鷺沼温泉


(しかしこの入り口も凄いよな、レタリングをよく見るとわざとこうしたのが分かる。
向こう側に格天井と扇風機が見える)

aqua.gif (191 バイト) 場所 京成津田沼駅 徒歩20分 もしくはJR津田沼駅からバス

ちょっと用事で千葉に行くことになったので、ついでに津田沼の鷺沼温泉へ。京成津田沼駅から20分くらいあるかなあ。JR津田沼からだったら、バスを使った方が無難っす。それにしても、何でこんな場所に銭湯が…この海辺って埋立地だから、かつてはこの辺りが海岸だったのかなあ。


(銭湯&Half Moon)

遠くから見える巨大煙突が目印。ぐるっと一周回ると、裏の釜場はなかなかの貫禄っす。いつ頃からやってる銭湯なんだろか?それにしても、この銭湯の入り口は…手書きのヘタくそな行灯看板が無造作に通りに置いてあるっす。まあ、看板つけてるだけやる気があるっつーことか。入り口もこれまたなんだか良く分からない、トタン張りのような入り口。下足入れは玄関の外にあって、下足板の鍵は古い松竹っす。


(無造作に置かれている看板…)

中に入ると、当然のように番台。千葉銭湯料金は385円だけど、ここは切りのいい380円にしている模様。なかなかレトロな銭湯っす…天井は高く、格子になっているっす。で、この銭湯なんとロッカーが無い!?壁際に棚と、後は丸籠が積まれているのみ。郷に入れば…っつーことで丸籠を「タン」とやって使うっす。TANAKAのアナログ体重計。天井からは小さめの扇風機がぶら下がっているっす。

さて浴室へ。これが…なかなか凄い銭湯っす。天井は高い東京的2段構造なんだけど、湯気抜きの部分がちょっと広いっす。でも高い天井。桶はケロリン黄色、島カランは1列なんだけど、両側のカランはシャワーが無く、鏡があるんだが、島カランはシャワーのみで鏡がない。シャワーも、なんかカランの上部から植物のように上に伸びたシャワー。レトロ銭湯だけど、カラン回りは改装してあるようで、5角の赤青。湯量、湯温OKっす。シャワーの湯量がムチャクチャ強いのはいいんだが、かなりぬるいんだよなあ。

さてこの銭湯、見所はまずビジュアルっす。まず最奥部に富士山のペンキ絵。しかもこのペンキ絵、いわゆる東京のペンキ絵師のものではない…平成5年とあるけど、プロの絵であることは間違いないっす。全体的に青っぽい絵。手前が海っつーことは伊豆からのショットか。その下に鯉のタイル絵。鯉が4匹、他で見るよりも大きめの鯉で、蓮もかかれているっす。びっくりするのが、タイル絵の一番脇に内科医院の名前が入ってる…なんでだ?この名前も一緒に焼いたの?医院がタイル絵のスポンサーになったっつーことか?でも、電話番号が…「新習志野53番」とあるっす。二桁の電話番号。電話の収容局直結の番号っす。いったいいつの時代のかなあ。「新習志野」とあるのが謎だが…むろん、章仙師のもので「鈴榮堂、九谷」のサインが入っているっす。

続いては男女の境の3枚のタイル絵。いずれも章仙師のものっす。手前が忠臣蔵とあるけど、江戸時代の男女が立っている絵。センターが松の絵、一番奥はおとぎ話かな?マキを取りにいったらしい男が、川でひょうたんに水を入れている絵。桃太郎なら婆さんが洗濯だが…こうなると、女湯の絵柄が気になるっす。

そしてこの銭湯の一番のポイント、天然温泉っす。浴槽は最奥部に深浅2槽。まさに黒湯の天然温泉。熱いと聞いていたが、浅風呂は43度くらい、深風呂は44度くらいで、黒湯の湯あたりも良く、むしろ快適温度っす。埋め太郎も誰もいないところがよろしいっす。基本的にアルカリ泉の、ややぬるっとした温泉。蛇口のところにコップが置いてあったので、飲用可っつーことか?見るとペットボトル持参で、水を入れて持ちかえる客もいるようっす。一口飲んでみるが、なんとなくミネラル味…のような気がするっす…

こんな街はずれのレトロ銭湯、静かそうに思えるけど、これがなんと結構客が来てるんすよねえ。オマケに次から次へとやってくるっす。孫を連れた爺さんなんかも。やっぱり温泉パワーは魔物だなあ。

上がりは…ドリンクは多少あって、なぜかハングル文字の缶ドリンクも?ビン牛乳なんかもあって、結構迷ったんだけど、結局FURUYA乳業のビンのキャロットジュース、120円。FURUYAっつーのは千葉じゃ結構メジャーな乳業メーカーらしいっすねえ。これが結構、キャロットが濃いのか?どろどろドリンク、なんか有難いっす。傍らを見ると、脱衣場の床に丸籠が10個以上、あちこちに置かれているっす。近頃見ない光景。

っつーわけで、交通の便は悪いけど、タイル絵といい、天然温泉といい、かなり雰囲気を感じる、しかも満足な銭湯っす。


(釜場光景)

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(2002年10月)