菊水湯


(路地からの入り口)

aqua.gif (191 バイト) 場所 東武東上線 小川町駅 徒歩5分

小川町の有名(?)な菊水湯へ。もともとあっしは東上線の出身なんで小川町っつーのは良く知る名前なんだが…それにしてもこんなに遠かったけなあ。森林公園の向こうか。東武線で池袋から1時間以上。なお金曜休、16:30-22:00っつー、イカにも地方の営業時間。


(小川町駅、なーんにもない田舎の駅っす)

さて小川町へ。東京からかなり離れた街だが、意外に昔の名残を感じる…街道の宿場街だったのかなあ。古くからそこそこの街の雰囲気で、古い料理屋なんかもそこそこあるっす。さて、駅から5分ほど、ハイテク機器を駆使して目的地へ…あった…


(「関東名物 女郎うなぎ」って何なんだよ?)

(こっちは正面入り口、唐破風の屋根)

煙突がこりゃまたボロボロの煙突なんだが、どういう訳か分かっちゃうんだよなー。湯気抜きで見てるからかな…それにしても、外観はまあボロ銭湯。なかなか凄いっす。入り口がまた細い小路から入るようになっている。正面にしっかり菊水湯の金文字。二つのドア。


(今にも沈没しそうな銭湯…)

さ、中に入るか…思った通りイキナリ脱衣場だが…あ?婆ちゃんのハダカ?ちょっと唖然とするっす。番台は超低い地方銭湯のそれ。で、誰も座ってないので女湯中ほどまで素通し。さらに…男女の仕切りのドアが開いてる?これじゃあ見えちゃうよ。婆ちゃんわざわざ仕切り近くの見えにくいところにいるのだが…ありゃー、見えちゃったよ。


(あの〜…開けっ放しなんすけど…)

それにしてもこの銭湯は…あまり見たことないタイプだ。下足入れがあって、鍵は超旧式のおしどりだが板が入っていないんで、とりあえず土間に脱ぎ捨て。それにしても番台誰もいないなあ…料金表に370円と張ってあるんで、とりあえず番台の上に百円玉4個を乗せて置くっす。

脱衣場の天井は…高いんだか低いんだか良く分からん。なにしろ変わった形状、浴室が真ん中にあって、回りがガラス、それはいいんだけど、脱衣場がサイドを含めてL字型に包み込むような形になっているっす。要するに、浴室の面積に比べて脱衣場が異様に広い。宴会できそうだ。センター側の天井はそこそこ高く、模様が入っているっす。さらにサイドに張り出た部分の天井は…ボロボロに波うっていて、ところどころ剥げかかっているっす。


(浴室をL字型に包み込む脱衣場)

こんな銭湯でも、そこそこ人が入っている…5人くらいいるのか?女湯も同じくらいいそう。木の番号が書かれたロッカーがあるんだけど、誰も使っていないようなんで丸籠を使う。なにしろこの銭湯、浴室から脱衣場が良く見えるんであまり心配ないっす。

服を脱ぎ始めると、奥から人が。ここの主人かな?あれ、若いじゃん、結構。少なくとも爺さんじゃないぞ。400円番台の上に置いておいたので、30円のお釣りを貰う。


(天井周辺の模様も変わっている)

改めて周辺の観察。木のロッカーの鍵は、MIYASHITAと名前が入っているおしどりの旧式。これって昭和何年くらいのもんなんだろか?しかも、鍵の留め金が「御用心」になっているっす。「用心」は見たことあるけど、「御用心」は初めてだなあ。真ん中に火鉢のような灰皿。アナログ体重計、これまた相当古くてブランド不明。常連桶多数、奥にタオルが引っ掛けてあるけど、あれって干しているのかなー。さらに…ビリヤード台?なんか相当古そうな折りたたみ式のビリヤード台。その横に…足踏みミシン?縁側に面して、これまた古めの木の長いす、外の庭には廃材が積まれているっす。番台の親父は客と世間話、完全地場系っす。


(波打つ天井、掛かったタオル、ビリヤード台、ミシン)

さて、でわ浴室へ。広めの脱衣場に比べて、浴室は小さいっす。桶はあるかな…あったあった。入り口に白い桶が積まれているっす。ケロリンと無地のがあるので、無地のを取るが、ちょっと底をのぞいてみると、「アサヒ化工」っつー名前と、温泉マークが裏にあるっす。

浴室タイルはむろん古いもの。男女の境はあの「見えそうで見えない」ガラス。天井は…この広さにしては高いんだろか?さらにカランが…あ?島カラン? 本当に「島」っす。四角いところに湯と水のカランが両側についてるだけっす。男女の境に「湯」「水」と書いた陶器のプレート、いくつかカランがあるんだけどどれが湯か水かわからんぞ。逆サイドには一切カランは無く、鏡と「置き台」 のみっす。とりあえず島カランが一つ開いているのでこれを使うことにするっす。

カランは温泉マークの赤青カラン。むろんシャワーなんぞゼロっす。レバーを押すと…うわっ!全然お湯でないじゃん。「ちょぼちょぼちょぼ」と出る程度。最初はこれを使おうとするが、諦めて浴槽のお湯で汲み湯。浴室の床も波打っているんで、お湯が溜まって流れないところとかあるっす。

さて、浴槽。2槽式だが、浅風呂の方はやっと一人入れるくらいなんで、深く広い方に行く。温度は42度くらいか?なんかお湯に色が少しついている気がするし、なんか臭いがあるような…井戸水使ってるんかな?で、この湯がまたなかなかハマったっす。柔らかいっす。気にいって結構長い時間浸かる。

浴槽背後は壁画はないんだが、白黒で格子状の板になっているっす。さらにその下に、小さなタイル絵。帆船と島のもの。上がりに一応ドリンクをチェック、白牛乳とパックのジュースが1種類。


(夜の菊水湯)

さて、風呂を出たら…飯でも食おうかなあ。結構この街、気になる飯屋が多いんだが、すぐ近くに「日本五大飯」の一つ、「忠七めし」っつーのがあるっす。前まで行ってみるが、結構高級そうな構え。しかし能書きが気になる…が、来る途中に見つけた「太田ホルモン」っつー店も相当気になっていたんだよなー。さあどうするか…悩む…苦悩。が、やはりボロ銭湯に入った後だしなー、ホルモン焼きが似合うんでないか?と太田ホルモンへ向かう。これがまた、なかなか味のある店で賑わっているっす。カウンターに座ってビールに煮込みにホルモン焼。この煮込みがまた200円の癖に、モツに大根、トーフ、コンニャクがしっかり煮込まれててなかなかの味。テーブルには「心が寂しいときは太田ホルモン、財布が寂しいときには太田ホルモン」なんて板が立ってて結構笑えるっす。その他店内縁起モノ多数、家庭的な店で銭湯帰りに丁度いい店っす。他に焼飯やカシラの塩炒め、ぬか漬けとか旨そうだったんだが、なにしろそんなに腹に入らんのだよ…次に行く機会までに、菊水湯は営業していてくれるだろうか?


(忠七めし、立派そうな店構え)

(「太田ホルモン」いい店っす。安いし。)

(後注:オヤトコセン情報によると、ご主人は3代目、井戸水を薪で沸かしているため、5分おきくらいに釜場に行く、っつーこと)

(2002年3月)