一の湯


(なんか凄い木造建築、格子戸にも注目)

aqua.gif (191 バイト) 場所 桐生駅からバス

桐生へ。桐生の銭湯地図はこのあいだの三鷹のオフロ・アートの後でゲットしていたので、丁度いいタイミングだったっす。行きの電車の中でマップを眺める。2002年1月2日現在で9軒か…ローカルな都市にしては異様に多いっす。なんでだろうなあ…ついこの間のデータだから、まさか廃業はあるまい。予定の時間より少し早めに桐生に着いたので、新桐生から少し歩いて午前中の銭湯の様子をチェック。

桐生の銭湯は桐生を南北に連なる道路、これってなんて道なんだろうか?の両サイドに多くあるっす。まず一番南の桜湯の前を通過。比較的新しいめの銭湯なのかな?木造建築だけど。さらに錦桜橋を通り渡良瀬川を渡る。桐生には前にも来たことがあるけど、この橋はなぜか良く覚えているっす。


(午前中の桜湯)

(錦桜橋と渡良瀬川)

その先に三吉湯。ありゃ〜、これは凄い銭湯だな…絵に書いたようなボロ銭湯。新桐生に近いし、帰りにここに寄ることに決める。その近くに姫の湯…あれ?無い。該当番地辺りには整地したばっかりの不自然な空き地。おいおい、1月にはちゃんと存在してたはずだぞ…まさかと思い、不自然な空地に不法進入し、地面を調べてみる。痕跡があるはずだ…あった。おそらく銭湯のものだったと思われる模様入りのタイルの破片。遅かったか…


(整地されて間もないと思われる、不自然な空地)

(これぞまさしく銭湯タイル)

さて、午後の仕事も終わり、すでに夕方。さて、これから東武の特急に乗るまで、少し街を探索してみようか。まず天満宮に近い一の湯へ。これがなんというか、凄い木造建築。どう凄いかというと良く分からないのだが…とにかく 「おおっ!」ってな建物。早速入ってみることに。

通りに面して超音波風呂の大きな暖簾。今でこそ当たり前になった気泡ジェットだが、出現当時は革新的だったんだろうなあ。おもしろいことに、玄関の手前に格子戸があるっす。玄関手前脇になぜか小さなのようなもの。


(玄関脇、何これ一体?)

玄関開けるとイキナリ脱衣場、浴室まで素通し。この番台がまた低いっす。土間に続いた番台。桐生の銭湯料金は…330円。平成7年の料金表だが、それからずっと据え置きっつーことか。脇の方に木の下足板の古い下足入があるが、地方銭湯は普通脱ぎ捨てだろうなあ。

で、番台にいるはずのお姉様は、女湯側にいて、乗りだして料金を受け取る。番台に座っているのは…なんとトトロのぬいぐるみ!トトロに店番か… お姉様、旅行者然としたあっしを見て「手ぬぐいはお持ちですか?」「あ、大丈夫です」っつーか、スーツで地方の銭湯めぐりするヤツもあまり居ないだろうな…


(ぬいぐるみに店番やらすか!?)

木のロッカーはあるのだが、いずれも鍵が壊れていて、常連桶が突っ込まれているっす。っつーわけで積まれている丸籠を使うことに。脱衣場の天井は、そんなに大きな銭湯な訳ではないので、さほど高くは無いが格子になっているっす。床はゴザが敷かれていて、質感が暖かいっす。で、脱衣場の男女の境が…低いよ、こりゃ。背の高いヤツなら向こうがみえてしまうんでないの?さらに古い身長計。

浴室へ。外からみたら相当ボロっぽい銭湯だったが、浴室は意外に綺麗っす。っつーか全然まともだよ、これ。天井は淡い緑に綺麗に塗られて間がない模様。桶はオリジナルの屋号の入った黄色桶。緑椅子。天井は高く、東京と同じ2段型っす。

男女の境側のカランはシャワーもついているっす。1個だけハンドシャワー。カランは温泉マーク入り赤青丸型。客がいないせいか、最初は温度が上がらないが、しばらく出してると適温適量。小さな島カランが一つあって、ここは鏡もシャワーもないっす。あと、窓際にはカランもなにもなし。

さて、この銭湯で最初に驚くのは壁画。浴槽背後に、山々のタイルに書かれたタイル絵。その下に鯉のタイル絵。章仙とかそういうものではなく、比較的新しいような感じだけど、綺麗な絵っす。が、鯉がなんと13匹いる…1匹余計じゃないのかな?

そして肝心の風呂へ。今日は結構寒い日だったから、結構銭湯を心待ちにしてたのよ。しかも嬉しいことに、なんと薬湯!有馬の湯の茶色の入浴剤が入った湯。オーソドックスな深浅2槽式、浅風呂の方には赤ランプ。こっちは43度くらいっす。これがまた、今日の気候のせいかかなりハマった…一ところで長居しているヒマは無いなと思いつつ、気色がいいのでじっくり入るっす。ジェットも2機噴出中。深風呂は44度くらいっす。なにしろあっしの他は誰もいないので、静かに壁画を見ながら入っていると時が経つのも忘れるっす。

上がりは脱衣場の広いテーブル型の椅子で、これまた地元の「田中牛乳」 80円を賞味。なんか濃いような気がするなあ、この味は。他にコーヒー牛乳、パックのジュースなんかもあるっす。壁を見てると「組合の取り決めにより、営業時間を3時から11時と決めさせてもらいます」とあるっす。営業時間まで抜け駆けなしか。銭湯が多かったから共倒れっつーか、人気銭湯に集中するのを防ごうとしたんだろうなあ。ふと耳を傾けると、女湯側から男の談笑する声がする…え?浴室からも音がするから、誰か入浴中に違いないが、何で女湯から男の声?気になる…っつー訳で外見よりも全然グッドな銭湯だったっす。っつーかあっしの常湯より全然いいよ。


(誰もいないんで撮っちゃいました。なんかいい感じでしょ?)

(2002年3月)