大平湯

2002年8月31日をもって廃業しました


(そして終了…)

aqua.gif (191 バイト) 場所 JR山手駅、もしくはJR石川町駅 徒歩30分

いや〜、インターネットをやっていると、いろいろな情報が入ってくるっす。横浜の太平湯が廃業になるっつー情報を教えて貰ったのだが、なんと…今月一杯で終わり!?っつーことは…もう行く日にちが無いじゃん!急いで横浜へ向かう。

神奈川銭湯マップによると、山手駅から一番近いが…行ってみるとこれが大変!山あり谷ありのアップダウン、徒歩だとちょっとツラい。さらに、道が…この辺り、どういう街だ!?車で入れないような、ケモノ道のような細い道が住宅の間を縫って延々と。全く方向感覚狂うっす。が、ここに望み、桜木町にあるランドマークタワーがところどころから見えて、方角を確認することが出きるっす。まさにランドマークタワーだな。ベイブリッジもたまに見えるが、なかなかの見晴らし。


(まさにランドマーク)

それにしても…30分は歩いたか?これなら石川町から歩けば…ってこっちも坂道があって似たようなものっす。どうやら横浜あたりからバスで山元方面に行くのが正解のようっす。細い道から、やっと幹線道路に出たと思ったら、ここが山元商店街。この周辺になぜか、3軒ほど銭湯があったようなのだが、梅の湯はすでに廃業、マンションが建築中。しかしこの敷地面積からいって、結構立派な銭湯だったんでないの?建築中っつーことは、廃業してさほど間もないっつーことだよな、もったいないことっす。さらに太平館が廃業すると、残るのは山元湯のみ、っつーことで前まで行ってみるが、意外なことにここが一番小さな地味な銭湯。


(山元湯、次回行かなくっちゃだわ)

さて、通りからちょっとだけ入ったところで煙突発見。入り口に牛乳石鹸暖簾、町屋っつーかほとんど民家風のつくりっす。外から見ただけでは、廃業を示すものはないが…出てくる客がくちぐちに「長い間お世話になりました」と喋っているっす。これは間違いあるまい。「今日で仕舞だから混んでるよ」なんて声も聞こえてくるっす。

下足板の鍵は古いものがおしどりなんだけど、真ん中辺りに何と!ごく新品の松竹錠も。ついこの間取りつけたような新しさなんだが、なにゆえに…玄関中には廃業宣告書、8月末とあるっす。今日じゃん。


(真新しい下足鍵、なにゆえに…)

さて、脱衣場へ。番台形式、天井も高く広い銭湯っす。ロッカーの鍵はおしどりと松竹の鉄板鍵の混成軍団。旧型マッサージ機、外には庭が見えるっす。ドリンク類は無し。丸籠も置かれており、実際使用している人もちらほら。貴重品もってなきゃ、こっちの方がむしろ便利だもんね。

浴室へ。天井高い2段、なかなか大きな銭湯っす。廃業するのが勿体ない。桶はケロリンの黄色、緑椅子。島カランは2列で、両方シャワーはなし、片方は鏡のみついているっす。カランは6角の茶色、シャワーともども湯量、湯温良しっす。

んでこの銭湯の見所、それはタイル絵。まずは男女の境に富士山、このくらい立派な富士山のタイル絵は珍しいっす。丸山師のような濃い青となっている。手前が川と、鉄橋。アングルからいって、富士川かなあ。そして章仙師のサイン。その隣にやや小さめの、白馬2頭立ての馬車に乗った婦人のタイル絵。こっちはアルファベット3文字でサインが入っているっす。

さて浴槽へ…その前に壁画。最奥部は、おそらく昔はペンキ絵だったんだろうが、今は書かれてないようで、水色に全部塗られてしまっているっす。その下に…タイル絵!鯉のタイル絵、結構幅広で、なんと脇の方に鶴&亀もいるっす。亀がヒゲのようなしっぽ生えているんだけど、これって何かなあ。タイルは結構かすれてしまっているんだけど、章仙師っぽいっす。浴槽上部、一部だけ岩になってて、ここから湯が落ちてるっす。鯉は11匹、一匹足りない…多分、この岩になってしまった部分に一匹いたのかもしれんっす。

浴槽は2槽式、片方は薬湯。まず薬湯から…と思ったら、これがエラい熱いっす。じっこうの茶色の薬湯、温度は45度くらいありそうっす。脇にかきまぜ板が置いてあるっす。泡が少々ポコポコ。主浴槽の方は43度くらいの白湯。スーパージェットが1機、あと2穴の座ジェットがあるっす。

今日は最終日だからかな?結構客で賑わってるんだけど…なんと、子連れの親父がやたら多い。5組くらいいたんでないの、こういう光景は珍しいっす。多分、幼児に「銭湯の記憶」を覚えさせておこうとしたんではないだろうか?その他、銭湯で待ち合わせてたようで、次々と「やあ」という挨拶。どうも地元の同窓会のような雰囲気っす。その他、意外なことに10代〜20代のヤングも。逆にいえば、爺さんは少ないっす。


(そして終わった…)

帰りは番台のお姉様が、それぞれ帰る客に深く一礼。タイル絵といい、何とも人情を感じる雰囲気といい、横浜の奥までわざわざやってきて良かったかも。帰り、近くの山元湯、ここも結構ヤバそうなんだけど、寄ろうかと思ったが、太平湯の記憶が薄れそうなんで、次回に取っておくことに。それにしても、石川町から歩きだと急坂が結構厳しいかもしれんな…


(石川町といえばコレ)

(2002年8月)