船岡温泉


(こんな入り口の銭湯、みたことある?)

aqua.gif (191 バイト) 場所 バス千本鞍馬口駅 徒歩3分

yellow.gif (192 バイト) 船岡温泉ホームページ

日本最強の銭湯!

かつて織田信長は「船岡温泉に入らずんば人にあらず」と言ったそうである。あれ?平清盛だったけ?まあ昔の人はどうでもいいや。っつーわけで、京都の名銭湯の船岡温泉へ。交通がちょっと不便。バスなら千本鞍馬口が近いようだが、夜だったので地下鉄鞍馬口で降りて、てくてく20分ほど歩いていってみる。

さて、船岡温泉。おお、船岡温泉。この銭湯は、かつて旅館だったのを改造した銭湯らしい。立派な門構え、「船岡温泉」の貫禄ある暖簾。が、脇に立つ看板はまぎれもなく庶民派銭湯の看板。小屋根は唐破風にゆるやかにカーブしている。

その貫禄に少し畏れながら進入。下足の鍵はツルカメ。完全フロント形式。フロントで350円払うと、お兄ちゃんが「おおきに」。ううむ、貫禄ある銭湯って、威張ってそうなんだけど全然そんなことなく愛想が良い。フロント脇には脱衣場入り口。その脇にまたロビーがあるっす。

で、脱衣場へ…感銘の脱衣場。中は普通なんだが…上部周囲の透かし彫り。これはなんかすんごいなあ。さすが京都。天井はもちろん格子、しかもセンターに…これは何だろう?天狗かなんかの彫り物がついている。ううむ。美術品だ。透かし彫りを良く見てみると、みんな絵柄が違うが、いずれも合戦もの。古代、中世、近世、現代のものがあるっす。一番新しいのは…日露戦争?古いのはなんか中国系のような気がする。

また、浴室側が中庭になっており、もちろん。石の彫像がおいてあるっす。これは裸婦のようだが…おばはん裸婦?よくわからないが等身大近い。池の向こうが露天風呂。しかも、脱衣場から浴室へ行く部分が石の橋になっている。

脱衣場内にはベビーベッドも2個あるっす。ロッカーの鍵はおしどり。おしどりの脱衣ロッカーも珍しい。ロッカーの中に籠が入っているのは京都風。こちらではどうやら、中の籠を取り出し、床に置いて脱衣/着衣してからロッカー内に籠を入れる模様。

さて、浴室への渡り部分を抜けて浴室へ。途中、流しがあるっす。また、脇に打たせ湯もある。流しのタイルがこれまたちょっと変わった模様。

で、浴室へ…おお、こりゃすごい。入り口レトロ系銭湯だが、中身は立派に現代風リゾート銭湯。これだよ、これ。風情と快楽の両立っつーか。天井は東京風に2段になっているが両翼がぐーっと広い。

さて、桶を持って…あれ、桶が少ないぞ。やっと桶を見つけてカランへ。ふと隣を見ると、全身カラーリングのお方が。シャワーともども湯量、温度、文句なし。体を洗って、さて、どう回ろうか…

まずは漢方薬湯槽。立派に漢方の香り。続いて露天だ。この露天は檜風呂で結構大きい。ゆうっくりつかることが出来る。なにしろ正面は中庭。素敵なつくりっす。思わずうっとりする秋の夜っつーか。と、さっきのカラーリングのお方が檜風呂のふちにでーんと腰掛ける。ありゃ〜、紅葉までミックスされて しまったぞ。(-_-; しかしあっしの正面に背中を向けて座るっつーことは、何か威圧してるのだろうか?もしかして。よく見ると綺麗な絵っす。顔のほっぺたからほっぺたに ドスが突き刺さって血が出ていて、額からも出血中の絵。ううむ、意味不明。

さて、次はサウナに行こう。もちろんタダである。入り口にサウナシートが置いてあり、これを洗って持って入る模様。サウナ内にはTVもあり、ON物語を放送中。つい見入って汗だくになるまでしばらく入る。サウナの出たところに冷水のハンドシャワーがあるのもよろしいっす。

サウナの次はもちろん水風呂。水が落ちるタイプで、ここに頭をつけることも出来るっす。広めで、しかも冷たい。18度くらいかなあ。極楽極楽。周りを見ると子供も何人かいる。若い人間も。すなわち、ガキから学生、ヤクザまでまんべんなく人種が入浴中。これぞ銭湯!This is SENTO。水風呂に子供の兄弟がそおっと足を入れている。「キャー」といって冷たいのを喜んでいる。

さて、主浴槽を回るか。もちろんジェットもの、バイブラもの完備。で、デンキ風呂。かなり電極板が長いタイプで、底も深いが、このデンキがキョーレツっす。もー、ビックンビックンするっす。高温槽もちゃんとあるっす。湯温は通常槽が42度強くらい、高温槽が44度強くらいかなあ。

最後に露天風呂にもう一度入る。いやはや、ナイスな露天っす。ヒノキチオールとマイナスイオンあふれる感じ。隣でオッサンが目をつぶって入っている。男女の子供の兄弟がその正面にいて、「おとうちゃんのところがゴール」と、水中歩行競争をやって親父に飛びついている。親父が「おとうちゃん、もう寝そうだよ」 と言うと、ガキ兄弟二人で「おとーちゃん目開けろー」「おとーちゃん目開け ろー」と親父の目をこじ開けようとする。うう、かわいい。

しかし、銭湯でもない限り、親子三人で一緒の湯船に浸かるということは出来まい。銭湯は少年犯罪の予防にも効果的だぞ!この銭湯、日替わりで男女が交代するらしい。ううむ、隣はどうなっているのか大変気になる。明日行こうか…いや、こんど京都に行くときの楽しみに取っておこう。

上がりはロビーでドリンク…ってここで再び驚愕。ドリンクケースには、「ヒシヤクール」ほか、見たことの無いレアなお風呂ドリンクの数々が!びっくりするが、ここは慎重に選ぶ。ん?「パレード」とかいうビンに入っている茶褐色の液体が謎なのでこれを買う。何と50円。これまた驚愕。飲んでみると…ああっ!これが冷やし飴か!まさに飴を水に溶かして冷やした味。

透かし彫りがあまりに気になるので、フロントで許可を貰い、写真をパチリ。ご満悦っす。しかし素晴らしきかな船岡温泉!風情あり施設よし人間よし。日本最強の銭湯として三つ星だ!

(2000年11月)