少しだけダジャレシリーズはお休み。

 2月 8日(土) 晴れ

  今日から金沢旅行。朝早く、といっても7時ころ目覚めて、日記を更新。今やっておか
ないと10日に帰宅してからやることになるので、間も空いてしまう。また、くたびれた体
にムチうってやるのはちょっとキツイと思ったからだ。とはいっても、出発の直前なの
で、やや中途半端な更新に。まぁ、仕方ない。結局、8時15分に家を出る。
  
  今回の旅行は、目的が二つある。一つは、金沢市内で行われるイベント「百万石怪獣酒
場」への参加。この「怪獣酒場」は毎年のSF大会で毎回企画されている催しだ。簡単にい
えば、特撮やSF好きな人たちが集まって夜通し酒を酌み交わすというもの。それを特別に
金沢で行おう、というものだ。そして、もう一つの目的は(というか、もともとはこれが
メインであって、それに付随して「怪獣酒場」がくっついたのだが)能登半島にある、民
宿「さんなみ」グルメツアーだ。ここは、小さい民宿ながら、ご主人が食へのこだわりを
追求して、季節ごとの能登半島の豊富なさまざまな食材を手間暇かけて最高のものに仕上
げた料理を出してくれる、作家の唐沢俊一さんがあちこちでおすすめしている宿である。
唐沢さんの日記等を読んでいると、食にうるさいK子先生ですら絶賛の嵐。ならば、いつ
かは行ってみたいと思っていたので、今回のこのチャンスを活かして私たちもそれに同行
することができたというわけだ。

  羽田。9時30分。待ち合わせは10時だったのだが、かなり早く到着してしまう。待ち合
わせの場所がガレリアの噴水前、と聞いていたのだが、そもそもガレリアがどこなのかが
判っていなかった。出張で羽田を利用することは多いが、待ち合わせなぞ、ついぞした事
がなかったためでもある。うろうろして、なんとか判ったものの、まだ30分も前なので誰
も来ていない。本当にここでいいのかなあ、と不安になりながらも、昨日買ったばかりの
iPodで、カントリー娘。などを聴きながら到着を待つ事に。
  9時50分ころ。唐沢さんご夫妻が到着。ほどなく、開田さん、あやさん、T矢さんとS
山さんらが到着。と、S井さんからPHS に電話が。羽田に今着いたとのこと。しばらく談
笑するも、FKJ さんが10時を過ぎても来ない。心配するも、携帯の連絡先も判らず「なん
で知らないのよ」とK子先生がいらつき始めるも、やきもきするのみ。往生する。が、な
んとか20分ほど遅れて到着。一同安堵の息をつく。
  そのまま搭乗ゲートまで。手荷物検査。私はお手の物だが、なかには荷物を一切合さい
引っ張り出して調べられた人もいた模様。本人の名誉(?)のために特に名は秘すが、靴の
底に折り畳み式のスパイクがついていたのでは、係員が調べてもなかなか判ろうはずもな
い(笑)。
  そんなこんなで、無事搭乗。金沢、小松空港までは一時間足らずの短いフライト。上空
は天気もよく、北アルプスを通過する際の雪化粧した山々が実に美しい。スキー場も見え
たりして、隣に座ったT矢さんと、スキーもいいなー、と愚痴ともなんともつかない会話
を。日本海も今日はかなり穏やかで荒々しい冬のイメージは見られない。
  空港に降りるとき、近くに小松ドームが見える。「ああ、ここで娘。たちがコンサート
をしたんだなぁ」と密かに思う。
  飛行機を降りて、空港に立つと、今回の怪獣酒場の幹事である、SKさんたちがお出迎え。
車で市内まで送ってくださるとのこと。全く予期していないことだったので多少の驚きは
あったものの、素直に感謝。人数も多いので、4台くらいに分乗して出発。しかし、意外
だったのは天候だ。先週は金沢はじめ、日本海側は軒並み大雪、吹雪、というありさまで
普段雪になれているはずの金沢市民ですら、雪道での転倒事故が相次いだらしい。そんな
話しを聞いていたので、流石にそこまでは行かずとも、相当サムイだろうと思っていたが、
存外暖かい。気温が12時現在で11度。へたすると東京より暖かいくらいだ。まぁ寒いより
は暖かいに越したことはないのだが。なんとなく構えてた出鼻を挫かれたようなへんな気
分に。
  
