深川湯


(雪深い、極寒地の銭湯)

aqua.gif (191 バイト) 場所 JR深川駅 徒歩10分

旭川から札幌に戻る途中、深川で途中下車。北海道に行くときは必ず「いらっしゃい北の銭湯」を持参してるんすよねえ。これにとりあえずこれに載ってる銭湯に入ってみてる訳だが…ところで勘違いされることがあるのだが、あっしは旅行マニアでも、ましてや鉄ちゃんでも何でもないっす。あえて言えば酒場マニアだろうか?

さて、旭川〜札幌の特急ホワイトアローは1時間に一本。つまり、下車して1時間以内で戻らなければならないっす。事前にケータイの地図で周到に場所をチェック、それにしても北海道の住所は「条」表示だから分かりやすいっす。駅から5ブロックほど南下か…


(JR深川駅、しかしオレも真冬にこんなところまで…ナニしてんだろうな?)

さすがに深川も内陸部で寒いっす。歩道は凍りついているので、イカに急ぎとはいえ念入り注意して歩く必要があるっす。普通に歩いて10分ほどかな?4条の大通り沿いに銭湯らしきものを発見!だが暗い…いや!牛乳石鹸の最新版の暖簾が下がってるぞ!やた〜。

この建物は何と表現すれば良いかなあ…木造建築だが、モダニズム?系?北海道らしいちょっとオシャレな建物。むろん、入り口は二重のドアっす。中に入ると低い番台形式、北海道銭湯料金370円を払うと、番台のお姉様が、「サービスですけど…」と貝印のカミソリを渡してくれるっす。さっきヒゲ剃ったばっかりなんで、「あ、いいです」と断ったが、やっぱり北海道均一料金、札幌辺りではいいけど、深川辺りに来ると割高感が結構するんだろうなあ。下足入れが少しだけあって、下足板の鍵はツルカメ。ま、空いている地方銭湯なら、土間に脱ぎ捨てが正統だろうなあ。下足入れ使うと掃除せんといかんだろうし。

脱衣場天井はさほど高くはない、地方銭湯的高さ。あちこちに人形だの置きものが…この辺り、シンプルを良しとする東京銭湯と地方銭湯の違いっすね。壁に橋幸夫の地方巡業ポスター。その他、バレーの全日本チームの写真が張ってあるっす。なんか縁があるんだろうなあ。七福神のジグゾーパズルも。銭湯のジグゾーパズルとかあったら面白そうだなあ。

メーカーが判明しない、年代モノのアナログ体重計、旧式マッサージ機。ロッカーは無く、丸籠とプラスチックの四角籠が積まれているんで、丸籠を使うっす。木の長椅子、灰皿。

さ、浴室へ。爺さんが一人入っているなあ…わざわざシャワー無しのカランを使っているか。基本的にセンターに長方形浴槽、奥に副浴槽とスチーム、 カランは両サイド、窓側の列のみにシャワー有り、といった典型的な地方銭湯配置っす。桶は…なんと貝印カミソリ桶!天井は四角錐形で真ん中に湯気抜き、外気が冷たいので湯気がもうもう。男女の境は北海道的に厚手の向こうが見えないガラス。

カランは赤丸のレバー、湯のみ1つ。シャワーも最初はぬるいけど、出しているうちに適温に。ところでここの湯って、少し色がついてて、わずかにニオイがある…井戸水かな?考えてみりゃ、井戸水も温泉も天然水で大した違いもないわな、勝手に人間が決めただけで…この辺りって石炭とか出るだろうから、黒湯系だろうか。

さて、風呂で暖まるか…このセンター浴槽、見るからに熱そうなんだよなあ、とまずは奥の薬湯へ。抹茶のような色だけど、なんの湯だろうか。温度は42〜43度くらい、すっかり冷えきった身体をウォーミングアップ。続いてセンターの主浴槽へ…温度は43〜44度か、慣れれば丁度いいなあ。わずかに黒い色がついている湯。じっくり暖まる。

汗が出るくらい暖まったら、早速水風呂へ。冷却型ではない一人サイズなんで、温度は20度くらいだろうか。水風呂で冷やしたら次はスチーム、明らかに後から増設した、アクリル板で囲まれたスチーム。3,4人サイズで、温度は50度くらい。スチーム入っておくと、後で暖かさの持続力が違うんすよね。さらに水風呂、主浴槽。最奥部の壁には1.5x1メートルくらいの湖畔のモザイクタイル絵

時間がない割には結構堪能したっす。女湯からはずっと話声、北海道のオンナは話好きだ。ドリンクは缶のお茶等、小さなケースに3,4種類ほど。しかしこのドリンクケースに「ジンセンアップ」っつー謎のキーワードが…たまに見る単語なんだが、いったいどういう呪文だろうか?そういう名前のドリンクがあるんだろうなあ。

番台のお姉様、なかなか人なつっこそうな、上品ないい笑顔をするっす。話もしてみたかったが、何しろ時間がない…乗り遅れたら1時間待ちだからなあ。っつーことで「ども〜」と飛び出てきたっす。そのまま駅にすっとび、特急電車に滑りこみ。さすがにこの時期の深川、寒さが凄い。濡れた頭で歩いてたら、駅につくころには完全冷凍っつーかパリパリ…ドレッドみたいになっちゃうよ。しかも空気の乾燥度凄いんだよなあ、FREEZE or DRYみたい な感じっす。ところでオレって一体何やってるんだ?と考えないこともない…


(髪もあっという間に凍りつく、厳しい自然)

(2003年2月)