神明湯

2002年4月30日をもって廃業しました


(既に隣には高いマンション)

aqua.gif (191 バイト) 場所 JR横浜駅 徒歩15分、もしくは相鉄平沼橋駅 徒歩7分

横浜の神明湯が4月一杯で廃業になるっつーウワサを聞いたので、行ってみたっす。渋谷から東横線特急で28分、電車のタイミングが合えば横浜も意外に近いっす。横浜駅下車…新田間川に沿ってあるいて15分くらい。地下鉄の駅からなら12分くらいか。しかし横浜も日本3番目の都市だが、歩いて10分も立つと地味な住宅街に入るっす。マンションが多い。


(新田間川、あらたまと読むっす)

さて、巨大煙突発見。隣はマンションで、煙突がモロにマンションに並ぶ。これじゃ廃材はなかなか使えんだろうなあ。隣はコインらドリー。玄関には神明湯オリジナルの暖簾。で、なんと…正面に宝船のタイル絵、まさしくこれは章仙師の鈴英堂。ほぉ、こんなところでこんなものに会えたか…下足の鍵はカナリア。中に入ろうとすると、ドアに「4月30日をもって廃業」の宣告書が張ってあるっす。


(玄関のタイル絵、富士山に宝船&七福神)

さて、脱衣場へ。もちろん番台、神奈川料金400円を払う。脱衣場は…これは大きい脱衣場だなあ。天井も高く、全体的に木造のフレーバーが強いっす。TANAKAのアナログ体重計、さらに背の低いメーターを上からのぞき込むタイプのものも。洗濯機が2台、応接セット。かなりシンプルな脱衣場だなあ。ロッカーの鍵はTOKYOとある古いもの。常連ロッカーにはタイルが掛かる。脱衣場と浴室のドアが、これまた木の枠の滑りにくいもの。開けるのにひと苦労っす。

浴室へ…これまた大型銭湯だなあ。天井は高い東京型の2段なんだけど、幅が圧倒的に広いっす。木造の古いフレーバー。桶はケロリン、椅子は緑椅子。さらに島カランは2列。カランは窓側から55555556の41個、窓際に壁に唐突に出てる立ちシャワーが一つ。

カランはボール側の赤青、Waguriの刻印が擦りへってかなり薄くなっているっす。シャワーはセンター側にしかないのでここに陣取るが、カラン、シャワーともに…ぬるい。カランの湯量はまずまずだが、シャワーはちょぼちょぼ。

しかし、この銭湯にはそんな不満を吹き飛ばすものが…絵画の数々。すげー。まずはペンキ絵、背後一杯の大きなペンキ絵で、伊良湖とある海の絵。女湯は富士山のようっす。誰の絵かな…?丸山師かな?さらにその下には見事な滝登りのタイル絵。むろん章仙師の作っす。鯉が12匹居るのは、12ヶ月、すなわち一年通して客が来るように、っつーことっすね。

さらに男女の境には…なんと!5枚のタイル絵。5枚も贅沢に書かれているっつーのは珍しい。欧風の山と湖畔、富士山、おとぎ話のような女性数人の絵、孔雀、さらに海と帆船のタイル絵。計5枚っす。これは素晴らしい。でも、女湯がどうなってるのか気になるが…男女合わせて相当の数のタイル絵があるっつことっすね。この銭湯が廃業になれば、タイル絵も破壊され消えゆくのみか…

浴槽へ。奥に2槽っつーと当たり前のようなんだが、なんとこの2槽が別々の槽になっているっす。完全に分離、大型銭湯ならではのワザっすね。まずはぬるそうな薬湯槽へ。謎の少し白濁した薬湯、田舎に行くとこんな色をたまに見ることがあるが…温度は41度くらいでかなりぬるめ。じっくりとウォーミングアップ。

さて、かなり広めの白湯槽へ。浅風呂だが…なんとこの銭湯、ジェットとかイロモノの類が一切無しっす。これは珍しい。温度は結構熱めで44度くらいかな?ペンキ絵とタイル絵を眺めながら入る。なかなかいいかも。何人か人がいるんだが、なにしろ銭湯自体が大きいので、静かっす。かつてはこのカランが全部埋まる賑わいだったんだろうか。

上がりは…ドリンクはビン牛乳の他、ビール等そこそこ。名糖の白牛乳で一服。と、この時…閉店10分前か?いきなり脱衣場と浴室の電気、男女の境の蛍光灯を残してシャットダウン。まだ4,5人いたが、戸惑っている模様…しかしあっしは、もともt閉店間際に銭湯に行くことが多かったから慣れた光景っす。それにしても、通常は徐々に電気を落としていくことが多いんだけど、いきなりほとんど電気落とすっつーのも珍しい。結構この「電気落とす」行為に文句つける人も多いが、おおむねの銭湯は毎日同じ時間に同じことをやってるだけなのよ…次第に遅くなるのは客の方っす。帰りがけ、番台のお姉様が妙に人なつっこい笑顔で「ありがとうございました」、やっぱりあとわずかっつーのを意識してるのかな…それにしても惜しまれる銭湯っす。

(2002年4月)