亀の湯


(アールデコ風というか、これも凄い玄関建築)

aqua.gif (191 バイト) 場所 埼玉高速鉄道 川口元郷駅 徒歩6分 もしくはJR川口駅 徒歩10分

前から行きたかった、川口の亀の湯へ。川口駅からだと川口の本町通り商店街を行き、10分ほど。最寄は地下鉄の川口元郷駅から6分ほどっす。煙突は巨大なんだけど、入り口が結構路地の奥にあって分かりにくいっす。


(川口本町大通り、川口もマンション開発が進む)

さて正面に立つ…うむ〜、確かに歴史を感じるアールデコ風の建物。これが現役の銭湯とはねえ…。しかしながらしっかり銭湯暖簾。下足の鍵は…付け換えたばかりの真新しい松竹錠なんで少し安心。まだまだやるぞっつー意思表示みたいなもんだもんね。入り口がまた重々しいっす。


(この玄関の土間の形も、上部のガラスもなかなか)

中に入る。元々は番台形式だったようなんだけど、今や使われていない模様、番台に仕切が入っており、女湯側にお姉様がいてカーテンを挟んで対応。埼玉の古い銭湯は番台に上ってないところが多いっすね。埼玉県銭湯料金380円を払うっす。


(番台は既に機能していない)

脱衣場の天井は低めだけど、格子になっているっす。どこのメーカーだろう?少しずんぐりしたアナログ体重計。天井から下がった、三つの羽の扇風機が、これまた飛行機のプロペラのようにゴツいもの。男女の境には古い広告、大人のおもちゃなんかもあるっす。そういや、かつては銭湯の広告っつーとエロ系や質屋なんかが入ってたけど、最近めっきり見なくなったなあ。あとはあちこちに自衛官募集のポスターも。場所柄、川口オートのカレンダーなんか。隅に長いす、灰皿。


(広告群、一番右側は川口オートのポスター)

で、びっくりしたのがロッカー。一応真中に、松竹の鉄板の鍵のロッカーもあるんだが…壁際に番号入りの木の戸のロッカーもあるっす。このロッカーの鍵が、なんと松竹錠ながらかなり昔のものっす。みたことないなあ。ロッカーは、横に広いものと狭いものの2種があり、それぞれ微妙に違う鍵がついているっす。とはいえ、かなりの古いロッカーが鍵がなく、使用不能状態。


(ゴッツイ三羽扇風機)

さらに便所。脱衣所隅にあり、木をスライドして開けるタイプのトイレだが…ムチャクチャ狭いっす。使用後は上から出てるチェーンを引っ張るタイプ、びっくりしたことに!陶器のゲタ?のようなものが下に置いてあるっす。これはいったい何だろう?と思ったが、多分男子小用の際はここに足を置いてくれっつー意味だろう。かなり重くって質感があるものっす。でも、このトイレは綺麗にしてあるっすね。っつーか、古い銭湯だけど全体的に綺麗にしてあるっす。

さて浴室へ。基本的に東京系だが小型銭湯、天井は湯気抜きの部分がかなり細くなっているっす。まずまずの高さ。島カランは1列で斜めになった鏡のみ。窓側から4335の15のカランっす。カランはWaguriのボール型赤青、一つだけ、大昔の金属のトップに「水」と彫られたものが残っていたっす。カラン、シャワーともども…ちょっとぬるいな。湯量はまずまず。入り口近くにハンドシャワー形式の立ちシャワーブースが一つ。基本的に木造の古い銭湯なんだけど、ところどころその都度補修が入っている模様で、今後のやる気を感じるっす。

最奥部に…ペンキ絵のあった後かな。ちょうど四角い枠があるんだけど、今や水色に塗られてあるっす。男女の境は湖畔のモザイクタイル絵。客は背中の曲がったヨボヨボの爺さんとオッサンが一人、ここでびっくりしたんだけど、この爺さんがそのまま釜場に消えていったっす。え〜、あの爺さんが釜場やってんの!?

さて浴槽へ。今日はとても寒い日だったから楽しみ、これを楽しみにわざわざ川口まで来たのだ。基本的に最奥部に深浅2槽、深風呂はバイブラ、浅風呂に3穴のジェットが2機。温度が…これが熱い!?まだ早めの時間だったせいか?45度以上…46度近くあるんでないの?温度計は静かに48度を指しているっす。足からゆ〜っくりと…やがて全身。入ってみると、やはり寒い日の熱い湯は気持ちがいいっす。ここの水はなんか違うなあ、井戸水かな?やや当たりの柔らかい湯っす。なんだかんだと、身体洗っては入り、ヒゲ剃っては入り…と6,7回も入ってしまって、最後はポカポカ。あっしの場合は短い時間で何度も入るショットガン入浴、なんかこっちの方が気のせいか効きそうな気がするっす。

上がりは脱衣場でニットーのビンのラムネ110円を賞味。ソフトドリンクはビン牛乳をはじめ、結構揃っているっす。一歩外に出れば高層マンション建築ラッシュの川口市、鋳物の町からベッドタウンに急速転身中、でもこの銭湯に一歩入れば、そこには20世紀の世界がそのままあるっす。

(2002年11月)