5月 5日(月) 晴れ

  「おばちゃん、ご卒業おめでとうございます…」涙で泣き崩れた顔。体調不良からか、
ガラガラになった喉から懸命に声を絞り出した次の瞬間、彼女はその場にしゃがみこんで
嗚咽をもらしていた…。

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  この日が来てしまった。連休最後の日でもあるが、結構早めに9時には起床。昨日まで
の日記を途中まで更新。突然PHS に着信。はて、誰だろうと思ってみるとS井さんから。
なんでも今上山競馬場にいるとのこと。S井さんの実家に近くなので、競馬をやりにいっ
ているらしいが、例の保田記念の馬券を買ってきてくれるとのこと。思わぬ申し出に感謝。
競馬場には保田大明神ののぼりが上がっていたとのこと。「お土産」を楽しみに通話終了。
  今回は、珍しく昼夜連戦となった。今までは連日いくことはあっても、一日で同じライ
ブを連戦したことはなかった。果たして、体力が持つか不安ではあったが、まぁ、なんと
かなるだろう、と楽観。
  
  11時、出発準備をしていざ、出陣。京浜東北線で、会場に向かうらしい、小さい姉妹と
母親連れを多く見かける。今日のライブの意味を知ってか知らずか、無邪気に圭ちゃんの
うちわを持っているのを見て、微笑ましくなる。
  
  会場は昨年と同じく巨大な、さいたまスーパーアリーナ。「スーパー」の名に恥じぬ巨
体は偉容である。最近では、仮面ライダー龍騎はじめ、各種特撮のロケ地として使われて
いるので特オタのみなさんにとっても、聖地となっている。アリーナCゲートの前では変
身ポーズをとる人多数。私も一応やってみる。「変身!」
  
  TKさん、まるつさん、ボゾさん、nagareさんたちと立ち話。nagareさんからは夜公演の
チケットを受け渡してもらう。
  子供の日。会場ではこいのぼりが風に泳いでいる。そのまわりに集う人人。はためく保
田大明神ののぼり。

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  「コラ! 立ちなさい」花束を抱えたまま膝を折り、うずくまった彼女に厳しくも、優し
く声をかける。今にも倒れそうな彼女はふらふらと立ち上がり、涙にくれながらも、なん
とかお別れのメッセージを言い終える…。
  
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  昼公演は名古屋での流れと基本的に同じ。アンコールの最後に六期メン3人とミキティ
が登場する。正直、六期メン3人の挨拶はいかがなものか、とは思う。彼女たちがいけな
いわけではなく、そういう演出をした人にその責があるのは当然だが、結局ステージに立
つのは彼女たち自身であって、いわれなき批難を受けてしまうのには、同情を禁じ得ない。
  
  昼公演はなんということもなく終了。私としては夜公演へ向けての覚悟を決める場のよ
うな感じ。いや、純粋に楽しんではいたんだけどね。どうしても最終公演を視野に入れざ
るを得ないですよね。
  会場外に出て、いつもの面々で遅い昼食でかつ少し早い晩餐を。会場近くの居酒屋。TK
さん曰く「フォースがずっとかかってるんですよ」と。一瞬、はて、フォース(理力)がか
かっているとは? と思ったが、すぐに4th「いきまっしょい!」のことだと思い当たって納
得。客層にあわせたサービス、というわけなんですな。てか、なんで去年のアルバムなん
だ? とも思うが。
  居酒屋に入ると、もうあちこちオタさんの集団が。もちろん自分たちもですが(笑)。TK
さんの言う通り、4th がエンドレスでループしている。それに合わせてPPPHしたり、恋愛
レポリューション21の振りを同期させたり。ノンケな客がいたら迷惑千万なこと甚だしい
が、きっと客の94% はオタさんであることは間違いないので、まぁ、いいかと。店員さん
もそのことは充分承知しているようだし。
  最初は4人で入店したはずなのに、いつのまにか、8人に倍増。賑やかなことだ。私も珍
しく日の高いうちからビールが入ってほろ酔い気分。もちろん、このあとのことを考えて
セーブはしましたが。
  会計すませて、支払いをしていると、レジのテーブルに積み重なった娘。さんのCDがあ
るのを目撃。アルバム、シングル、最近のものはほとんどあったようだ。あれだけあるな
ら、順番にかければいいのに。てか、やっぱり店員にオタの人がいるのかな〜?

