東湯


(ドアに「男」「女」と手書きで書いてあるのみ)

aqua.gif (191 バイト) 場所 JR日立駅 徒歩10分

日立の銭湯へ。電話帳によると日立は茨城最多の銭湯エリアのようだが、どうも南北に長い市のようだ。やっぱり中心っつーと日立駅なんだろうなあ、と日立にたどり着く。住所と照らし合わせて4軒ほど発見。定休日と時間のチェックもしたぞ。ところで、定休を聞くと「決まってない、なるべく休みなしにやるようにしてるけどねえ」っつー銭湯も茨城には多いようっす。すげー地場系だなあ。しかも営業9時までとか多いし。

さて日立駅。ご存知豊田同様、町の名前=企業の名前の企業城下町。駅前が…これが人気がない割にやたら広い駅前ロータリー。いったい何なんだ?とりあえず街を少し散策。飲み屋は結構あるようだが、あんまりハデハデの店がないっす。っつーか、なんか店の古さがみんな同じくらい。昭和40年代くらいに出来たような店がやたら多いっす。うむ〜。やっぱり高度成長と一緒に成長してきた街なんだろうなあ。

駅から歩くこと10分くらい、街の銀座通りと言われるところを抜けるがこれが20時台にしてすでにゴーストタウンのようだ。みんな20時には閉まっちゃうんだろうなあ。スナックは多少営業中…「スナック ギャル」という真っ赤な看板が出ている。いったいどういう店なんだ!?責任もって説明して欲しいぞ。あと真黄色の看板で「ラブラブ」っつー店も。でもフーゾク系はそんなにないようっす。


(イカにも昭和40年代の「盛り場」っつー雰囲気)

で、目的地の弁天町の東湯到着。煙突が細いが、煙がたなびいているっす。この建物がまた、古いビル銭湯なんだが、屋号も何にも書いてないっす。二つならんだドアに「男」「女」と書いてあってこれでおわり。これで十分っちゅーことか。

で、その「男」のドアを開ける。土間続きの番台、この番台がかなり高いっす。下足入れの鍵はカナリアだが使われていないので、靴は脱ぎ捨て。茨城銭湯料金300円を払うっす。しかし安いなあ、関東のわりには…

番台のお姉様、これが70は軽く超えてそうなんだが、しっかりした感じっす。脱衣所の天井はさほど高くないのは地方銭湯、フラットなビル銭タイプっす。で…あ、ロッカーが無い。丸籠が積まれており、壁際の棚にはぎっしり常連桶が。弱ったなあ、旅行中だし万一のことがあったら目もあてられない、そういや番台のお姉さんしっかりしてたしなあ、と財布を番台に預ける。

考えてみたら、店に入るときに財布を預ける飲み屋とかあったらすげーよなあ。銭湯の信用力はそれだけあるっつーことだよなあ。ドリンクは、なんとビン牛乳、コーヒー、リンゴジュースの3種類の「ビン用」自販機、100円は安いかも。あと、KEIHOKUのアナログ体重計があるが、これがあまり見たことの無いやや小ぶりのものっす。で、洗濯機と乾燥機が各1機あるが…さすがにやっぱりHITACHIのマーク。銭湯で日立の洗濯機はあまり見かけんような気がするが、やっぱりなあ…センターに広い板のテーブルというか椅子。まあ、古い銭湯っす。

さて、籠に服を入れて浴室へ。意外に広い銭湯っす。桶はケロリン黄色桶。緑椅子があるんだが…これがなぜか低い?下のゴム部分のところがないっす。島カランは1列、シャワー付きのカランはセンターのみなのでここに陣取る。

カランは「宝」マークの赤青丸型プラスチック、で、このカランの位置がかなり低いっす。なんで?桶をやっと滑り込ませるような感じ。湯温、湯量のバランスは結構素敵な感じ。客は親父が5,6人とまあまあ混んでるっす。

で、この浴室なんだが…まったく飾りっ気もない浴室。ビル銭湯だが、下部が白タイルになっているだけで、上部と天井は剥き出しのコンクリート。完全に四角四面。うむ〜、なんとなく収容所の銭湯(そんなもんあるかよ)っつー感じがしてきたっす。

日立は野武士の町だったらしいが(でも野武士って町つくるのか?)、どうもそういう影響があるみたいな、実用本位のそっけない銭湯。でも湯はいい感じなんだよなあ。

浴槽へ。これがまた四角で、奥に2槽なんで基本的に東京型。湯が湧くところが岩になっているのがわずかな風情っす。浅風呂は1穴のジェットが3機、深風呂はバイブラになっているっす。で、この風呂が…なぜか知らないけど気色良かった…なんでだろうか?湯温は42〜43度くらい。妙に身体になじむ湯。水がいいのかなあ。気色がいいので水を浴びてさらに入る。

上がりは脱衣場でビン牛乳。別の親父が番台の姉さんと話をしてて、しきりに「いや〜、風呂は気持ちいいねえ」と喋っている。もしかして魔法の湯なのだろうか?うむ〜…ボロ銭湯だが、心に残る湯っす。

(2001年11月)