高野湯

aqua.gif (191 バイト) 場所 京浜急行 三崎口駅 バスで三崎へ

町田師によると、寺社町や港町など、歴史のある街には古式ゆかしい銭湯があるとのこと。っつーわけで滅多に行けそうもない三崎まで行ってみたっす。車で行ったのだが、交通機関だと…京浜急行三崎口からバスかなあ。バスでもかなりかかりそう。

さて、三浦の先っぽ、三崎は漁師町。まぐろで有名っすねえ。基本的に自動車交通を想定された街作りでないので、細い道がくねくねとあるっす。港近くの商店街の真中に「高野湯」発見!ううむ、確かに期待したとおりレトロだ…

正面は堂々とした暖簾。男女別れた入り口だが、この銭湯、外から脱衣場が見えるぞ…下の方は見えないけど、手前にいる客の顔くらいまで見えそうっす。脇に回ると…男湯もしっかり見える。外からペンキ絵の見える銭湯なんて、ここくらいだろうなあ。さすがに女湯は反対側の見えない方っす。


(奥の料金表まで見える)

(脇からペンキ絵が見える
手前は井戸跡?)

くるっと回ってチェック。井戸の跡らしいものが見えるが、こんなところで井戸を使ってたんだろうか?海のそばだから食塩が凄そうだ。煙突はかなり低め、四方八方から鉄線で支えがある。浜風が強いのかな?

暖簾をくぐり木戸を開けるといきなり脱衣場。当たり前のように番台形式。土間の脇に下駄箱が無い…良く見ると、脱衣場の奥のほうに靴箱だかよくわからないがそれらしい木の小さな置き場所。って、そこは常連風呂グッズが詰まっているので、靴は土間に脱ぎ捨てる。

天井やや高い木造建築で格子になっているが、豪華とは程遠い建築。外から中も見えたが、脱衣場から外も見える。これなら、前を知り合いが通っても「おおい」と声を掛けれそうだなあ。脱衣場は他に旧式マッサージ機、椅子、灰皿。真中に丸籠が高く積まれている。その光景があまりに自然っす。番台の上には剥き出しの配電盤。

で、ロッカー。これまた凄い。センターに数字の書かれた木のロッカーだが…これがほとんど壊れている。(-_-;鍵が壊れて、歯車の構造とかが剥き出し状態。しかも、ロッカーの鍵はKINGと書いてある見たことないタイプ。素材は真鍮のようだけど…さて、どうするかと思ったが、浴室から良く見えるので、一番浴室側の戸のないロッカー(?)に放り投げる。番台だし問題なかろう。でもってこの銭湯、脱衣場に流しが付いていないんすよねえ。これまた珍しい。

さて、浴室だ。小さな銭湯。窓際とセンターにカラン、あとは中心に四角形の島カラン4つ。総計カラン数14という小さな銭湯。浴室天井は高いが、これまた珍しい形状で、2段にはなっているが、浴室手前脱衣場側が湯気抜きというか、高い部分になっている。そして電球…電球には「丸いカサ」がついている。丸カサ付きの電球。今や見ないものの一つっすね。が、なぜかこの電球が暖かい雰囲気をかもしだす。

黄色い無地の桶を取ってカランへ。シャワーはセンター側にしかついていないので、ここに陣取る。シャワーは動作するか不安だったが…やった、ちゃんと動いているじゃん。しかもそこそこ強い。で、カラン。このカランがまた凄い。赤青の丸型プラスチックのカランなんだが、押すと手元から湯が噴出。こりゃ熱くてかなわん。何度かやるうちに、噴出がなるべくしないような押し加減を覚える。

さあ浴槽だ。1槽式だが深い部分と浅い部分があるっす。入ろうとすると埋め太郎がいたっす。それでも43度強はあったので、普段は44度以上かな?でも、なんか気色のよい、暖かい湯っす。背後は山とアーチ型のダムのペンキ絵。東京のペンキ絵と明らかに画風が違う。青と緑が深い絵っす。浅い部分にジェッ ト2機だが、片方は気泡が混じっていない。でも、どういう訳かここの湯はとても気にいったっす。ボロ銭湯であるが、全体的に温かみを感じる銭湯っす。

で、もう一つのポイント、それはあるのではないかと想像してたとおりのタイル絵。男女の境に3枚。いずれも鈴栄堂のサインがあるので章仙師のものか。一つは桑名の図で、湖畔に船、一つは銀閣寺、一つは宮島の厳島神社。寺社の絵っつーのは多いっすねえ。女湯はどうなってるんだろうなあ。客はあっしの他に3人くらい。今でもまあまあ常連がいるのだろう。

脱衣場ではビン牛乳も販売中。ボロ銭湯ではあるが、味わいのあるいい銭湯っす。やはり漁師町の銭湯はいいかも。三崎にはこの他に新しいタイプの銭湯があるっす。こっちは、今度夏の時にでも行ってみよう。夏は渋滞しそうだから電車とバスだろうなあ。


(すぐ前にあった、これまたレトロな金物屋というかよろづ屋)

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(2001年1月)