赤ビル温泉


(3Fに「ゆ」のマークあり)

aqua.gif (191 バイト) 場所 JR呉線 吉浦駅 徒歩2分

さて、呉までやって来たが、そんなに時間が有るわけではないっす。駅の近くの銭湯にしよう。呉も結構銭湯が多いっす。しかしこの街、道路が結構広いな…かつては海軍都市として栄えた街、今でも海上自衛隊の潜水艦基地があるっす。


(JR呉駅)

(市中心部、煉瓦通り商店街)

駅から徒歩で7分ほど、繁華街の脇、川に向かって赤いレンガ風外装のビル。赤いビルにあるから赤ビル温泉かよ!まんまやんけ。このビルの3Fにあって、エレベーターで上がることが出きるっす。下は雑居の飲み屋ビル。しかも営業時間は朝10時から深夜1時までのロング営業。しかし飲み屋ビルの階上に温泉とはねえ…こういう発想、東京にはなかなか無いよなあ。


(エレベータで3Fへ…)

結構古いビルっす。入り口は花王のふろや暖簾。古いビル銭湯っぽい、雑然としたフンイキっす。下足入れは結構数が多い、っつーことは賑わっていたっつーことだな。下足板の鍵はなんとKING。完全フロント形式、フロントで350円払うっす。その他貸しタオル等も置いてある模様。


(銭湯入り口、まあいい感じっすね)

フロント前にわりかし広めのロビー、TVでは広島戦。まず東京じゃ放送してないだろうなあ。なんっつーか、特有のだらーっとしたB級のフンイキが漂う。脱衣場に入ると、どうやら昔番台だったよな台が。天井はビル銭湯に付き低いっす。

オレンジ色に塗られたロッカーには、それぞれ大きな番号が書かれてあるっす。鍵がおしどりのシリンダ錠なんだが、なんと上下ひっくり返して付けてあるっす。なんなんだこれは…思えば、脱衣ロッカーの扉って、大概「右側」に開くっすよね?だから、鍵は左側につけてあるっす。ところがここのは左に開くタイプ、お陰で上下逆に付けるしかなかったのか…


(なんと鍵が上下さかさま…設計ミスか?)

IUCHI SCALEのアナログ体重計、長いす、灰皿、ロッカーの上に置かれたTV、旧型マッサージ機、エアロバイク、腹筋器、さらにぶらさがり健康器…分かる人には分かると思うが、全てB級の「どよ〜ん」としたフンイキ。

浴室の天井はこれまた低いっす。で、この浴室が「かつて栄えた」B級のフンイキ。桶はオレンジ色の小型桶、島カランは小さいのが1列のみで、ここはシャワーはなし。真ん中あたりに湯気抜き。カランは黒丸に二重丸のついているタイプ。シャワー、カランともども湯量、湯温はOK。洗い場のタイルは、古そうな丸いタイル。

で、B級の極めつけ!お、壁にところどころにタイル絵がある、イルカや自然、結構綺麗な絵だな…綺麗すぎる…と良く見たら!なんとこれはタイル絵じゃなくって、タイルに紙のポスターを張りつけてある!こりゃ驚いた…!


(おや、綺麗だ…と思ったら紙)

主浴槽は3槽、今日は赤チン色の漢方薬湯になっているっす。フチが石になってて、触感が心地よろしい。手前が一番浅くて42度くらい、その奥に深風呂、これは広島系の3段になっており、43度くらい。その奥の槽は3穴のジェットが2機。

さて、タイルに張られたポスターにもびっくりだが、一般にB級ムードのところには、訳の分からないものがあるのが定番。奥に「滝湯」なる謎のコーナーがあるんだが…すでに機能していない?謎の構造なんだけど、ステンレスで穴ぼこだらけの板があって、隅に上向きのパイプが。もしかして、お湯を上に放水して浴びるようなタイプだったのかなあ。しかし現在は機能してなく、ステンレス板の上ではオッサンが裸で熟睡中…。

さらに「地熱温泉」っつー字が書いてあるのだが、この「地熱温泉」って一体何?温泉って訳でもなかろう…どういう意味だ?そもそも、ここはビルの3Fフロアなんすけど…もしかしてサウナのことを称している?

サウナは結構広めで10人くらい入れそう、温度計は105度で結構熱め、砂時計が2機。TVは無いんだけど、窓越しに脱衣場のTVが見えるっす。みんなここで、広島戦見ながらサウナ入ってるんだろうなあ。水風呂は冷却してあって20度以下で快適、ただしカルキ臭が強い…プールだなあ。

上がりは、ドリンクをいろいろと物色するが、結構B級ドリンクが豊富。これはB級ドリンクマニアにはたまるまい。どれもこれも怪しいんだが、いちばん怪しそうなのが…と、ビンに入った「高級げんまい乳」なるものを発見。110円。「げんまい乳」って何だよ!?しかも高級とは…しかもビンに紙でラベルが張ってあるっす。味は…甘酒系?原材料を見ると、玄米、こうじ、砂糖とあるっす。どろーっとした甘い味、まさにB級ツアーの締めくくりにふさわしいっす。まてよ、この味、もしかしてカロリーメイト?玄米っつーのは栄養学的には、完全食に近いらしいから、まさしく全ての栄養を含んだカロリーメイトなのかもしれんぞ!

っつー訳で、B級マニアにはたまらない、B級安らぎリラックス的な銭湯っす。ちなみにフロントの親父は、なかなか優しくて親切だったぞ。帰りは呉から広島への高速バス。高速からの夜景がなかなか美しいっす。電車よりバスの方が早いんだよなあ…これじゃあ、鉄道も廃れる訳だわなあ。広島に戻って流川のロックバーへ。どこの街にもいるんだよなあ、バリバリのロック小僧っつーのが…ギャルも交えて「人前で脱ぐ脱がない」っつー下らない話に盛りあがる。銭湯行ってるヤツは、他の人間よりはテイコーが少ないかもなあ…


(川沿いの夜景)

(2002年9月)