7月13日(土) 雨のち晴

  朝。7時30分ころ、まだ寝ぼけ眼でごそごそ起き出して、ホテルの一階で朝食バイキン
グ。特に可もなく不可もなく。 8時30分チェックアウト。大きい荷物を預けて、出雲大社
へ向かう。朝方降っていた雨も止んで、天気は曇り。でも、かなり蒸し暑く、出雲大社駅
についたころにはぐったりしてしまう。

  大社に参拝する前に、旧出雲大社駅を見学。前回きた時も見てはいるが、K谷さんが見
ていないし、写真がはっきりと撮れてなかっので、改めて見学する。
  旧駅舎は相変わらずだったが、一つ変わっていたのは、以前は大社境内になぜか置いて
あった蒸気機関車D51が、移動してきていた。考えてみれば、こちらにおいてある方が自
然であって、大社にあることの方がおかしいわけだ。今頃気がついたというのも、変な話
しであるが。S井さんと、何やらの賞を受賞したという駅のトイレに入る。もちろん、用
を足すために入ったのだが、どこが? という普通のトイレ。どうやら、人が入ったのを感
知して照明を自動的に付ける機能が環境に優しいとのことで、賞を獲ったようだが、それ
だけかよ! と二人して突っ込む。

  ひとしきり見学したあと、大社に向かう。その途中で「雲太」という、古代出雲大社の
模型を展示している展示館を見学。地元の高校生が作った、古代御本殿の模型なども圧巻
であったが、なんといっても 2年前(2000年)に大社内で発掘された、「心の御柱」の実物
大模型の迫力には圧倒された。もちろん、長さではなく、太さを再現しているわけだが、
写真を見ると如何に大きいかよく分かると思う。高さ 100メートルに及ぶ神殿を支えるわ
けであるから当然とはいえ、これだけの建築技術があったというのはやはり驚きである。
では、そこでもらったパンフレットから説明を引用してみよう。

「平成12年、拝殿北側の出雲大社遺跡では、四世紀の祭祀の存在が明らかにされたほか、
歴世の建物跡が検出されました。(中略)これまでの調査で大社造りの 9本柱のうち、神殿
で最も重要な心の御柱(しんのみはしら)、御本殿の棟を支えた宇豆柱(うづはしら)、さら
に側柱の3カ所の御柱が検出されました。 3カ所の御柱はともに、3本の巨木(杉材)を束ね
1本として立てられ、大量の根固め、裏込めの石によってつき固められています」

  驚きつつ、大社にいよいよ参拝。拝殿のまわりには、先程の心の御柱の位置が記してあ
る。出雲大社特有の二礼四拍一礼で参拝。宝物殿を拝観。「皇后陛下御話」という冊子が
無償配布されていたものをもらってくる。皇后陛下が第26回国際児童図書評議会ニューデ
リー大会で基調講演をされた時の全文がまとめられたものだ。NHK教育テレビでもその講
演は放送されて、文藝春秋にも掲載されたらしい。なるほど。
  境内をひとしきり見て回り、おみくじをひいて、大社を後にする。お昼には少し早いが、
せっかくなので、出雲そばを食す。近くの「やしろや」という店まで歩く。まだ開店した
ばかりで、客は私たち 3人だけ。定番の割子そばを食す。流石に歯ごたえ、香も申し分な
く、瞬間で食べ終わる。蕎麦湯をいただいて一心地。

  ここから荷物引き取りに出雲市駅(なぜだか、駅名に「市」がつく)まで戻る。到着寸前、
突然滝のような雷雨。明らかに通り雨、夕立という感じなので、駅の100円ショップで買
い物アンド冷やかし。後で聞いたところでは、この豪雨のために、SF大会に飛行機で来た
人たちは、出雲空港への着陸が出来ずに、待機させられたそうだ。幸い別の空港に降ろさ
れることもなく、無事到着したとの由。
  小一時間すると、先程の雨はカラリと上がったので、ホテルまで預けた荷物をそそくさ
と受け取りに。そのまま、SF大会会場の玉造温泉まで向かう。

