8月18日 曇り時々晴れ

  幕張新都心(という事を理解してる人が少ないと思うが)の幕張メッセにて年1回のSF大
会が開催される。前日は午前3時に寝たのでどうなるかと思っていたが…

  朝7時。一応目は醒めるが、体が金縛り状態で動けない。さすがに疲れたところで4時間
睡眠では、もう、体が言うことを聞かない年になっている。もっとも、どうしても10時に
間に合う必要はないので、そういう縛りが弱いというのも一因かとは思う。ともかくも、
13時ころをめどに家を出発することにした。

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  本日は日本テレビ恒例の「24時間テレビ 愛は地球を救ったり救わなかったり(一部間
違い)」の24回目でもある。メインパーソナリティは「モーニング娘。」であるため、
ネット上では24時間録画したり、テレビみながら24時間チャットしたり、武道館へ徹夜
で並んだり、といったすばらしい状況が展開されている。私も実際、今日のSF大会がなけ
れば、いずれかの行為を選択したことは想像に難くない。
  24時間TVはここ10数年見ていない。(つまり最初のころはそれなりに見ていたってこと。
純粋な男の子でしたからね(*^_^*)) 大方の人がそうだと思うのだが、あの感動のオンパ
レードには辟易する。一つ一つだけを見れば、まぁ確かに感銘も受けるし、感動的とい
えなくもない。いや、十分にすばらしい事だと思う。が、それが24時間これでもか、
これでもかとつるべうちのように繰り出されると、いい加減にしてくれと悲鳴の一つも
あげたくなる。しかもそれが毎年とくれば、見る気持ちも失せようというものだ。チャ
リティそのものはいいことだと思うのだが、もう少し番組的に演出方法を考えてもいい
のではないか?
  そんなわけでしばらく遠ざかっていた24時間を今回は娘。が中心ででるということで
出来れば見たかったのだが、皮肉なことに、SF大会とブッキングして、ほとんど視聴で
きないこととなってしまった。これも運命か? 結局、ドラマ「最後の夏休み」だけを
録画予約して大会に臨むこととなったのである。(感想は後日)

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  13時30分。会場に到着して受け付け。すでに企画は始まっていて、中途半端な時間なの
で常設ギャラリーなどを見て回る。

  なにしろ、この大会は24時間メッセの一区画を借り切って行われる。企画の数もかなり
多い。いろいろ迷いながら、まずは唐沢俊一、眠田直、山本弘の3氏による「クレヨンし
んちゃん」の企画へ。ここでは今年公開された映画「オトナ帝国の逆襲」をテーマの中心
に据えて、クレしんの魅力について3方が存分に語る企画だ。映画、テレビの映像を交え
つつ爆笑トークが続く。なかでも「オトナ帝国」のキーワードとなっている70年代を代弁
しているイベント「日本万国博覧会 Expo '70」の記録映像が見れたことは非常にうれし
かった。一応私も行ったことはあるのだが(というと大体年齢がバレますね(^^;;)小さい
子供であったため、記憶がかなり不鮮明で、おぼろげに覚えているくらいだったので、
はっきりとした映像による再確認が30年ぶりにできたことになる。そう、あの喧騒は記憶
にあった通り。非常に懐かしい記憶がよみがえってきた…。

  終了後 S井さん、K谷さん、と合流する。早速名刺交換。この大会では自己紹介するの
に大会公式の名刺を使う。何枚か集めると、裏面に印刷したイラストが完成するという
趣向。かなり良い企画だ。ゲストとも気軽に話する機会ができるし、知り合った仲間との
連絡先を手軽に入手できるのも便利だ。余った分は、来年も使おうと私は思っている。
  
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  次ぎは、同じく眠田直、唐沢俊一両氏による「トゥーン大好き」。ここでは欧米の(主
に)テレビアニメーションの魅力を探る企画。最近では「パワーパフガールズ」が日本で
もかなりヒットしているが、それの源流とでも言うべき作品群を、玉石混淆で紹介して
くれる。ポイントは、決してすべての「トゥーン」が面白いわけではなく、かなり、つま
らないものもあって、それらがワンセットで一つの文化を形成していることと、それらが
世代を越えて、継承されていることを強調していた。日本はキャラを使い捨て、という
ような趣旨の発言もあり、それも文化の違いなのか、と思いつつ、もっと次世代へつなげ
ていくあり方も模索してはどうか、とも思う。
  目玉映像は、「トムとジェリー」の人間版。といっても実写ではなく、キャラクター
が猫とねずみではなく、人間だ、ということだ。噂には聞いたことはあったが、こうやっ
て映像の実物を見るのは初めて。かなりテンポもゆっくりで、内容もドタバタというより
ホノボノ系。題名を知らずにみたら、これが「トムとジェリー」とは誰もわからないだろ
うという代物。貴重な映像を提供してくれた唐沢さんに感謝。