  1時すぎに市内到着。お昼をまずは食べると言うことで近江町市場近くのしゃもじ屋と
いう料理屋に。ここでは、持ち込みの食材を料理して出してくれるとのこと。K子先生ら
が、市場でカニを買ってきてそれを調理してもらう。食事は簡単なものだったが、ブリの
焼き物、味噌汁など。それに市場で買ってきた甘えび、カニがどさっと。といっても、人
数も多かったのでそれほど満腹にはならず。しかし、味はさすがに絶品。充分満足して店
をでる。

  ルネス金沢。以前SF大会はここで開かれたとのこと。私はその時は参加しておらず、翌
年の横浜からが初参加だった。ともかくも、宿泊兼、会場のロッジへ。このロッジの作り
がスサマジイ。コンクリートブロックを積み上げて、それにペンキで色を塗っただけの内
装。しかも、色が薄い蛍光色のピンクや青、緑である。一見してまんま「ラブホ」である。
もっともベッド類の調度品はちゃんとしたものだったが。
  夕食まで時間があるので、少しベッドに横になってテレビをなんとなく付けたり。S井
さん、T矢さんは風呂へ。そのままテレビを見ていると、ハローモーニングが映る。しか
も、関東では1月19日に放送になった回だ。それだけなら別にどうということはないのだ
が、その19日の夜の特番「モーニング娘。六期メンバ決定」の番宣まで一緒に放映してい
るのだ。一応お断りのテロップは入るものの、まったく手抜きというかなんというか。ま
ぁそんなことは関係なく、じっくりと見てしまいましたが。こちら石川県でも、一時間放
映してるようで。喜ばしい限り。それにしても、岩手行った時も夜中の「ハロモニ。」の
放送を偶然見てしまうし。やはり呼ばれているのかな〜?(笑)

  夜6時。市内の「JINEN」という創作料理の店。なかなかいい雰囲気の店だな、と思って
いると入り口のカウンターを、「千と千尋」をイメージして作ったとのこと。これを聞い
て全員「ええ〜?」と呆れる。が、料理はそれなりにうまい。ちと、量が多くて閉口した
が、最後に出てきた野菜焼きは絶品。SKさんが盛んに勧めただけのことはあって、かぼち
ゃなども、単にあまいだけでなく、土の滋養というか、そんな栄養をたっぷり含んだ艶や
かな味。東京ではなかなか味わえない。
  そんな宴席の途中、ちょっとしたヘンな出来事が。K子先生が原酒の水割りセットとい
うのを頼んだ。出てきたのは大きい黒いお碗と小さい赤いお碗。黒いお碗の水で割って、
チビチビやっていた。「あ、これは確かに濃いお酒だ」と、K子先生。そのうち、大きい
お碗が空になったので、水の追加を店の人に頼んだ。ほどなく持ってきたので、赤いお碗
から注いだ酒を割って、S井さんにそれを飲んでみるように勧める。それを飲んでS井さん
が「水ッぽい?!いや、水そのものだ」と。そんなばかな、飲み過ぎでS井さん舌がバカに
なったんじゃない?と全員から突っ込まれる。いやいや、飲んでみて、間違いなく水だよ、
と私に飲ませるS井さん。半信半疑で飲んでみる私。「あ、確かに水だよ」と声を上げる。
この一言で周りは大騒ぎ。さっきまで酒だと思って飲んでいたのはなんだったのだ? いつ
どこで、水に変化したというのか? 喧々諤々事実究明を進めるものの、何がどうなってい
るのか、混乱するばかり。果たして真相は?
  さて、みなさん、この謎が判りますか? ここまでの経緯は文章にするといささか判りづ
らいかもしれません。が、真相は実に簡単なこと。実は、大きい黒いお碗の方にお酒が入
っていて、小さい赤いお碗が水だったのです。それをK子先生初め、全員勘違いして、小
さい方にお酒、大きい方に水だとばかり思っていたために、このような珍事が起きてしま
ったのです。普通、私たちは酒の量が少なく、水が多いと、先入観で思っています。その
盲点を付いた実に秀逸なトリックだったわけですね! K子先生が盛んに「酒が濃い」と言
っていたのも、お酒の入ったお碗を水だと思っていて、実はたくさんお酒を注いでいたか
らだったのです。そりゃ、濃くて当たり前ですね。

  金田一少年みたいなミステリーもありつつ、宴は終わり。大雨が降ってくるなか、タク
シーにてルネスまで戻る。S井さん、I矢さん、FKJ さんと私とはコンビニに寄り道。食玩
買ったり、私は娘。のトレカをなんとなく買ったり。その後近くの109 の地下の本屋で少
しブラブラ。結局8時からの怪獣酒場の始まりには間に合わず30分ほど遅れてしまう。そ
れでも、実際に始まったのは9時ころに。

