田浦湯


(立派な菊が正面に活けてある?)

aqua.gif (191 バイト) 場所 JR小田原駅 徒歩10分

祝!小田原全軒!っつーても3軒だけだが…

小田原へ。小田原の駅もびっくらするくらい新しくなったなあ…昔はなんだか良く分からん駅だったが。さて田浦湯、駅から東通り商店街を過ぎ、途中に小田原小年院。ここは駅に近いな…さらに東へ、国道沿いにあるっす。駅から10分ほどかな。


(小田原少年院、入れられないよに注意しましょう。入れてくれねーよ!)

この銭湯が…なかなかシブいね。小田原の銭湯はいずれも小さい銭湯ながら、地方銭湯的味があるっす。ステンレスの細い小さな煙突、「田浦湯」のしぶーい行灯の看板。牛乳石鹸シャワランの5房の暖簾、なぜか正面にが飾ってある。隣の、おそらくここの主と思われる民家にも菊があるところを見ると、どうやら菊にコダワリ?

さて中へ。地方銭湯らしい小型の銭湯、番台は一応あるけど、お姉様は男女境のカーテンのところにいて、番台は利用していない模様。完全木造
系、築どのくらいになるのかな…しかもこの銭湯、ロッカーが無い!棚に丸籠が乗っかってるっつー、懐かしい昭和スタイル。その棚にTVも乗ってる。この丸籠はなんだろう、深さが深いな…

地方銭湯らしく、天井は低いっす。つーかこの脱衣場、民家と続きになっているのか?浴室と脱衣場の間は素通りのガラスで、視界は問題無いので、丸籠を使う。

さて浴室へ。これも良く分からない構造だが、木造の銭湯には間違いあるまい。手前の天井に高い湯気抜き部分あり。島カランはなく、両側に各4個だけカランのある、小型銭湯。男女の境側にはシャワーがあるっす。桶は黄色の無地桶、緑椅子。

しかも、カランは…お湯の方が金属っつーか真鍮のカランだよな、これは。トップに「湯」の刻印のあるもの、水の方は温泉マーク。ここまで書くと、ボロ銭のような気がするが、いやあなかなか。内部は水色のペンキが綺麗に塗られ、手入れも良く、綺麗っす。カランは古い割にはしっかり湯も出る。シャワーも文句なし。なかなかしっかりした銭湯っす。

しかも、最奥部にはしっかりと富士山のペンキ絵!これは…神奈川で良く見る絵柄だな、お鉢の広い富士山、手前に水車小屋。ちなみに、御殿場
辺りから見る富士山は、静岡サイドから見る富士山より、少し急で、お鉢が広い気がするっす。しかも、その下にはかなり小ぶりだが、章仙師のサイン入りのタイル絵、鯉と金魚のものっす。小型銭湯ながら、なかなかのものでないの。

さて浴槽へ。奥に小さく深浅2槽、特にシカケなし。浅風呂は一人入ったら一杯そうっす。今日は寒かったからな…肌がかじかんでるので、最初に湯に触れる瞬間に「アヂっ」と焼けどするような感覚、これは最初だけなんだよな…慣れるといい按配、温度は43度くらいか。

途中でワカモノと親父が入ってくる…ワカモノは湯に入ったとたんに「あちー」、それを見て親父が「こんなのぬるいよ」出ました!関東見栄文化!最近こういう光景を見るのも久々だな。「熱くないよ」と言えばいいところを、わざわざ「ぬるいよ」っつー辺りが見栄文化、「ぬるい」というほどではないんだが…こういう、ミエミエの小学生並みの見栄を切るあたりが関東っす。見栄張ったところでどうなるっつーもんでもないんだが…

上がりは脱衣場、っつーても本当に小さくて、土間からの少しのスペースなんだが…ここでTVのニュース、ドリンクはビン牛乳その他いくつかのドリンク、ビールも三種類置いてあるっす。っつー訳で、ごく地方の小銭湯ながら、味がある銭湯っす。小田原の銭湯はみんな感じが似てるっすね。


(味のある書体)

銭湯を出てから…一杯引っかかって行くかな。駅からここまで、結構呑み屋はあったが、どれも似たようなのが多いっす。どうせなら近場で、っつーことで、国道向かいのヤキトリ「だいご」へ。ここは本当にタダのヤキトリ屋…が、結構良かったぞ。関東の味っつーのは、素材の味を生かしたなるべくシンプルな味付け、対して関西は鍋に代表されるように、複合した複雑な味わいを好むっす。ここはイカにも関東的な感じだったな。特に…生ホッピーが置いてあるのには驚いたっす!ビールサーバから直出しのホッピー、しかも冷えてる。「ホッピーは冷やさないのが正道だ」なんて、マニアな意見もあるんだが、やっぱり冷えたホッピーの方がうまいよ。生ホッピーなんて、浅草くらいでしか見かけなかったんだがな…なんてことないヤキトリ屋だけど、値段も安かったし、マジメに商売やってる感じで、好感持てたっす。帰りはロマンスカーで新宿一直線。


(小田原東通り商店街)

(2003年11月)