旭湯


(あまりに何気ない、地方の小銭湯)

aqua.gif (191 バイト) 場所 JR枕崎駅 徒歩10分

昨日、タクシーの運転手に「鹿児島来たなら知覧や指宿行きなさい」って言われたんだよなあ…っつーことで、鹿児島南部はさすがに車が無いと行くのがキツいなあ…と鹿児島で車を借りて南下。残念なことに天気がかなり悪いんだよなあ…途中、エンストした地元のオバちゃんの車押しがけしたりしながら知覧へ。

ところで、鹿児島でびっくりしたのは、運転マナーの良さっす。あっしは制限速度20キロオーバー以内を心がける優良運転手なのだが、ここはみんな飛ばさないっすねえ。しかも結構譲り合いが普通。しかも、不法駐車がほとんど滅多にないっす。これはびっくり東京と大違い。不法駐車のない2車線道路っつーのは、こんなにスイスイと流れるものなのか…

さて、まず知覧、武家屋敷っつーのが有名らしい…庭園を見る。うむ〜、この造りは…銭湯にハマるとなんかこういうものに関心が出てくる。爺化現象がはっきり自覚症状になってるな…


(武家屋敷の庭、東京銭湯に通じるものがある…)

武家屋敷を利用した料理屋があったので、そこで昼飯を取ることに。まあ、観光地の食事に旨いものあるわけないよなあ…と、これが期待に反して!?旨い。しかもかなり旨い。コリコリした地鳥、寿司飯、そば、煮物等々。さらに一緒に梅酒があったのだが、これまた旨い。思わずおかわり。庭園を見ながら日本料理…ちなみに武家屋敷の訳語はSAMURAI HOUSE。さらにコイズミさんも泣いたという特攻平和会館を経由、茶畑の間を南下しながら…枕崎へ。


(武家屋敷にて豪華料理)

(この庭を見ながらお食事、いわゆる一つの贅沢)

(ソーリも泣いたという…)

(一度行くとよろし)

特に枕崎っつー意味はなかったのだが、鹿児島でも比較的大きな街、しかも漁港といえば、やはり銭湯があるだろう。タウンページで調べると一軒だけあるっす。思った通り、港の近くに煙突発見。入り口の造りは、一般的な民家風、煙突は細いっす。ピンク色の壁に、「旭湯」と直書きされているっす。この周辺、さすがに台風の本場だけに、対台風的な建築になっているっすねえ。


(枕崎港光景、こんなとこまで良く来たよなあ)

中に入ると低い狭い番台。中に爺さんが一人、「そこの角に車止めたけど、いいっすか?」「あ?ああ、よかよか」330円払う。土間からいきなり脱衣場になった構造。脱衣ロッカーはなし、棚のみ。旧型のマッサージ機が一台、隅に長椅子、木の古い丸テーブル、イカにも地方の「ごく日常の」銭湯光景。

浴室へ。天井は「へ」の字型になっており、真ん中に湯気抜き部分。決して新しい銭湯ではないけど、カラン回りそこそこ改修されているっす。桶はケロリンの小型。椅子は普及型。島カランは無し、窓側のカランにはシャワーがあったのが有難い。カランは宝マーク赤青、シャワーともども、最初は冷たかったが、すぐに適温、適量に。

最奥部に一槽だけのシンプルな浴槽。温度は42度くらいの白湯。壁の注意書き、タオルを持って這入らないでください…ちょっと待て、「這入る」って何だ?風呂に這って入るのかよ…少なくともオレはやらんぞ。後は浴槽のフチに腰を掛けないでください、とか。

入ってると、さっきの番台の爺さんが、女将に番台任せて入ってくる。一緒にご入浴…浴槽から湯をすくって身体を洗っているっす。何十年こうしてきたんだろうなあ。

上がりは脱衣場でオロナミンC。その他、ビン牛乳、コーヒー、リンゴジュース、ポカリっつーところ。男女の境にはTV。っつー訳で南国で時間が止まったような場所だが、まこと銭湯。もしかして今生で最後になるのかな…ちなみに駅からは10分くらいっす。


(枕崎から開聞岳を望む…が、天気悪くて山頂隠れちゃってるんだよねー)

(2003年3月)