帝水湯


(歴史の長い銭湯だが、今はビル銭湯)

aqua.gif (191 バイト) 場所 近鉄orJR松坂駅 徒歩15分

松坂へ。ここも結構名古屋から遠いよなあ、特急を使っても1時間以上っす。この街もなんっつーか、レトロというか、未だ昭和以前のムードが残る街っす。古い木造建築が多い。


(これは銭湯のすぐ近くにあった店?)

少し時間が余ったので、街をうろついてみるっす。それにしても真夏日の快晴、これまた実に暑いんだよなあ。駅前通りから少し折れて、魚町通り商店街っつー辺りに入る。と、いきなり小ぶりの煙突。これは公衆浴場の煙突に間違いあるまい。正面に回ると、暖簾は掛かっていないのだが、戸が対照に二つ。あきらかに銭湯の入り口っす。が…暖簾等はない上に、正面に普通の民家の郵便ポスト。夏なので窓を空けており、通りから中が少し見えるのだが、どう見てもタダの民家の雰囲気っす。銭湯止めて、全部家にしちまったのかな? 珍しいパターンだなあ。


(どう見ても元銭湯)

さらに進む。銭湯っぽい煙突があちこちにあってまぎらわしい…歩くこと15分ほどで松坂城跡。立派な石垣が残っているのだが、建物は全然なし。途中、松坂民俗史料館っつーのがあったので入ってみるが、この建物がまた見事な木造建築。庭に各種の鬼瓦が飾ってあったりするっす。中に入ると、これまた町田師匠が喜びそうな、薬屋とかのレトロな看板がずらり。


(石垣のみの松坂城址)

なるほど、松坂は商人の街だったのか。確かに第一次産業がメインだった江戸時代なら、この辺りは農作物も水産物も取れそうだし、その他いろいろな物資を都市部に運ぶ集積地として栄えておかしくないっす。さらに木綿が特産物だったらしい。東海地方の豊かな雰囲気があるっす。


(松坂民俗資料館、見事な木造建築)

で、松坂城天守閣跡に登り、街を見渡す。向こうにわずかに海が見えるっす。山から平地が海まで広がり、いかにも豊かそうな雰囲気の地形っす。って江戸時代の人間みたいな観察だな。ちなみに江戸時代は紀州藩の領地、っつーことは天領みたいなもんか。


(天守閣跡から。一番向こうにわずかに水平線)

降りると本居宣長(<-って意外なことに、CEで一発変換したぞ)の記念館があるっす。ここに入ろうとするが、すでに夕方近く。時間大丈夫かな、と思って入り口で入館料300円払おうとするが、受けつけのギャルが「もう時間ないから、適当に見てってください」とタダにしてくれる。ラッキー。


(本居宣長神社)

さて、炎天化の下を、程ほどに登ったり降りたり歩いたりしたので、すでに汗でびっしょりっす。そろそろ銭湯を目指すことにするか…っつーことで、あらかじめターゲットにしてあった帝水湯へ向かう。駅前の通りをずーっと行って、ちょいと入ったあたり。駅から直だと15分くらいかな。

正面を見るとビル銭湯、牛乳石鹸の暖簾が夏の日差しに揺れるっす。回り込んで煙突を観察、土管をつなげたような形の煙突っす。しかも黒煙を吐いている。黒煙がたまに白くなったり変色するので、どうやら廃材を燃やしている模様っす。

下足板の鍵はおしどり。中に入ると番台形式。松坂市の銭湯料金は… ええっ!?300円?これは沖縄を除いて、日本で一番安いんでないの? 事前に大阪のすこう選手から、この銭湯には、三重県の公衆浴場一覧が置いてあると聞いていたので、早速一部貰っていく。ぱらぱらとめくると、なんと各浴場の創業年度が書いてあるが…え!?この銭湯、創業が安政元年!?江戸時代から続いている銭湯か。もちろん、建物は新しくなっているが、どうやら三重県で最古の銭湯のようっす。それにしても、江戸時代からやってる銭湯っつーのは東京でも数軒しかないから、日本でも最古参クラスか。番台回りには結構豊富に風呂グッズが置いてあるっす。

脱衣ロッカーはツルカメの鉄板錠。HOKUTOWのアナログ体重計、真ん中に長いす。マッサージ機。一軒、ごく普通の銭湯のようだが…なんと脱衣場の脇に結構大きな階段がある。なんだろ?2F休憩場っつーことかなあ。

