音戸温泉


(右側が入り口っす)

aqua.gif (191 バイト) 場所 広島市電 八丁堀下車 徒歩10分

yellow.gif (192 バイト) 音戸温泉ホームページ

広島へ。東京からの長旅で深夜に到着、まずは旅の垢を流すか…深夜営業の音戸温泉へ。広島中心部、八丁堀の交叉点から10分ほど。どんな街にもいわゆるフーゾク街っつーか、その手の街があって、そのエリアは大概濃いフンイキ、どろ〜んとした空気を漂わせているっす。そのフーゾクエリアを過ぎてはずれ辺りに音戸温泉発見。こういう立地の銭湯は、客層も濃い場合が多いっす。


(広島の繁華街)

さて音戸温泉。完全ビル銭湯、2Fにあるっす。下には飲食店テナントなんかが入っていたりするけど、公衆浴場の「ゆ」のロゴでひと安心。階段登ると入り口、なんと店内完全禁煙で、玄関前に椅子と灰皿があるっす。しかも、「刺青の方はサウナお断り」つまり公衆浴場部分はOKだけでサウナはダメ よ、っつーことか。この立地にしては思いきったことを…


(この看板もなかなか格好いいっす、しかも完全禁煙)

営業時間は何と13時から朝8時までと超変則的。しかしこれ、水商売やったことある人間なら分かるっす。5時くらいまで営業して、店片付けて6時、それから風呂入れるっつーのは超嬉しい。なんのことは無い、フツーの人と12時間逆転させただけのことっす。人間、早寝早起であるべきである、なんて公言しているヤツ!オマエの言ってることは、水商売の人間の存在を否定しているっつーことだからな!一生飲み屋なんか行くんじゃねえ!逆に料理屋とかで仕込みのある人、これは2時くらいに店に入りたいから、1時開店だとひと風呂浴びてから綺麗になって店に入れるっす。確かに繁華街の銭湯の時間帯と考えれば理にかなっているっす。入り口に丸い「ゆ」の行灯の看板、広島の銭湯はこの丸い看板があるのが特徴っす。

下足板の鍵はおしどり。入浴券の自販機が2機、銭湯料金は350円、ただサウナと薬湯は別料金でプラス200円。注意!ここで、是非追加で550円払っておいた方がいいっす。手ぶらセットもしっかり置いてあるっす。完全フロント形式、フロント前に新型のエアーマッサージ機が2機。フロントのお姉様は対応も丁寧だけど、銭湯主っつーより雇われの人かなあ、この感じは。

入り口でサウナ券を出すと、交換でサウナ札を貸し出し。と、後ろから3人ツルんだオッサンがやってくるが…あ、この連中、893だなあ。特にパンチでもないし、凄んでいる訳でもゴールドチェーンをしている訳でもない、なんとなくトボけた感じのオッサンなんだが、なんか分かっちゃうんだよなあ…銭湯沢山いっていると、こんな眼もつく?カタギの人間は、たいがい視線がまっすぐか心もち下なんだけど、893系はどうしても視線が上向き、しかもなんか落ち着かない感じがどこかにあるっす。

脱衣場へのドアが、なんか引き戸で変わっているっす。脱衣場はビル銭湯に付き天井は高くないっす。ロッカーの鍵はおしどり、大塚の自販機。TANITAのデジタル体重計。壁に「床を濡らさないで下さい。どうしても濡らしたときは、モップで拭いてください。」とあるのはご愛嬌。このくらい書いてあった方が、気が楽っつーものっす。

さて浴室へ。典型的ビル銭湯、桶と椅子は普及品。いきなり入ったところに「石鹸渡し場」があるんだけど…これがなんか、ステンレスのポストみたいなヘンな形。珍しい。しかし、石鹸渡しの工夫がある銭湯はまれにあるけど、昔はもっと多かったんだろうなあ。今、使っている人間はいるんだろうか?かつては石鹸は貴重品だったんだろうが、今や豆石鹸は20円、大きいのでも100円で買えるしなあ…昔は銭湯料金と石鹸の値段の比はどのくらいだったんだろう。それとも、一つのものをみんなで共用する文化、要するに個人主義と反対の文化の名残?なんていろいろ考えてみたりするっす。

