中将湯


(佐賀に唐破風あり!)

aqua.gif (191 バイト) 場所 JR佐賀駅 徒歩15分

佐賀に唐破風あり。

さて、佐賀の仕舞は川沿いの銭湯。木造の、昔懐かしい建物だが、なんとこの銭湯、入り口に唐破風の小屋根が。銅で葺いてあるっす。中に入ると「U」の字形になった番台、番台正面に何と…液晶TV。下足入れは番台サイドにあって、下足板の鍵はおしどり。


(小屋根のアップ)

脱衣場天井は、まあ小型銭湯の高さ、とはいえ普通公衆浴場としてはこの銭湯が佐賀で一番広くて立派っす。脱衣ロッカーは木のもの、鍵はおしどり。ここでもやっぱり丸籠を使う。脱衣場センターに新型マッサージ機がで〜んと居座る。日本度量のアナログ体重計、長いす、テーブル、灰皿。脱衣場男女の境には古くて大きな、立派な鏡があるが、これに「米田屋洋服店」「本店銀座弐丁目」とあるっす。どうやら暖簾分けして佐賀に店開いたのかな?それにしても、これ、いつの時代の鏡?

浴室へ。思った通り、普通公衆浴場の中で、佐賀では一番流行っているみたいで、洗い場等改装されてて比較的新しいっす。天井は高く、真ん中にスリット状にかなり高い湯気抜き。桶と椅子は普及品。まあまあ人がいる。さあ、座ろうかと思ったらカランに総刺青のお方が。この脇のカランしか空いてないので、隣に座る。カランが…これまた珍しいな。普通にあって、適温なんだけど、なんとシャワーが固定とハンドシャワーの2種類あるっす。随分サービスの良い銭湯だこと。

さて浴槽、奥部に2槽あるっす。広い主浴槽へ。ここも湯が7分しか入ってないなあ。1穴のジェットが4つ。温度は42度っつーところっす。さらにこの銭湯、しっかり無料のスチームサウナまであるっす。3,4人のサイズ。で、主浴槽脇がどうやら水風呂槽、一人しか入れない小さいものだが、水風呂あるなしじゃ全然違うっす。で、この水風呂がなんと…バスクリン色がついてる?薬湯ならぬ薬水?

ドリンクもそこそこ。脱衣場のTVではイラク戦況放送中、さっきの刺青の親父と別の親父が、イラクの話やら北朝鮮の話やら。そういえば、佐賀って朝鮮半島に近いから、昔から交流も盛んだった模様。なにしろこの銭湯のある場所は唐人町、400年前の朝鮮の役の際に、日本軍の道案内をした高麗人、その後故郷に戻れなくなったのをふびんに思った鍋島の殿様が、この地に外人居住区を作ったのが由来らしいっす。

親父同士の話はエスカレートして「日本も徴兵制にすりゃいいのに、そうすればワカモノももうちょっとピシっとするだろうになあ」と、結構メチャクチャなことを言ってるぞ。親父層は今回の戦争は支持率高いんすよねえ。刺青親父が番台の爺さんに「この辺、爆弾降ってきた?」と聞いてる。「ああ、降って来たよ、焼夷弾がね。あれは屋根とかについてどうにもならんでねえ」と解説。

っつー訳でローカル色濃い、味のある唐破風の銭湯だったっす。結局佐賀市の銭湯はもしかして全部行ったことになるのかなあ…次は唐津だな。


(橋のたもとにあったもの、県魚ムツゴロウ?)

(2003年4月)