滝乃湯


(寺社街にふさわしい、重量感のある銭湯)

aqua.gif (191 バイト) 場所 JR&江ノ電鎌倉駅 徒歩5分

鎌倉の名銭湯が廃業するっつーウワサを聞きつけ、いざ鎌倉へ。下北沢から江の島へ、そこから江の電に乗り鎌倉へ。北口を出て御成通りを徒歩5分ほどで通り沿いに立派な銭湯の姿が。これはなかなか格好良いっす。玄関も貫禄、暖簾もこれまた貫禄。玄関前には木の長いす、って今それに腰かけてパコパコしてるんだけど。


(新型江ノ電)

(御成通り)

玄関にはタイル絵。男女分かれた入り口を入ると番台、土間と直で続きになったクラシックなタイプで、番台も低いので女湯が見えそう。お姐さんに神奈川銭湯料金400円を払う。土間の横に木の下足入れがあり、鍵は…オリジナルかな?一応下足板形式だがノーブランド。


(玄関のタイル絵)

で、脱衣場。基本的に古い木の造りのレトロな脱衣場。天井は高く格子になっている。全体的に木の造りで古いが温かみというか、昭和の郷愁を感じさせる造り。なにより…この銭湯、裸電球である。番台の上に電球が一つ、男女の脱衣場にカサ付きの裸電球。蛍光灯はなし。暗いと言えば暗いが、そういや昔はこんな明かりの中で暮らしていたのかな、と思わせるようななんとも懐かしい明るさ。

脱衣場のロッカーは木のロッカー、丸籠も積んであるっす。ドリンクは冷蔵ケースにオロナミンとポカリスエット、あとは土間にビン牛乳の自動販売機。3種類あって白とコーヒーと、もう一つは雪印ソフトラックかな?センターに長いすと椅子が二つ、男女の境にはTV。

さて、浴室へ。この銭湯、なんと浴室もセンターから裸電球が一つぶら下がっているだけ。が、明るさ的に別に気にならない。強めの電球を使っているのだろう。島カランが一列、シャワーはセンターの一列のみ。で、窓際の普通カランがある列にカランが一つもない。変わりに桶と椅子が積み上げてあるっす。

シャワー列の一番上座のカランしか空いてなかったので、地方銭湯ゆえ少し気になるが、ここしか空いてないので仕方ない、と陣取る。桶はケロリン。カランの湯量、温度ともにGOOD、シャワーがちょっとぬるいかな。思った通り、男女の境には鈴英堂のタイル絵が3枚、いずれも鎌倉らしく海辺のタイル絵っす。天井は高く2段になっている。

で、浴槽へ。一般的なイロモノは無し、が、この銭湯の強力なウリ、それは漢方薬湯っす。ツムラの中将湯になっているが…おおっ!ツムラのホーロー板が!これはいったいいつの時代のものだろうか。効能が書いてあるが、「白粉のノリが良くなり…」白粉?いったいいつの時代のもんだ?

漢方薬湯なので、黒茶色で、底が見えないくらいの濃度。入ると…ありゃー、これがまたいい湯。温度は42度くらいでさほど高くはないが、しみじみとしみ入るような暖かさっす。これにゆっくり浸かれたらサイコーだねえ。そういや、ツムラの中将湯、昔ははやったらしいが今は見かけないなあ。どうしたんだろ。浴槽自体は深浅の2槽式。

で、壁画。これまたボロボロになったペンキ絵。男湯はあずま屋と湖畔、女湯は富士山のようだが、ずいぶんデフォルメした富士山だなあ。なにしろ男湯と女湯の境が低い。身長180以上あったら、向こうがみえちゃいそうな高さっす。で、ペンキ絵の下に鎌倉の新世美術の看板。この看板って、神奈川県ではたまに見るなあ。

上がりは脱衣場でTVを見ながら一服。TVでは広島の地震のニュースをやっている。で、その後入り口でパコパコしているわけだが、さっきからどうやら銭湯おたくらしい人間が来てて、入り口で写真うつしたり、「サインもらおうか」なんてやってるっす。そもそもリュックしょって銭湯に来るっつーのもイカにもだなあ。やはりウワサを聞きつけてきたんだろうなあ。

(後注) 市民の署名運動が実り、あと1年間継続するっつーことになったらしいっす。さあ、これを見たら鎌倉行って入ってみよう!

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(2001年3月)