カランは結構ゴージャスで、一部に温度調整付きの高級カラン、後は湯のみのカラン、シャワーはカラン脇にボタンがあって押すタイプ、いずれもちょっとサウナっぽいっす。湯量、湯温いずれもOKっす。立ちシャワーが無いっつーのがわずかに違和感。思った通り、全身背景画のお方たちも。地方の繁華街の銭湯に行くと、良く見る光景っす。

さて、浴槽へ。奥に浴槽群、真ん中に半円形の薬湯槽。どんな銭湯でも、他にないユニークな点が一つくらいあるんだけど…この銭湯は何と、2Fからの眺望サイコー!要するに、ガラス窓が相当下まで来てて、おそらく採光はバツグンにいいんだけど、通りの人から…モロだなこりゃ。むろん男湯だけだろうが。下を女の子とか歩いてるんだけど…もちろん、人に裸を見られて恥ずかしがるような男は銭湯来るんじゃねえ!露出癖のある人間にはサイコーの銭湯っす。(-_-;

真ん中に薬湯槽があるんだけど、この薬湯、何と「サウナ札持っている人のみ入れる」っつーことっす。だから、是非サウナ料金払うべきっす。この薬湯が、なかなか濃くていい感じなんだよなあ、温度は41度くらい、濃いお茶の中に入っているような漢方薬湯っす。これに入れないと絶対後悔。

主浴槽は窓際、で、この銭湯なんと天然温泉、850メートル地下から汲み出しているっつーこと。ナトリウム塩化物泉で、そんなに温泉っつー感じではないんだけど…ま、それでも天然温泉。深い方が3穴のジェットが3機、温度は42〜43度っつー辺り。浅い方がバイブラで41度くらいかな。隣が水風呂。

続いてサウナへ。このサウナは、階段上って中2Fにあるっす。入り口のドアは2重になってて、これも広島で見るタイプ。ドアの取っ手が結構熱いのは閉口したが…結構広いサウナで、8人は入れそう。しかもTV付き。温度は低めで85度くらいの乾式サウナ、時計は無いんだけど、サウナの窓から浴室の中の時計が見えるんで問題なし。

階段を降りたところに、カランが一つあるけど「身体流し専用につき、洗うのに使わないで」と書いてあるっす。水風呂は20度くらいっす。水風呂、サウナ、薬湯を繰り返して、旅の疲れを汗と一緒に流すっす。いい感じ。しかし、こうして入っている内に全く気にならなくなってるけど、確実に下の道路の人間からは見えてるよなあ…

上がりは脱衣場でファイブミニ110円。フロントにはビールも置いてあるっす。で、何とドライヤーはタダ。あと、コンセント脇に「携帯の充電は一回10円」と書いてあるっす。笑えるけど、10円払って気がねなく充電できるならそっちの方がいいよなあ。銭湯も表に「ケータイ充電サービス」なんて看板出して、一回50円くらいで番台で管理のもと、充電なんっつーのはどうだろうか?最近のケータイなら、風呂入ってる間に丁度充電できそうだし…原価も設備もほとんどかからないから、いいアイディアだと思うんだけどなあ。

案の定、脱衣場でケータイで話している全身背景画のお方が。どうも昔から、893って刺青して、いっつも大声で電話してる人、っつーイメージがあるんだが…ケータイ普及してないころから、ピンク電話とかで大声で電話してる人ってその筋の人だったよなあ。

っつー訳で、まあミニな銭湯だけど、薬湯はなかなかだったっす。営業時間もいいし。でも、銭湯出た後にフーゾク街を抜けると、客引きの多さに閉口。最近、どこの地方都市いっても中国式マッサージって多いっすねえ。肘辺り掴んでくるから困るんだよなあ…


(広島っつーとお好み焼き)

(2002年9月)