亀の湯


(わかりにくいが「女湯」のホーロー板)

aqua.gif (191 バイト) 場所 小田急線 本厚木駅 徒歩15分

厚木まで用事があったんで、本厚木の亀の湯に行ったっす。本厚木周辺もなんだか開発が進んで新しいビルが多いっすね。さて厚木駅から歩いて15分くらい、ほとんど相模川に近づいたエリア、かなり駅から遠いんだけど、なぜかこんなところに厚木唯一の銭湯があるっす。

入り口が…これまた驚愕。それらしい入り口が無い。脇をぐっと回りこむとかろうじて煙突発見。で、本体は…?そばの民家風の建物がどうやらそれ らしいっす。「入り口→」という看板があるので路地を入ると、これまた小さな猫の通り道のような路地に面して銭湯入り口。途中、曇りガラス越しに中の人間が肌色の塊で見える。

木の戸を開けて中へ。入り口から男女分かれている。もちろん番台、こんな 銭湯でも料金は400円。土間の横に木の下駄箱が置かれている。別に使う人間もほとんどいなそうだが、とりあえず使う。

全般的にミニ銭湯なのだが、造りは通常の銭湯を「縮小」したような造りっす。脱衣所の天井もそれなりに高くて格子。ロッカーの鍵は松竹の古いタイプ。丸籠ももちろん積まれており、こっちを使っている人もそれなりに多いっす。この銭湯も脱衣所内に流しがない。

さて、浴室へ。これまた小型銭湯だが、なりは一般の東京の銭湯と同じ。天井高い2段型。「桶あるかな〜」と心配したが、浴室入り口を見やるとなんと木桶が積んであるっす。木桶を持ってカランへ…

って、このカラン、島カランが一列いちおうあるが、全体で4334の14しかない。いや〜ミニ銭湯。別にカラン間隔が広いわけでも全然ないっす。でもって、シャワーなんて気の効いたものもなし。カランの湯は…熱い!これぞレトロ系銭湯の証!赤青のレバー式のカランで湯温を上手に調節。またこれが、レバーの付け根から水や湯が吹き出すんだわ。

さらに、こんなボロ銭ながら…混んでる!?カラン14個しかないもんだから、10人も客がいるとこりゃ大変っす。客どうしアイサツをしている。さて、では浴槽に進むか。

浴槽、熱い湯を期待したが43度〜44度くらい。2槽式で深風呂と浅風呂の2槽式は一般的。湯が浅風呂側の「湯溜め口」から噴出している。イロモノはいっさいなし。シンプルそのものっす。浴槽や島カランの各角の部分のタイルがゆるやかにカーブ。これって安全上とてもいいと思うんだけど、最近の銭湯では少ないのは何でだろ?

で、こんな銭湯でもちゃんと壁画があり、その下に広告が入っている。壁画はペンキ絵だが見たことのない画風。浜辺に灯台、女湯は山になっている模様。そしてびっくり、下の広告の中に 「浴場壁画、看板は新世美術」という広告が入っている?

「新世美術」?鎌倉の会社らしい。神奈川エリアを受け持っているのか?ペンキ絵の下に、なぜかガラス付きの棚のようなものがあり、おもちゃなんかを飾っている。あと、ボロ銭ということであらかじめ期待してたが、男女の境はやはりタイル絵、章仙師のものが2枚。浜辺と山、一枚は富士山のもの。

上がりは脱衣所で雪印のビン入りりんごジュース。しかしこの脱衣所がまた冷たいんだわ。まあ、それを予想して一回多く浴槽に浸かったけど。それに しても良く生き残ったもんだ、と感銘するくらいの銭湯。こんな銭湯でも厚木にはたった一軒。いつまで続くのだろうか?おまけとして去りがけにまた珍しいもの発見。女湯の入り口に「女湯」と書かれたホーロー板。町田のあたみ湯で発見 したものと同じっす。男湯側にはないのだが、かつては男湯にもあったのだろう。

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(2001年2月)