しく実現した配線らしいです。
しかし、これではフロー制御が出来ないのでRSを相手のCSとCDに入力します。
つまり、送信出来ることを相手に教える信号として RSを使うわけですね。

というわけで、双方のRSとも相手のCDとCSにつないで、めでたしめでたし・・
と行きたいところなのですが、ポケコンにはさらにRRなる信号線があります。
そこでこの信号線は意味から考えて最も適切だと考えたCSにつないでいます。

以上が RS>>CD とつないだ理由です。

ただ、Greatさんのおっしゃったように、ER(DTR)をCDに折り返して
常時受信状態にしてもよかったのですが、(ダメなんてことはないです。)
作る以上はしっかりしたものを作りたかったのでRS232Cになるべく忠実に作りました。

とは言っても、これ以外にも考え方によってはたくさん変化型がありえます。
この文章が何かのお役に立てれば幸いです。


参考文献:インターフェイス'93年5月号
     特集”作りながら学ぶRS−232−Cインターフェイス”
       (株)CQ出版社

    :PC−E550 PC−1490U2活用研究
       (株)工学社

by□#3755□らまっと

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以上、転載記事でした。

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インデックス
    ポケコンのお部屋
        ポケコンの改造・周辺機器の製作
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公開された物で、らまっとさんが著作権を保有しています。
転載にあたりまして、らまっとさんより許可を頂いております。


本ページに使用されている写真は富士フィルムのDS−7で撮影しました。
今の所、サイズを縮小しただけで、一切の加工を行っていりません。m(__)m

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