ま、後で調べてみよう。とりあえず汗ダクになたこの身体を何とかせんと、と浴室へ。桶はちょっとヘンな形っつーか、三角おむすびみたいな形の普及品っぽい桶。入り口あたりに積まれているっす。浴室に入ると、この銭湯は実は珍しい銭湯だったっつーことに気が付く…

浴室入ったところ、浴室内に、イキナリ螺旋階段。この銭湯、脱衣場と浴室の両方に2Fの階段がついているっす。すなわち、2Fにも浴室設備があるのだ。 2F全部が風呂っつー訳でなくって、半分くらいは吹き抜けになってて、高いスペースを形つくっているっす。と聞くと、なんかスーパー銭湯っぽくゴージャス感があるが、見かけあくまで銭湯。しかもそんなに新しいっつー訳ではないっす。

浴槽は片方の壁際に、もう一方の壁際にカランが並ぶっす。カランは逆三角形の赤青。シャワーどもども湯量、湯温OKっす。さてと…どう入りましょうかねえ。

まずは螺旋階段を上に登って露天へ。囲いはあるが、オープンな露天。岩風呂になっており、脇は坪庭になっているっす。温度は思った通りぬるめで 40度くらい。すぐ脇に煙突があって、これが黒煙を吐いているのを見るとなかなか楽しめるっす。それにしても真夏日の炎天下の露天風呂なんだが…これがなぜか心地よい。風呂入ると「暑い」っつーのが、なんかなくなっちゃうんだよなあ…そりゃいくら暑くても風呂よりは熱くないからかな?岩風呂の岩に腰かけると、なかなか涼しい感じ。

下に降りてから浴槽めぐり…まずは寝ジェット。タイルでカーブになっていて、寝心地が良く、背後4穴、足裏2穴の計6穴。水枕もしっかりついているっす。この寝ジェットが2機と、隅の方にイロモノはついてないんだけど、寝湯になるようにカーブになった部分があるっす。っつーかこの浴槽、全体的にカーブが使われてて、なかなか風雅。あっしは「割り切れる」四角よりも、「割りきれない」丸の方が好きなんすよねえ。主浴槽の温度は42度くらいっす。あとはデンキ風呂。一人サイズだが、このデンキがなかなか強いっす。初心者にはちょっとキビしいかな?意に反して筋肉がピクピク。

奥の方に深風呂の浴槽があって、こっちは少し熱めで43度強くらいっす。さらに奥にヘンなブースが…打たせ湯じゃないよなあ。背中に当たる部分に、4個ほど噴出口。ボタンを押すと一斉噴射、要するに「横の」打たせ湯みたいなものっす。あんまり見たことないなあ…

2Fに戻ってからサウナへ。なんと、この銭湯300円で無料の乾式サウナがついているっす。サイズは4人サイズだが、ガラス張りで、なんとTVもありっす。 さらに水風呂。これは一人サイズで特に冷却してないので、二十数度はありそうなんだけど、水風呂があるっつーのは偉大だ!1F入り口近くには立ちシャワー…このシャワーがまた変わってるんだよなあ、なんか。一応冷温二つあるんだけど、温の方は肩くらいの位置に横向きについているっす。冷の方は頭くらいの位置。いずれにしても、この夏の日に水シャワーを浴びれるのは嬉しいっす。浴槽に入ってから何度も浴びる。

さて、上がりは…この銭湯、なんと1F2F、両方脱衣場があるっす。1Fは禁煙、2Fは喫煙可、しかも2Fはちょっと広いロビーになっているっす。番台近くに何種類かドリンクが販売中。これが良く冷えてなくて閉口したが…レアもの発見。栄養ドリンク系だが、「ザイルCE」、愛知県半田市の中京医薬品がリリースしているもの、120円を賞味。ビタミンCとEとローヤルゼリーを配合したっつーことっす。

っつー訳でなかなかユニークかつ設備充実。この銭湯に300円で入れるならおトクだよなあ。星付けとくっす。

風呂上がりは…松坂に来たら、やっぱり牛肉でしょう!でも、高級そうなステーキハウスの類に行くのもなあ…っつー訳で、近くの「脇田屋」っつー焼肉ホルモン屋に進入。さっそくビールと松坂牛を賞味。あ”〜、真夏の風呂上がりの生ビール、たまらんばい!七輪の炭火焼きで、カルビ、タン塩、ホルモンなんかを賞味。このホルモンがまた、なんか旨かったなあ。キムチ頼んで生ビールをおかわり、しめて3400円、リーズナブルっすね。っつー訳で風呂と松坂牛で暑気払いだ!


(近くのホルモン焼肉屋)

(2002年8月)