  玉造温泉駅に着く。ホテルから迎えのマイクロバスに乗ってホテルまで。受け付けを済
ませてグダグダしているところへ、唐沢さんご一行が到着。と学会の元副会長藤倉さんは
じめ、TDSFの面々も合流。早速、出来上がったばかりのと学会10周年会誌をみなで閲覧。
唐沢さんご一行含め、私達は別の旅館なので、そちらに移動開始。夕食と最初の企画まで
(日本トンデモ本大賞)まで時間もあるので、旅館に荷物を預けて、近くの健康ランドのよ
うな施設で、少し簡単な食事をすることに。流石に全員一緒に席には座れないため、3カ
所に別れる。
  何を食べようか、さっきそばを食べたばかりなので、ここはやはりそばだ、ということ
で割子そばを注文。ところが、隣の島で同じく割子そばを注文したソルボンヌK子先生が
別の席に「おいしいおそばよ〜」といっておすそ分けに行くのを目撃して「しまった!」
と激しく後悔する。で、予想通り食してみるとそばだれは甘くてくどくて、そばはヘナヘ
ナなへたれそばで、喉ごしも香もあったもんではない。それでも、なんとか無理やり流し
こむ。やっぱりこんなとこで、おいしいそばを期待するほうが無理なんですな。

  部屋に戻って、しばらく休憩。私は日記更新。S井さんたちは風呂へ。

  6時。まずは夕食。これがいかにも温泉宿の食事といった感じで、とにかく量だけは出
てくる出てくる。お味の方はまぁ、普通の温泉宿の食事だと思ってください(笑)後から聞
いたところでは、もう一つの旅館の方では、ステーキとメロンが出たとのはなし。しかも、
味も申し分ない、ちゃんとした食事だったとのこと。後にこのことで色々一悶着になるの
だが、それはまた別の話し。それはともかく、200人くらいが一同に会して取る食事の様
は壮観であったことは確か。そして、それを一気に賄う温泉宿の技術にも感心。

  夜。お腹一杯になって、部屋へ戻ると、なんと鍵がかかっている。鍵がかかっているの
が普通であるが、今回、都合で、全部屋は鍵をフロントで預かって管理することとなり、
私たち宿泊者は鍵をもっていないのだ。それなのに、どうやら布団を敷いた仲居さんがい
つものように鍵をかけていってしまったようなのだ。閉め出された人たちで廊下は溢れて
かえっていた。フロントから鍵の束をもった従業員がやってきて事なきを得たが、ここら
へん、連絡が不徹底で、不手際という他ない。

  8時30分。「日本トンデモ本大賞」準備のために階下に降りる。会場の設営は済んでお
り、あとは物販の準備、投票用紙の配布のみ。K谷さんと配布終了すると、呼び込みのお
仕事。会場が少し奥まったところにあるため、入りにくいと判断したためだ。幸い会場は
ほぼ満員。例年通り爆笑のうちに進行。私は会場の後ろの方で見ていたのだが、ふと会場
の脇に目をやると、この旅館「松の湯」の従業員の制服を来た女性が佇んで、舞台をじっ
と熱心に見ているのに気づく。年のころは二十歳前後の美人といって過言でない女性だっ
た。「はあ、こんな田舎にもきれいな人がいるんだなー」なんてスゴク失礼なことを思い
ながら、トンデモ本大賞の進行を見ていたのですが。
  そんなこんなで、大賞も決定して無事終了。(結果の詳細はこちらをご欄ください)と、
先程の女性が唐沢さんに色紙をもって近付いていくのを目撃。どうやらサインをもらって
いる様子。唐沢さんはなにやら恐縮して、しきりにサインをしている。なにごとか会話し
ているようだが、こちらまでは聞こえてこない。後に唐沢さんの日記で知ったのだが、そ
の女性は「松の湯」の若女将だそうで、しかも唐沢さんの大ファンとの由。ほとんどの著
作をもっているらしい。唐沢さんがなんだか恐縮した様子だったのも頷ける。熱心にトン
デモ本大賞の様子を見ていたのもこれで合点がいくというものだ。それにしてもこんな田
舎に(以下自主規制)

  大きいイベントが終了して、後はどうすべ、とあちこちをフラフラ。とりあえず怪獣酒
場に顔をだして、すぐにディラーズルームへ移動して、グッズ販売の手伝い。しかし、疲
れと酔いのためか、私は午前2時ころにはほとんどグロッキー状態。あえなく、部屋に戻
って倒れこむことに。なんとも、長い一日であった。当然チャットも更新もせずに泥のよ
うに眠るのみ。

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