大東湯


(こりゃかなりキてますなあ…ドアの字といい、看板といい…しかし惹かれる)

aqua.gif (191 バイト) 場所 地下鉄千代県庁口駅 徒歩1分

さて、今日も仕事終わったらどこ行こうかなー。福岡はなぜか土日に休みの銭湯が多いっす。っつーことで休日チェックの後、ディープエリア千代の銭湯へ向かう。地下鉄千代県庁口下車1分、大通り沿い…っていうか、あっしには珍しく「どこかな〜」と銭湯の前を素通りしてしまったっす。通りに面しているから分かりやすい場所にあるんだが、そのくらい目立たない玄関。横にひっくり返った「ゆ」の看板が出てるんだが、看板の電気はついていないっす。

が、中の電気はついているので大丈夫、奥の煙突を眺めるとこれが…レンガ?のような、太くて短い煙突。かなり小さな銭湯だな…ドアを開けると土間続きの番台、福岡銭湯料金370円を払う。それにしても、福岡の番台って対応が丁寧っすねえ。まあ、福岡の商売全般に言えるけど。

下足入れの鍵はおしどり、古い型の鉄板鍵は生きていない…10個だけ生きているのでこれを使う。入り口についたて、ロッカーは大きく番号の書かれた木のロッカー。鍵はSSLOCKのもの。ロッカーを開けると中に入っている…地元衆はわざわざ鍵なんか掛けないのか。丸籠も積まれているっす。家庭用ヘルスメーター、超旧型の作動してないマッサージ機。古い木のベンチ。レトロな銭湯っす。今までのところ、福岡の中で一番レトロじゃないかな?

浴室へ。良かった、桶も椅子もあった…いずれもその辺で売ってそうな普及型のもの。かなり奥に細長い銭湯っす。天井は銭湯のサイズにしては高い。真ん中に湯気抜きがあるんだが、これがなぜかやたらと高いっす。カランが手前両サイドに44で計8個、おや、シャワーがないや。カランは宝マークの赤青、これが湯量は少なく湯がかなり熱いっす。で、こんな銭湯ながら客がまあまあ、4,5人いるっす。刺青親父が二人、話をしている。

湯量が乏しいので、汲み湯で身体を洗おうと思ったが、さっきの刺青親父が二人、浴槽サイドの下座側を使っている…別に恐いとかそういうのはないんだけど、なんとなくこの上座を取るのははばかられてカランを使うっす。地元系の銭湯なんで最下座に座っておくか…これが正解。排水溝のない古い銭湯なんで、洗い汁が下座に集中、複数の洗い汁が集中するんで、桶まで流されそうで使いにくい。なるほど、こういうので銭湯の上座下座があるんだなあ、と妙に納得、いずれにしても下座で良かった、上座ならいちいち気にしないといけないからなあ。

刺青親父たちの会話を聞いていると、どうやらモノホンのその筋の人たち、っつーか「元」の人のようっす。「XXさん」「○○さんの家の」と固有名詞が出てくる。どうやら親分の名前のようっす。うむ〜、濃いなあ。

さて浴槽へ。シンプルな広い1槽、脇に小さな槽がついてて、どうもこの槽はぬる湯にするための槽みたいっす。温度は42度くらい、福岡の銭湯は基本的にどこもぬるめっす。中に入って辺りを見まわすと、おや、この浴室、窓がほとんどない。それにしても、小さなレトロな銭湯ながら、結構次々と客が入ってくるっす。別の親父はギャンブルの話をしてる。

上がりは…ドリンクが数種類ながらあるのでチェック、ナニ、「菊水のあめゆ」?地元の菊水飲料っつーところのドリンクのようで興味をそそられるが、あめゆだからきっと超甘いんだろうなあ、隣にあった菊水のラムネ110円を賞味。これが何と、番台に木のテコになった「ラムネ開け器」が!番台のお姉様が「ぽんっ」と抜いてくれる、これを泡が吹きこぼれないうちに速攻で口をつける。きっとこれがこの銭湯のしきたりなんだろうな…っつーことで、レトロ感たっぷりの地元系銭湯だったっす。

(2003年4月)