みどり湯

2004年6月27日に廃業しました


(「出たな〜っ!」っつー感じ)

aqua.gif (191 バイト) 場所 京浜急行逸見駅下車 徒歩10分

これは激シブだったっす。

さて、一杯飲んだ後は…どうも熱い湯に入りたいような感じっすねえ。逸見には濃い銭湯があるらしい。っつーことで、西逸見3丁目のみどり湯へ。しかし…これが迷った。結構遅い時間で辺りが暗くなっているので、なかなか銭湯の識別が難しい。しかも横須賀の山になった田舎臭い地形。どー考えても、こんなところに銭湯があるかよ!?っつー地形を進む。本当にこっちで良いのかなあ、しかしケータイの地図は確かにこの辺りを指している。結構知らない土地には強いのだが、さすがに「こんなところに銭湯あるんか?」と判断が迷うっす。ふと、かすかに向こうの方に煙突らしい?物体が。

かなり山の方に入って…っつーかこの辺りの道路って…まあ、人しか入れないような小道、なんだこれは、長屋街のような、車も入ってこないような街。坂道を上がっていくと、やにわに大きな木造建築が。囲いに暖簾がかかってるんで、多分銭湯だろう。

正面に立って…うむ〜。ボロ銭湯とかそういう次元じゃないよなあ。時代がタイムスリップした感覚。かつて日本の木造建築っつーと、まあこんなもんだったんだろうなあ、っつーような建物。ま、とりあえず営業中の模様なんで中に入ってみようか?

中に入ると当然番台形式、しかもかなり低いっす。男湯サイドは誰もいない…番台にも真ん中でカーテンが引かれているんで、多分この番台は今や利用されてないんだろうなあ。女湯の方からにゅっとお姉様が顔を出す。神奈川銭湯料金400円を払う。下足入は一応フタ付きのものがあるけど、鍵なんてないっす。


(番台は使われてない模様)

それにしてもこの銭湯もなかなか凄いっす。脱衣場の天井は高くはないんだけど、まあ木造天井っすねえ。ロッカーが…ない。丸籠のみ。石油ストーブで暖房中っす。寺岡式アナログ体重計が、やたら大きくて存在感をかもし出しているっす。家庭用冷蔵庫が一つ置いてある…もしかして、ドリンクが入ってるんだろなあ、と思って、開けてみたら、なんと家庭の惣菜が入っていたっす。(-_-;

片側にソファ。灰皿。ちょっと便所を使おうかとして…木のスライド鍵は別に問題ないよ。デンキをつけようと、回りのスイッチを探すが…ないなあ。ふと天井を見ると、なんと電球自体がついていないっす。しかもこの便器、ボットン便所はまあ珍しいが、さらに便器に木の「フタ」までついているっす。

と、浴室の方を見てると、さっきのお姉様が釜場から出てきて、なにやらチェックしているような仕草が…ん?もしかして男湯側にはあまりに客が来ないのか?女湯側には、さっき家族連れっつーか、子供と母親らしき連れが、楽しげに入っていったが…

浴室へ。天井高い、東京型2段屋根、地方らしく小型銭湯っす。なんとなく建て方が違うっつーか、柱の通り方が若干違うような木もするが…。島カランは一列、ここは鏡もなくシャワーもなし。オマケに、窓側のカランは鏡だけ置いてあって、カランはなし。「ヒゲソリ台」っつーことか…カランとシャワーのついている センター側のカランへ。ここのカランの「置き台」は、わざわざ木の板を取りつけてあるっす。

桶はケロリン、白ケロリン赤線入があるので、これを使うっす。カランはWaguriの赤青ボール型カラン。カランの湯は結構熱いっす。しかも冬なんで、水はかなり冷たい。シャワーは…これが最初は全然出なかったんだよなあ、しばらく使っているうちにシャワーの噴出も強くなってくるっす。帰る頃にはかなり強かったな。(-_-;

最奥部の壁には、神奈川らしく木の壁にそのまま描かれたペンキ絵。これは誰の絵かな…まず東京の絵師のはずもないが、なんか横浜の絵師の画風でもないような…海岸、半島、灯台。もしかしてこれは観音崎?なんて思ったが、岩の色使いで、赤系がかなり使われているっす。プロの絵っぽいんだが…誰だろうか?しかも下の部分はペンキが剥げてて、どうもその下に古い広告が見えるっす。

そして浴槽へ。基本的に小さな浴槽、深浅の2槽、何もない浴槽。しかし、湯の温度は結構熱い…43度、もしかして44度近くあるかな?これを待っていたのだよ。この季節、やっぱりこのくらいの温度の湯に入らないと、どうも風呂に入った気がしないっす。良かった良かった。

それにしても昭和の生き残りのような銭湯。住宅地図には「前田浴場」とあったので、ここの本当の屋号は?と気になる…どこにも書いていないっす。番台のお姉様に「ここの名前は?」と聞くと、何故かちょっと照れたように「みどり湯」と。ま、わざわざ銭湯の名前を聞くヤツなんて、そんなに居ないしなあ、普通は「あそこの風呂屋」で通じるし…は!?もしかしてあのお姉様は「前田みどり」様?どうりで照れてた訳か…?玄関を出ると、すでに暖簾は片付けられているっす。っつー訳で、8時過ぎには終わりになる銭湯、時間には要注意っす。もしかして関東で一番営業時間が短い銭湯かも?帰りは熱湯のおかげでぽかぽかっす。

(後注:その後の銭湯ML員調査によると、姓は前田だが、名はみどりではないらしい…)


(寺岡式体重計の存在感もなかなか)

(2002年12月)