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  「卒業しないでほしい」不意打ちだった。涙があふれる顔をとっさに横へ向けて堪える
のが精一杯…。

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  夜公演開始まであと、40分前。店を出ると、かなり風が出てきて、半袖では涼しいくら
いになっている。が、周辺は今にも爆発しそうな熱いテンションでみなぎっているのが肌
で感じられる。あちこちで上がる「圭ちゃん」コール、奇声を発する人、なぜか「ロマン
チック浮かれモード」で「回って」る人なんかも(笑)。
  再びCゲート前でオタもだちのみなさんと立ち話。繊細さん、wackyさん、巣鴨さん、
コイタさん、N.F.さんたちも合流して話しに花が咲く。ふと、見るとHEY×3、堂本兄弟な
どのオタ御用達番組のプロデューサー、きくちP が携帯をかけながら私たちの側を通りす
ぎていった。「あぁ、やっぱり見に来たんだ」と変に感心する。
  
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  「圭ちゃんはさぁ、いつもぉ、変だけどぉ…」「変って言うなよ!(笑)」「色々教わ
ったし、たまにクサイなぁって思うけど」「クサイって匂いじゃないよ!」

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  さて、いよいよ私たちも会場入りしようかと、言う時に「円陣組ましょう」と見知らぬ
人が声をかけてきて、成り行きでそのまま円陣になって「しょい!」とときの声をあげる。
不思議な一体感と高揚感と照れくささが渾然一体となる。「あの人誰?」と聞かれるが
「いや、知らない人」という答えしかできない間抜けな状況(笑)。

  18時20分。いよいよ、私たちも最後の戦場へ…。
  
  今回はnagareさんと連番。Bブロックのセンター近くという好位置。会場はすでにテン
ションが異常なほど上がっていて、いまにもはち切れんばかりだった。
  そしてAS FOR ...開始から、声援の大きさ、熱量は今まで見てきたライブのどれよりも
凄まじく、さきほどまでの軽い酔いがいっぱつで吹き飛ぶ。本当に最後までまさに「NON 
STOP」で完全燃焼だった。一人一人、もちろん、圭ちゃんを、全てを己が目に焼き付けん
と、その姿、声、動きの一挙手一投足を追い続ける。これほど時間が短く感じられたこと
はない…。
  
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  今にも泣き出しそうに歪んだ表情。顔。万感の思いをこめて「また一緒に歌おうね」と。
  
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  会場を出ると、虚脱感と寂寥感と、疲労感とが渾然となった不思議な感覚でみな立ち尽
くしていた。と、J-UNITさんとばったり。なんでも、仕事が予定より早く終わったので、
少し遅れて入場したとのこと。オサヴリオは見れなかったものの、ビーナスムースが見れ
て良かったとのこと。

  三々五々流れ解散。みな、言葉少なに駅を目指し、黙々と歩く。何人かは新宿で圭ちゃ
んに乾杯! やっぱり、オタ話しに花が咲く。

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  頬をつたう涙が美しい。「こんなに素敵なモーニング娘。になりました」そして、抱擁。

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  帰宅は、1時すぎ。汗だくなので、ともかくシャワーを浴びる。ネットをザッと巡回し
て今日のレポが早々と上がっているところをチェック。どこもシンミリと圭ちゃんのラス
トを見届けた模様。

  興奮冷めやらぬまま、3時ころ就寝。
  
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  さいたまスーパーアリーナには「圭ちゃん」コールがいつ終わるでもなく、こだまして
いる。そして、ステージの階段を降りきった時、モーニング娘。としての「保田圭」は終
わりを告げる…。

  「圭ちゃん、ありがとう」


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