  そして鶴岡さんたちとも名刺交換。開口一番「なんでここにいるんですか。武道館行か
ないんですか」と取り囲まれながら言われる。私は返答できぬまま、例のティーシャツを
見せると、一言「バカ!!」と温かいお言葉(^^;; とほほ。

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  と学会のトンデモ本大賞は記念すべき(?)10回目。パネラーは山本会長はじめいつもの
お歴々。今回、永瀬さんが欠席している。会場には来ているそうだが、体調不良という
普段の永瀬さんからは想像もできない理由。実は、最近「コスプレ」に凝っていて今日
も午前中はその格好でいたらしい。と学会の面々もしきりにその勇姿(?)を見たがってい
たが、そのコスプレが女装らしい、という事で更に色めき立った。みんな「逃げたな」
と思ったのは当然といえよう。何でもそのために髪を金髪に染めたという噂も。そこま
でするか(^^;;;。
  とにかくも、今回は例年のトンデモ本大賞より、30分時間が短いこともあり、進行は
さくさくといかねばならぬ状況。幸い(?)ノミネート作品も4つと少なめなので時間どおり
進む。内容はいつものごとく。山本会長のノミネート作品紹介に続いてパネラーの方々の
突っ込み、ボケ、オタ話で手堅くまとまる。ちなみにノミネート作品は次ぎの4作品。

  「奇想天外SF兵器」      渓 由葵夫  著
  「水は語る」            江本  勝   著
  「日本語に潜む英語の謎」田口 賢三  著
  「未来三成」            豊臣さくら 著
  
  ひとしきり紹介が終わって観客の方々による投票が始まる。
私や S井さん、K谷さんは集計係して奔走。なにせ時間が足りないので大慌てで集計作業
を進める。こういう時に限って票数も多く、作業は難航。あと終了まで10分というとこ
ろで何とか完了。会長に結果を私が届けてとりあえず一安心。
  その結果はというと、上から順に104票、71票、9票、33票ということで「奇想天外SF
兵器」に大決定!!受賞のポイントは、アーサー・クラークの「宇宙の戦士」とか、小説
版「銀河英雄伝説」のイゼルローン要塞は液体金属でできている、等々のなんでこんな事
を間違えるのか判らない間違いが爆笑を誘ったことだろう。イラスト担当の加藤直之が
イラスト中で著者に突っ込みをいれるのもポイントが高かった。おめでとう。受賞者に
は賞状と副賞を贈呈しているが、今回は是非「銀河英雄伝説」全10巻を差し上げるのが
よろしいかと。
  
  無事、終了後、後片付けの最中に、私に声をかけてきた人物がいた。「おひさしぶりで
す」それは、かつて一緒にアニメ関係のアマチュアイベントを企画、実行した仲間のひと
り「Y場」だった。私も驚いて「お、なんだなんでここにいるんだい?」といささか間抜
けなリアクションをしてしまう。彼は最近結婚してニューヨークに行ったということしか
知らなくて、その後の消息が不明だったので、正直このような場で会うのは驚きだった。
早速、S井さん、K谷さんも集まって再会を一応、喜ぶ。
  唐沢さんたちが食事をとる、ということで私たちも同行することに。ホテルニューオー
タニのイタリアンレストランで。なんだか似合わねえ。というか、「と学会半纏」を着た
ままってのはちょっとどうかとも思う。でもノータイお断りでもなかったし。まいっか。

  Y場は奥さん同伴。聞くと、唐沢さんがニューヨークにいく時に、どこか面白いスポッ
トがないかNIFTY serve(現@nifty)のFCOMEDYS、裏者会議室で質問したところ、おすすめ
の場所を教えたのがY場で、奥さんは電話連絡されたそうだ。唐沢さんは、私たちとY場
が知り合いだと知って驚いていたが、それも無理ないですね。
  食事中は、Y場と今までの近況などを情報交換したり、昔話にはなが咲く。奥さんはサ
ンライズに勤めてて、今「逆襲のシャア」の英語版制作を手伝っているそうだ。Y場本人
は、詳しくは書けないが、銀行から出向扱いで政府の仕事をしているそうだ。相変わらず
怪しいとこに首をつっこんでいるな〜。

