柳湯

2003年に廃業しました


(ちょっと古ぼけた外観、演歌歌手のポスターも)

aqua.gif (191 バイト) 場所 地下鉄すすきの駅 徒歩3分

さて、すすきののホテルに到着してから、ホテルの石鹸やシャンプーを持って銭湯に出かけることにする。全く変な客である。めざすはすすきの歓楽街の真中に古くからある伝統銭湯「柳湯」。閉めるのが早い北海道銭湯の中で、ここは24時まで営業中。南6西5。

フーゾク街の中に銭湯登場。隣がピンサロである。スクエアな建物だが新しくはない。金色の「柳湯」の文字も重々しい。看板はやや風呂屋らしくなく、珍しい行灯看板。暖簾は柳湯オリジナルでやや縦長、屋号の下に「ご入浴ください」の文字がいいっす。


(隣に「ヘルス」の看板)

さて、ドアを開けて中に入る…番台と土間が一緒になったタイプ。下駄箱も脱衣場と一緒。番台が低くて女湯見えそうなんだけど、しっかりついたててガード。下駄箱はあまり誰も使っていない模様っす。地方の特徴っすね。東京の場合、盗難っつーよりはき間違えを恐れているんでないかな。下足板の鍵のメーカーは…ここも鶴と亀のマーク。すなわちツルカメ。

北海道銭湯の特徴で、脱衣場も浴室も天井がフラットっす。なかなかこの銭湯、庶民的フンイキあふれる銭湯っす。結構混んでいる。さすがすすきの。脱衣場のロッカーの数は相当少なく、わずか12個。が、みんな脱衣籠を利用しているもよう。で、面白いのは常連桶。棚にちゃんと名前が書いてあり、桶の所定の置き場所が決まっているっす。これまた珍しいが合理的なシステム。「カビ、異臭のあるもの、一週間以上利用のないものは撤去します。」これまた当然のルール。っていっても、一週間なんてチェックはできないだろうけどね。あまり放っておくと外すぞ、っつーことだろう。

ロッカーの鍵もツルカメ。ロッカーも東京じゃみないタイプだが、こっちではポピュラーなものっす。さて浴槽へ。

ああっ!地方銭湯だ。入り口脇両側に副浴槽2つが並ぶが…センターにどーんと長方円形主浴槽。これだよ、これ。カランは周囲をぐるっと取り囲むように配置されている。主浴槽手前にひし形の島カラン2個。っつーても本当に小さな島だけどね。

早速カランに陣取る。一応遠慮して窓側手前のカランへ。桶は睦和っぽいが、「柳湯」とマジックで書いてある。サイズは…標準。っつーことは、やっぱりさっきのケロリンは東京サイズと違うミニケロリンだ。発見したぞ。シャワーは結構湯量が情けない。北海道では湯は貴重なのだろう。カランなんだけど、お湯カランのみ。水はなし。っつーか、銭湯内に冷水のカランは一切無い。カランがこれまたレバーのような、東京では見ないタイプ。奥の壁際に「飲料水」水呑み蛇口が一機。北海道では水呑み設置が標準のようっす。

さて、期待のメイン浴槽…おお、熱めだ。おそらく45度くらい。北海道の銭湯は温度が高い。外が冷たい時って熱い湯に入りたくなるもんねー。健康には悪そうだが…ケンコーばっかり気にして、何が人生!センター浴槽は底が深い。腰掛けられるようになっている。ここに腰掛けると、入浴者がみんな向かい合って雑談スタイルになるようになっている。なるほど。こういうメリットもあるのか。東京銭湯だと、みんな縦に並ぶもんねー。東京で横に入っているヤツってあまり見たこと無い。

さて、次は副浴槽へ。こっちはメインより若干ぬるめ。片方がバイブラ、片方がジェット。バイブラは泡の出が強く、マッサージ効果がいかにもありそう。んで、ジェット…これが変わっている。メチャクチャ変わっている。浴槽に片方に、密接してジェット噴出口が等間隔で9個。それだけ。風呂に入って背中を当てると、3個程度のジェットが背中に当たる。少しポイントをずらしてもGood。ううむ、変わっている。

壁に能書きが書いてある…ん?鶴亀温水器工業?なるほど、この会社が札幌の銭湯施工をやっているんだな。だからツルカメか。なるほど、銭湯らしく、縁起のいい名前じゃないの。

上がりはグレープフルーツジュースを飲みながら、ソファに座って扇風機。テーブルに手製のライターが置いてあるが…ああ?なんか変わっている。ビニールテープでぐるぐる巻きにしていて、変なものがくっつけてある。番台にタバコ売っていたところといい、灰皿にちゃんと消し用の灰がてんこ盛りにしたあったところといい、ここの銭湯オーナー、相当の煙草好きかも。


(ザ・すすきの)

(2000年7月)