櫻湯


(こりゃかなりキてますなあ…ドアの字といい、看板といい…しかし惹かれる)

aqua.gif (191 バイト) 場所 西鉄 平尾駅 徒歩10分

さて、福岡のレトロ代表格の、清川の桜湯へ。ここは公共交通的には不便かなあ…西鉄の平尾駅から10分くらいだけど、JR博多駅からももしかして歩いてこれるかなあ。

通りを少し入った辺りで、大型煙突発見…この煙突は!?住宅街の中に、イキナリ太くてデカい、しかも短めのレンガの煙突。こりゃちょっとビックリ。大きな行灯看板を目当てに正面に回ると、これがまたレトロ感たっぷりな入口っす。

この銭湯、まず営業時間が5時〜9時と超短い…しかも、「8時30分までにお入りください」だと。基本的に木造の銭湯だが、若干構造が変わっていて玄関が奥まり、その両側に突き出た感じで建屋が。住居兼の構造っすね。玄関正面は「櫻湯」の屋号、ドアは九州型?男女やや傾斜した感じのドアになっているっす。牛乳石鹸のシャワラン暖簾。

中に入ると番台、下足板の鍵は、木造構造っす。福岡銭湯料金370円を払う…番台ではお姉様がTVを見てるが、あ?沖縄三線?奇しくも、本日はわざわざ志賀島で三線を弾いてきたばっかりで、三線持参、偶然だがびっくり。

脱衣場天井は低いっす。ロッカーは戸に大きく番号がかかれた木のロッカー、鍵はSSLOCKのもの。旧型マッサージ機、あと、福岡の銭湯はなぜか輪投げが置かれているところが多いんだけど、これは一体どういう訳だろうか?番台前にははめ込まれたような感じのドリンクケース、ビン牛乳をはじめ幾つかのドリンク類。

さて浴室へ。これまたレトロというか、設備的にはナニもない銭湯っす。桶も椅子も普及品。天井は軽くアーチのかかった木造、真ん中に湯気抜きがあるっす。ド真ん中に主浴槽、奥の脇に小さな副浴槽。カランは窓側の列にしかついておらず、しかもカランは全部で7つのみ、そのうち鏡が付いているカランは4つしかないっす。

全体的に壁は細かい豆タイル、浴槽も豆タイル。そして男女の境には…大きな、富士山と手前が海、松のモザイクタイル絵。構図的には美保の松原からの富士山だろうなあ。九州ではもちろん富士山の絵は少ないのだが、気持ち関西よりは多いような気がするっす。

で、客があっし一人なんだよなあ。シャワーも無いカラン前に陣取る。カランは宝マークの丸型赤青レバー、湯量、湯温はOKっす。主浴槽はセンターに楕円形の浴槽、温度は九州的で結構低くて42度弱っつー辺り。副浴槽は多少違うか?と思ったら、ほぼ主浴槽と同じっす。こっちはライオン口から湯が出ているくらいで、シカケもナニもないっす。壁に「オゾン浴泉」の能ガキは書いてはあるが…

なんてしてると、子連れの爺さんとガキ2名、男女が入ってくる。今日から夏休みだしなあ…子供は広い風呂場で「キャッキャ」と遊んでいるっす。爺さんはカランは使わず汲み湯、子供もそうしてて、みんな揃って浴槽の脇でわいわい、近頃珍しい光景っす。

っつーことで、設備もほとんど無い、営業時間も短い地元のレトロ銭湯、福岡も次々とスーパー銭湯がオープンする中で、いよいよ存在感が薄くなってきている感じっす。多分、この銭湯も残念ながら長くはないだろうなあ…

上がってから、近くの第三共進丸っつー魚系居酒屋で一杯。やっぱり福岡は魚料理が旨いっす。この店も、焼酎の一升ビンを出してきて、「自分で勝手にやってね、呑んだ分(減った分)だけ貰うから」だと…


(入口部分がちょっと凹んだ構造)

(2003年7月)