喜楽湯

aqua.gif (191 バイト) 場所 地下鉄西11丁目駅 徒歩10分

札幌ではすすきののど真ん中に投宿。なにしろ夏場の札幌はホテルが見つからない。こうした歓楽街の中は観光シーズンは結構空いているものであるっす。

さて、ホテルに行く前にどっか一つ寄っていくかー。とりあえず電話帳を調べる。そういや、前に来たときにタクシーから銭湯看板が見えた ところあるな、あれどこだったけか?と南5西10の喜楽湯へ。とーぜん巨大荷物抱えて。北海道難病センターの隣にあるっす。

ここは通りから看板がよく見えるビル銭湯。ロビー等はガラス張りで表からフロントが良く見える。フロントの親父はTVに見入っている模様。とりあえず表から写真一枚…とデジカメ構えてたら、液晶モニタの中で親父がこっちを見ている…。ううむ、真っ赤なアロハとベルボトムの野郎が店の前でデジカメ構えてたら、確かに気になるかも。

ちょっと気後れするが、意を決して突入!看板に「サウナ、ラドン」とあるが、別料金はない模様。北海道銭湯料金360円を払って中に。 フロントは風呂小物豊富、ドリンクも結構種類あるっす。さて、男湯に入ろうとすると…???ドアをあけて入る構造。ドアの向こうに牛乳 石鹸天女暖簾。なるほど、もしかしてこれは冬場に脱衣所の温度が低下しないように、ドアで遮断してるのかも。こういうところに土地柄が出るっすねえ。

天井はビル銭湯のために低い。っつーか、北海道って東京伝統型銭湯って見たことないんすよねえ。旧式の銭湯でも、スクエアな合理的なつくりが多いっす。問題は冬場だろうなあ。東京型のつくりだと、熱効率がすげー悪そう。っていうか、冬場は雪が屋根に積もるっつー問題もある。

脱衣場のロッカーはやや大きめで旅行カバンも入るサイズ。しかし、鍵がちょっと見ないタイプだなあ。折鶴&六角形のデザインっす。とりあえず荷物を全部押し込んで浴室へ。

浴室。これがまた、東京を離れた実感がするっす。おたく好みのセンター型浴槽。奥にラドン&サウナ&水風呂。周辺カランタイプ。とりあえずカランに陣取ろうとするが、窓際のカランはなんと温水のみ。センターカランは冷温両方あるので、こっちに行く。みんな当然のごとくこっちに並んでいる。

カランは東京では珍しい、レバーっぽいメカニカルなもの。カランの押すところは丸い。クラシックなカランっす。カランの湯が熱めなのは GOODっす。シャワーの湯量は…これがちょっと少ないんだなあ。まあ、銭湯探求家にとっては問題ないが…

で、桶はケロリンと椅子は象が踏んでも壊れない緑椅子。さて、使おうとするが…あれ?このケロリン、普通の睦和のヤツのはずだが…あれ? なんか小さいのである。関西系の小ぶりのサイズ。小さいサイズのケロリンってあったのか?それとも錯覚?いやいや、なんか小さいぞ。見かけは全く普通のケロリンなんだが…誰かこの、ミニサイズのケロリン桶って知ってるっすか?これは超意外。

ふと考えてみた。北国では燃料は貴重である。同じ湯温にするにも、南よりも全然燃料を使うだろう。お湯が貴重なゆえに、このミニサイズのケロリンや、湯量が少ないシャワー、そんな事情があるのではないだろうか?もしかして。

さて、期待のセンター型メイン浴槽に入ってみる。少し長くなっており、2槽式で片方が通常槽。片方がジェット3機噴出中。通常槽はスカイミントの薬湯になっている。入ってみると…おおっ!?これが熱い。45度あるのではないだろうか。北海道って熱湯派だったのか?ひゃー、意外。メイン浴槽の脇には水のみ場がある。熱いのでついゴクゴク。

壁画等はないのだが、札幌の銭湯で見かける子供向け(?)の「お風呂マナー」の絵が書いてある。「おしっこをしないこと」こりゃ当たり前だ、「ふちに腰掛けないこと」???北海道では浴槽のふちに腰掛けるのは禁じ手なのか?どう見ても銭湯オリジナルでなく、浴場組合が作成したようなマナー絵である。

続いてスチームのサウナへ。ここは椅子が木の椅子。結構熱くて気色よい。サウナの後は水風呂だ!一人サイズの小さな水風呂である。これが…これまた温度がかなり低い。思わず「おお」と声を上げそうな温度っす。もしかして、15,6度だったりするのか?とにかく冷たい。悪くないっす。

お次はラドンだ。特有のニオイがするっす。こっちの浴槽はぬるめで、もしかして42度切ってる?2箇所から噴出がある。壁には二人向かい合って座っている絵付きの、ラドンの能書きが書いてある。

さて、〆はメイン槽のジェットでしめるか。ジェット3機、浴槽が妙に深い。背骨周辺に入念にあてる。と、このとき衝撃の光景を発見!

どうやら中学3年あるいは高校1年くらいの野郎が3人くらい一緒に来ていたのだが…カランのところにシャンプーとか載せる台あるっすよね? あそこに緑椅子を乗せて…その上に立って女湯を覗いている!男湯、他に何人も客がいるんすけど…一応考えていて、向こうから発見されないように、2秒くらい頭を出して、すぐに引っ込めている。戦場のようである。ありゃー羨ましい。あっしもお仲間に入れてくれんもんだろうか。あの位の年頃って、悪ふざけが好きなんだよなあ。でも北海道の銭湯って、男湯女湯の仕切りが割と低いっす。

とりあえず一通り入って上がる。さっきの中坊も上がってきてるが…なんと、脱衣場にて、脱衣場の男湯女湯のドアに、膝下くらいの隙間があるのだが、あそこに首を瞬間突っ込んで脱衣場も覗こうとしている。あいや〜。しかしちみたち、地方銭湯なんてギャルはおらんぞ、おらんはずだぞ、オバンに見つかっても損でないのか…(自信なし)でも、中三くらいの年頃って、みんなで他愛のない悪ふざけやったりして連帯感が出来たりするんだよなあ。

出掛けに下駄箱の鍵を再度チェック。あ、鶴と亀、これってもしかして「ツルカメ」ブランド?そうすると、さっきの脱衣場の折鶴に六角形も 「ツルカメ」なのか?東京では珍しいが、こっちではメジャーだとどっかで聞いたことがあるっす。鶴と亀の絵の下には「PATENT」と入っている。

っつーわけで、申し分のない生活実用型銭湯だったっす。しかし、あっしも銭湯めぐりずいぶんやっているが、覗きの現場に出くわしたのはこれが初めてだぞ。実は「覗きの文化」っつーのも、江戸時代あたりから延々とあるんだろうなあ。


(特に意味はないが、時計台。こういう温泉があったらいいのに。)

(2000年7月)