  怪獣酒場といっても、要は酒飲んで怪獣、特撮、SFオタ話しに興ずるだけなのですが、
今回は特別にクイズ大会が催される。参加者30人全員の自己紹介のあと、トンデモチーム
と特撮チームに分かれることに。私は当然トンデモチーム(娘。チームてのがあればよか
ったんだけどね〜)に参加。その中から選りすぐった8人を回答者とすることに。私もそこ
に加わる。
  最初は、定番クイズ。「何々といえば?」というやつだ。8人のなかで、同じ回答をした
人が多いほど、点数が高くなるわけだ。が、これがなかなかいっかな揃わない。うけ狙い
で「SF映画といえば?」という設問に「さよならジュピター」とか答えてしまう。「特撮
ヒーローと言えば?」で宮内洋という回答も。これは確かに頷けるけど(笑)ひどい時は、
トンデモチーム全員が違う答えを出してしまい、得点がなし、なんてことに。まぁ、と学
会らしい、といえばそうなんだが、こういう時は困ったもんです(苦笑)
  続いては教養(といってもSFやアニメ、特撮、マンガのですが)クイズ。これは、選んだ
問題を相手チームに答えさせるという、少し意地悪なもの。しかも、指名された人が三回
答えられないと、チームから脱落するというキョーフの掟が。どんな問題が出るか、心配
が的中してしまう。特にSF関係は私はあまり読んでいないこともあって、ボロボロ。指名
された問題は読んでない、あるいは憶えていないことばかりで、あえなく私は三回答えら
れず脱落。もっとも、指名されなかった問題はちゃんと判ってたんですけどね。おそらく、
「わかんな〜い」と言うのが顔に出ていたんだと思いますが。
  今回のクイズで判ったのは、意外にみんなしっかり憶えていないことが多い、というこ
とと、古参のファンを最新のことは知らないし、若いファンは古い事を知らないという当
然といえば当然のことがはっきり判ったのでした。

  ここまで、点数はやや、トンデモチームが先行。といっても、かなりの接戦で、途中逆
転、また逆転という筋書きのないドラマ状態。これには、最初は「いまさらクイズなん
て」と多少やる気なのなさを露呈していた人も、熱中し始める。

  最後は体力勝負の三回戦。スプーンによるゴムたまご運びとトランプ抜き取りゲームで
トンデモチームが特撮チームに逆転される。これで万事窮すか、という最後の勝負がタオ
ル輪くぐり。ここで、トンデモチームは細身のメンバーにチェンジ。必勝体制をとる。こ
れが功を奏してか、両者同時で勝負つかず。SKさんが機転効かせて逆方向でもう一回。今
度はトンデモチーム二人の差をつけて優勝! 私がラスト走者(?)で、思わずタオルを頭上
に高々と放り投げて勝利をアピール。なんとも、スポ根ものでもここまでの感動的な筋書
きはなかなかなし得ない。それを現実に味わうというのも、なにやら可笑しい。
  実際、ここまで盛り上がるとは思わなかったが、それもこれも、SKさんの数々の仕込み
があったればこそだろう。どうやれば盛り上がるか、そのノウハウを知り尽くした達人の
仕事ぶりだったと思う。なんしても、楽しかったです。感謝!
  
  さて、その後はいろいろと上映や、おしゃべり。唐沢さんは、「The Bambi meets Godz
illa」の続編の「The Son of Bambi meets Godzilla」を上映。最新のCGをふんだんに使
った傑作。それと昭和初期の、現代の目で見ると実にシュールなアニメ「茶目子の一日」。
素人さんが作った2時間(!)におよぶ大作アニメ「浅瀬でランデブー」に爆笑。氷川竜介さ
んは、特撮番組に出ていた声優さん特集。ああ、こんなところに、という発見がたくさん。
  続いてはマッドビデオ上映会。内容はここには書けないこと多し。玉石混交なれど、多
くは爆笑の連続。最近はデジタル技術を個人レベルで駆使出来るので、映像的なクオリテ
ィは高いものが多い。それだけに内容で勝負しないと、なんとなく作っただけでは、笑い
はとれない。

  CDTVを見て、1時30分ころバブル時代に建てられた温泉に入りに。1987年建築とあった
のでまさにバブル真っ盛りに建てられた。作りも、意味なくでかく、また、装飾過剰でな
んとも落ち着かない。しかも、一部清掃中であった。軽く浴びて脱出。
  
  3時ころ就寝。明日はいよいよ、待望の「さんなみ」へと向かう。楽しみ。

  だいぶ長くなったので、続きはまたあした。


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