仲の湯


(ビルの2F、入り口が二箇所ついているっす)

aqua.gif (191 バイト) 場所 JRいわき駅 徒歩3分

一軒逃した!

さて、いわき市の港である、小名浜へ向かう。この市はやたらデカいんだよなあ、平(たいら)からだと10キロくらいはゆうにあるっす。が、古くからある港街は外せないよなあ。前日に確認でTELいれたところ、「今日は休みだけど、明日は…多分開けてるよ」というアバウトな返事。しかも営業時間は1時から6時っつー超変則的な営業、港町特有のものだな。これはボロ銭を期待出来るに違いない。


(小名浜マリンタワー、実はあっしは塔おたくである)

交通は泉駅から小名浜行きのバス、小名浜駅停留所下車。「駅」っつー名前なんだけど、鉄道はないっす。かつてここに駅があったんだろうなあ。石炭の積みだし港としても、かなり栄えた模様っす。


(マリンタワーから小名浜港方面を望む)

さて、行ってびっくり。何と…ソープ街だよ!どうやら、遠洋漁業の基地だったため、海の男目当てに風俗街が栄えた模様。うむ〜、何かやりにくいなあ。野郎がソープ街うろうろするっつーのもなあ…しかし住所はまさしくその中になっているっす。なかなか見つからない…ここでもimapfanだ!何度か行ったり来たりしている内にようやく発見。しかも…休みだ!(がっかし)。

しかしこれじゃ分かる訳ないよ。タダの民家っす。わずかに鬼瓦の乗った小屋根と、戸が二つ並んでいるので、良く見ると銭湯っぽいのだが…絶対わかんねーだろうなあ。郵便ポストに「菊の湯」と書いてあるので、これで確認が可能っす。それにしても…次にここに来るチャンスはあるだろうか?


(これで銭湯って分かるかね?)

さて気を取りなおして、再び平市街へ戻る。チェック済の仲の湯へ。ここは駅からかなり近く、歩いて3分ほどかな?電車に乗る前の一湯としてはいいかも。「仲の湯」の行灯看板発見、営業は2時から11時っつーことっす。なんと銭湯は2Fにあり、入り口が2個所あるっす。ビルのてっぺんから大きめの煙突が突き出ている。これは珍しいなあ、と写真を取っていると…


(こちらもう一方の入り口)

いきなり背後から「写真取ってるの?」の声。あちゃ〜、ヤバいか?考えてみたら、通りから写真取ってるだけだから別に悪いことしてる訳ではないのだが…振り向くと歳の頃70過ぎの婆さん。向かいの薬局の婆さんらしいっす。咎められているのかと思い、「いや〜、あの煙突が珍しくてねえ」なんて言うと、「こっちの看板の方が珍しいわよ」ありゃ〜、マニア心を解する人だったか。隣のトタン屋、確かにトタンで出来た、珍しい看板。そうこうしてると、「あの角の建物は、木造で下からストレートに立ってる珍しい建物でねえ、大正時代にビルみたいなもんよ」「あの蔵は100年くらい前に一流の大工が立てたヤツで…」と次々と解説が続く。「実はウチの木戸も珍しかったんだけどね、鍵のからくりが木で出来てて精巧で…20歳くらいの大工が昔作ったのよねえ」と次々解説。


(確かに、ブリキが浮き出た造りの珍しい看板)

平は空襲がなかったのかな?確かに街中に古い蔵が多いっす。「こうした建物も、アタシ達は一生懸命守っているけどねえ、代が変わればどうなることやら…」確かに、今やこうした手間をかけた木造建築が実は高級建築、今もし同じ建材を使って同様に建てたら、一体ビルがいくつか建てられるか…なんて理解している人は少ないかもしれんねえ。


(「大正時代のビルみたいなもんよ!」だそうっす…)

さて銭湯だ。煙突が高いのは、おかくずを燃やしてたから、っつー解説までもらってきたっす。狭い階段を2Fに登ると…唐突に「男湯」「女湯」とある引き戸。タダのアパートの一室みたいっす。中に入ると番台。350円払う。下足入れは無くって棚だけなんで、靴は土間に脱ぎ捨て。ビル銭湯なんで天井は低いっす。

ロッカーはおしどりのシリンダ錠のものだが、一つも使われてないので、丸籠を「タン」と叩いて利用。HOKUTOWの小型のアナログ体重計。

浴室へ。小さな小型銭湯だけど、なかなか現役臭はするっす。結構清潔にされているっす。島カランは小さいのが1列でシャワーと鏡は無し。カランはセンターから4225の計13個。ここに客が5人くらいいるから、そこそこ客の入りはある模様。桶はケロリン、緑椅子。カランは丸型の赤青、シャワーともども湯量、湯温OKっす。

ビル銭湯なんで天井は高くなく逆「へ」の字になっているっす。壁画等は無し、最奥部に2槽式の小さめの浴槽。温度は43度以上、いわきに来てからぬる目の湯ばっかりだったんで、これは有り難い。脇に超音波風呂の能ガキ板が掛けてあるけど、これが何とホーロー板。深風呂側に1穴のジェットが2機。浅風呂は何もなし。生活銭湯っすねえ。

上がりは時間も無いので急いで出てきたけど、ドリンクもあってビン牛乳、コーヒー牛乳の他にソフトドリンクもいくつか。この銭湯の感じは、日立の駅前の銭湯に似てるなあ。番台もかなり高いし。っつー訳で駅近くの実用銭湯だったっす。

(2002年8月)