山乃湯


(ん〜、味があるでしょ?)

aqua.gif (191 バイト) 場所 JR土崎駅 徒歩15分

今度はかなりシブい銭湯だったっす。

さて、秋田で電話帳を調べ、次々と正月営業の銭湯を調べまくる…が…「ああ、やめちゃったんですよねえ」とか「この電話は現在使われていません」攻撃に相当遭遇。秋田も相当ヤバそうっす。秋田県全部でも20軒切っているんでないだろうか?主に秋田市と大館市っす。

で、土崎の山乃湯、ここは元気よく、「やってますよ〜」の返事。とはいえ、何と営業時間が15時から19時まで。これまた凄いぞ。秋田駅から土崎駅へ、ここは以前セリオンに行った時に降りた駅だな。かつては秋田の表玄関だったらしいっす。まあ、港町は期待できるが、年末の忘年会では「東北にはあまり銭湯ないよ」と言われてたんで、あまり期待せずに行ったっす。

土崎駅を降りて歩きながら感じたこと…神社の類が異様に多いっす。あと、寺も。まあ、航海安全を願うために歴史的にいろいろあったのかもしれないっす。あと不思議なのは、医者の類が異様に密集してるっす。これは良く分からん。が、異様に病院が多い土地っす。

土崎駅から徒歩20分ほど、冬だったからで夏なら15分くらいかも。ケータイのimapfanが家屋番号までピンポイントで示しているっす。ジャスコの脇あたりかな…と歩いていると、地図のその場所に煙突発見。すげー、このハイテク武器。細い煙突だが、遠くから黒煙が見えるっす。黒煙っつーことは、廃材の利用かな?最近は煙の色までチェックするようになってしまったっす…

で、歩いていると…あれ、どこだろうか?何と、一回通り過ぎてしまったっす。それだけ銭湯と分からない建物。入り口はほとんど民家の玄関と見分けがつかないっす。わずかに上に「男」「女」の表示。でも戸が二つ並んでるっつーのは紛れも無く銭湯。さらに上の方を見上げると「山乃湯」の屋号。これって…ちょっと洋風の建築。が、紛れもなくレトロな銭湯。誰だ!秋田にレトロな銭湯なんて無い!って断言してたのは。

中に入ると北国特有の玄関二重構造。まず下足入れは…一応、名古屋型にパカっと上に上げるタイプの下足入れがあるんだが、鍵なんかはついていないっす。戸の脇に番台、っつーか、ぐっと奥に入った番台。この構造は、小樽のだるま湯のような番台っす。

入り口で秋田銭湯料金、360円を払うっす。「オールドスパイス」の古い使い捨て用の風呂グッズが置いてあり、興味しんしんだが、使いもしないものを購入するのも、なんとなく「銭湯の道」に反する…で脱衣場へ。番台のバックにはフクスケ人形。なんか人情ありげな顔っす。

さほど大きくない銭湯だけど、脱衣場天井はまあ高い。しかも格子になってるっす。ロッカーは…それらしい木のロッカーが少しあるけど、鍵なんか当然のようにないっす。おそらく土地柄、盗難というものに縁がないところなのだろう。鍵なしのロッカーに旅行カバンを押し込み、脱衣は…丸籠。しかもこの丸籠、なんと三個しか置いてない。一つは使用中、後からもう一人オッサンが客で来たので全部使用中状態。あとは少しゆったりしたソファ、旧型マッサージ機、さらにKEIHOKU'S SCALEとあるアナログ体重計。この「’S」というロゴがある KEIHOKUのものは珍しいような気がするっす。脱衣籠を浴室から見えやすい位置に置いて浴室へ。

浴室…これがまたボロ銭湯。一応コンクリの床なんだが、これがまた冷たい。歩くと床から冷気が伝わるっす。島カランなし、窓際にカランが5個並ぶっす。センターになんとシャワーがちゃんとついているが、これがまた、単に「シャワー」 だけ。沖縄の銭湯みたいだな。桶は白ケロリンが積まれているっす。

浴室の天井は木造のゆるやかにアーチ型のもの、ただし真中にしっかり湯気抜き。それにしても足元が冷たいっす。カラン前に陣取る。カランは湯の方は 「宝」マークの丸型、水の方はナスビ型。湯の方を押しても最初は水しか出ないっす。押しっぱなしにしてると湯になるが、これまた熱め。逆に水の方は思いっきり冷水。ブレンドに注意が必要っす。男女の境は…これまた上部が見えそうで見えないスリガラス。これってもしかして、一時人気のあった施設なのかなあ。北国に行くと良く見かけるっす。

浴槽へ。浴槽は…一応2槽式?湯の出口は岩で二筋に分かれているが…片方は「くみ湯槽」的な小さいもの。実質1槽だろう。そんなに大きくないが、とり急ぎ浸かる…温度は43度くらいだろうか?しかし、外は厳寒なんで、十分身に染みる温度っす。

浴槽背後には、もしかしたら昔壁画が描かれていた?ようなパネルが掛かっているっす。その下のタイルは模様入り。おそらく特注品だったんだろうなあ。 まあ、いろいろパーツを観察しながらご入浴。こんなボロ銭湯なんだけど、やっぱり 厳寒の地には銭湯がピッタリはまるっす。

上がりは…ドリンクの類ゼロ。しかも番台に誰もいないし…どうやら番台のお姉様、女湯側にいって客と雑談にハマっている模様。っつーわけで、結構心に残る秋田のレトロな銭湯だったっす。


(変わった形の番台、背後にフクスケ)

(2002年1月)