土橋温泉

aqua.gif (191 バイト) 場所 広島市電土橋駅 徒歩3分

さて、今度は広島の銭湯。ホテルで受付をすませ、部屋に入る前にフロント脇の電話帖で銭湯の項をざざっと読みまくる。場所がわからないので、片手に広島市の地図を見ながらである。ホテルの人からしたら、部屋にも入らずナニしてんだろうなあ、不気味だなあ、っつーあたりか?(-_-;

銭湯の数が少ない。東京の電話帳を見慣れているから当たり前か?ふと「裸の王様」っつーのが目に止まる。なんだこの銭湯は?ぎゃははは、変な名前。え?「シャトー錦水」?「女学館別館」?

…ちょっと待て、この電話帳、銭湯のところに一緒にソープも入っているんでないの?(-_-; たしかに「銭湯」といえば間違いはないが…っつーわけで、怪しそうなのを除外し、フツーの銭湯をチェック。 土橋温泉…これ近いんでないかな?っつーわけで、ホテル据え置きの小セッケン、シャンプーリンスの小パックを持って早速銭湯へ出撃。しかし良く考えてみると変な客である。ホテルのタオル持って銭湯に 行ったらもっと変な客だよな。

原爆ドームの脇を抜け、平和記念公園を横切り、川を渡って土橋へ。原爆が落ちたとき、この辺りは一切の廃墟だったようである。 生存者ほとんどおらず。市電のルートだけは戦前と同じ。廃墟ってったって度がすげーよなあ、一瞬で蒸発するような高熱だもんなあ。なかなか想像に難い。

土橋中央商店街の中に、あったあった土橋温泉の看板。本当に下町風の密集街の一角の銭湯であるっす。入り口路地細くて奥が深いっつーヤツ。入り口は花王のカワイイ暖簾。

中に入る。通常番台形式。地方銭湯に行くと、なんか東京と風情が違う。 脱衣場とかに「置物」とか「飾り物」が多いのである。ここは、鉢植えがいくつか置いてある。番台後ろには演歌歌手のサイン。(-_-; ロッカーは割と大きめである。が、全体的にあまり清潔感はない。広島銭湯料金は350円、一緒にサウナ料金100円も払う。

さて浴室へ。東京には珍しい、センターにメイン槽、両側にカランのタイプである。奥にサウナと水風呂。

まずはカランに腰掛けてみる。お湯レバーを下げると…あぢぢぢぢ。 赤いカランからはかなりの熱湯がほとばしる。このまま急須に入れてお茶飲めるんでないの?(-_-; 冬場であるが、冷水と2:1くらいにブレンドしてちょうど良い。 東京だとそのままでもぬるいカランなんつーのも結構あるが。

桶が東京で見ないタイプである。緑色の「ビブレU」のヤツ。これがケロリンに比べると容積が小さい。ふと思ったが、桶を小さくしても 実用上はそんなに使い勝手が悪いわけではない。が、お湯の使用量は確実に下がりそうであるっす。これからはこういう工夫もよろしいのかなあ。

警戒してシャワーも使ってみるが、こっちは熱湯は出ない。(当たり前だ…)丁度良い温度の上に勢いがかなり激しい。よく辺りを見回すと…いやボロい銭湯である。タイルは至るところにヒビが入っている。立ちシャワーが一機あった模様だが、使われていない。さらにシャワーに巻いてあるタオルが汚れていて、不潔感アップである。

天井はトタンのような波打ち板になっているが、これがところどころめくれあがっている。蛍光灯のカサは塗料が中途半端にハゲてボロボロであるっす。大壁画はないのであるが、なぜか2箇所、50センチ平方ほどの小さな富士山絵がある。

さてさて、100円サウナに入ってみよう。これがかなり小さく、また古い。相当前からサウナ置いてたんだな。1段式で、4人座ると精一杯のサイズで あるっす。あっしの他に一人客がいるが、中で本を読んでいる。浴室にマンガが捨ててあったところを見ると、サウナ内読書は常態化している らしい。

旧タイプなので、出入り口近くに赤円ボタンの非常ボタンがある。しかし あれって何のためにあるんだろうなあ。中で卒中でも起こした人のためか? しかしサウナのドアが閉まって空けられなくなったら、こりゃもうゴーモンだろうなあ。こんな死に方だけはしたくないよなあ。って同じような想像した人いないっすか?

サウナ自体は掃除があまり行き届いていないようで、ややすえたニオイがする。まあいいやと汗をかいて次は水風呂。この水風呂が、これまた蛇口がない。ずっと水が溜まっているタイプである。どこから水入れるんだ?とりあえず水風呂に浸かる。なぜか水風呂の上には、使われていないスポットライトがある。昔はこの銭湯も栄華を誇った時代があったのだろうか?

さて最後はメイン浴槽。一槽式だが、ステンレスの取っ手で三つに分けられている。端がバイブラ。これがなかなかお湯の出が良くて気色良い。温度も結構熱めで、45度くらいあろうか。

で、センターの底からお湯が噴出しているので、センターに行ってみるが…これが熱い!おそらく50度近いお湯が噴出しているではなかろうか? うむ〜、こうやって浴槽内の場所によって温度が違うように調整をしてるのかな?

脱衣場の、男女の仕切りのドアが簡単なドアで、下50センチくらい隙間が開いている。気になる…がどうせこの銭湯なら向こう側も婆に違いない、と自分を納得させて出てくる。と同時に女湯側から少女が出てくる…ああっ!損した!(って何を損したんだ?)

っつーわけで、ボロい上に清潔でもない銭湯だったが、これがなんか悪い気があまりしないのである。なんでだろ?あっしって基本的にBC級 指向なのか?サウナに入ったおかげで、帰りはポカポカになって橋をわたる。さて、 汗もかいたことだし、お好み焼きで一杯呑みにいくか〜。

P.S.途中、繁華街の真中に「展望サウナ」発見。6:00〜26:00営業で1500円だそうだ。気になる。次広島に来たときはここに寄ってみよう。

(2000年2月)