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  さて、食事からもどってブラブラ。
永瀬さんとばったり出会う。残念ながらコスプレはしていなかったが金髪になっているの
を確認。「ほんとうだったんだ」とみんなで心の中で納得。すると突然「デジモンアドベ
ンチャー」の映画の参考となったであろう地区(光が丘団地だったか)をロケハンしてきた
写真をみんなに見せ始める。延々と1時間近く4人で立ち話が。以前唐沢さんがいっていた
のはこれか、と了解した次第。非常に興味深い考察だったので、別に退屈したとか、そう
いうわけではないのだが、これから見て回るところで出会い頭になったので、ちょっと困
惑。そんなことお構いなしに話つづけるのが永瀬さんらしい。女装の話をふると、あれは
「女装ではなく、女性キャラのコスプレ」だそうだ。うーん。どこが違うのか私には判り
ません(^^;;;

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  なんとか永瀬さんの追撃を振り切って次ぎの企画へと。まずは「怪獣酒場」。すでに
始まって30分以上経つので、会場は満員御礼。ゲストトークも盛り上がり、熱気ムンムン。
開田あやさんがご自分の同人誌を販売中。コミケで買えなかった新刊2冊を購入。サイン
といつものキスマークをもらう。(同人誌に、だよ!!) 何の流れか、私がモーオタだとい
うと、あやさんが「そんな中学生みたいな」と手厳しいお言葉。私、絶句。「結婚に繋が
らないような無駄なことを」ということらしいが、別に結婚うんぬんとか、そういう方面
のことは娘。で考えたこともないよね、確かに。あやさんらしい突っ込みで、なんとも
うれしい。

  引き続き、「もう一つのセーラームーンR」志水さんがゲストだが、中国語版のセラム
ン映画版を流しただけ。とほほ。私もこの時間(午前1時過ぎ)になるとかなりくたびれて
うつらうつらし始める。

  「フランス・ファイブ vs 愛國戦隊大日本」という日欧2大戦隊ものアマチュアフィル
ムを同時上映という企画。「大日本」はずいぶん久しぶりに見る。オープニングでは、
観客が例の主題歌を大合唱。カラオケで太陽戦隊サンバルカンの曲がかかるとどうして
もこちらの「大日本」の歌詞になってしまうという、すばらしいインパクトを与えた傑作
替え歌。「家は焼け、畑はコルホーズ。きみはシベリア送りだろう」というところは、
古今東西の替え歌のなかでも10指にはいる傑作といえるだろう。それを100人からの大の
大人が合唱するさまはとにかく壮観。
  対して、「フランス・ファイブ」はその名のとおり、フランスのオタ(特撮オタ)たちが
作った戦隊ものパロディ映画。実はこれはすでに10本近く制作されているらしく、Webで
も予告映像等が見られるそうだ。
  今回はその1作目と予告編を上映した。ちゃんと字幕が着いてるのに関心。もっとも
なくても大体どんなことをやってるか、判ってしまうところがなんともはや。なかなか
ツボを押さえてあって、実にそれらしく出来ている。たとえば、悪の首領が、部下を叱
責するシーンとか、怪人が巨大化したところをあおりでとって表現するところとか。
ちゃんと戦隊物のフォーマットを理解して作られている。しかも殺陣のシーンは日本人
のアドバイザー(?)がいて指導をしたらしく、かなりそれらしく出来ていた。
ぜひ、続きを見てみたい。

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  午前2時。ここらでそろそろホテルへ。といっても、私は宿泊を希望していなかったの
で、S井さんとK谷さんの部屋へ居候することに。(よい子のみんなは真似しないでね)そ
の部屋がとんでもない部屋。通常のビジネスホテルのシングルの部屋にソファーベッドを
置いてるだけで値段も一人9000円というふざけた価格。客なめてる。そんなわけで私は当
然、ゆかにごろ寝することに。さすがに徹夜は体が持たないので、それだけでも感謝感激。

  一息ついて、24時間テレビをちらりと見る。女性アスリートを集めて走り幅跳び(?)を
するという、なんだかよく分からん企画。カオリとなっちが司会で出ている。あれ?
なっちの右目に眼帯が!!いったいなにがあったのだぁ! 心配。

  3時過ぎに就寝。Zzzzz.

  
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