美章園温泉


(貫禄の銭湯、感無量っす)

aqua.gif (191 バイト) 場所 JR阪和線 美章園駅 徒歩1分

これは素晴らしい銭湯だった…日本トップクラス。

阪和線の美章園の美章園温泉へ。駅から徒歩で1分、ホームから煙突が見えるっす。美章園商店街もいかにも大阪ミナミ系雰囲気。その庶民的な街の中にいきなり巨大な「モダン」な建物。これは凄い。貫禄十分な洋風建築、正面の「美章園温泉」という文字もなかなかっす。しかも3階建て。


(阪和線高架下の商店街)

(大阪といえばこれ)

(入り口に文化財プレート)

玄関がこれまた貫禄十分。扇のマークの「男」「女」。下足板の鍵はおしどり。入口に入浴券自動販売機があるので、洗髪料込みの370円券を買う。番台形式で、番台の高さがかなり低い…

が、この脱衣場…広い!広いぞ!しかも使われている木は重厚感のあるいかにも高級そうなもの。天井は高く、しかも洋風の飾りがあるっす。全体的にかなり古い建築だが、高級建築。ロッカーの鍵はおしどり。

そして庭。庭に面して長いすが設置。庭の池は残念ながら水は張られていないが、竹園であるっす。マッサージ機が3台、うち一台は新型。ISHIDAの低い体重計。隅にはラドン発生機。洗面台に月刊「大阪人」があって、その号では美章園温泉をとりあげているようなので読んでみる。


(いい感じでしょ)

なるほど、この銭湯、大阪の銭湯経営者のあこがれだったのね。しかしこれだけ力の入った建築ならそうだろう。昭和4年から4年の年月をかけて建設されたっつーこと。昔はこのまた上のフロアがダンスホールだったらしい。

さて浴室へ。この浴室がこれまた広い…4角錐型の天井で、中心に湯気抜きがついている。入口に噴水、この噴水がまた子供を掘り込んだレトロなもの。桶は普及品。センター浴槽、周辺カランっつー大阪系のつくりっす。カランは前に桶置きの一段がついている。カランの湯は熱め、シャワーはむしろぬるい。カランは赤青の「下に押す」タイプの丸型カラン。

それにしても豪華な銭湯だがどう回るか?豪華っつーても「スーパー銭湯」的な豪華さではないっす。古いっす。でもボロではない。不思議に重厚感があるっす。結局なにげない建材とか、そういうところにカネがかかってるからかなあ。

まずセンターの主浴槽、トップから湯が出ていて、浅風呂、深風呂と流れるようになっているっす。かなり広い浴槽、温度は42〜43度くらい。センターの広い浴槽はリラックス感も高いっす。浴槽の回りは大阪風に1段「座り」段がついているっす。

さらにラドン温泉、ここはガラス戸で密閉されており、霧状に噴霧されているっす。湯温度はかなり低く40度を下回る温度。続いて水風呂、ここは2,3人サイズ、20度と壁に書かれているっす。実際の温度もそんなもんだろう。水風呂出たところに、タイルに埋め込まれた「踏み棒」があるっす。さらにその上になぜかぶら下がり棒。結構このカマボコ状の踏み台って好きなんだよなあ。

続いて泡系コーナー。寝風呂が2機、タイルがカーブしており、背中にフィットするようになっていて、泡が噴出。この噴出がなかなか強いので気色いいっす。さらに座ジェットが3機、これまた機械が快調に動作中。古い銭湯ってこうしたイロモノが壊れてたり弱かったりすることがあるけど、しっかり力強く動作しているのは小気味いいっす。

んで薬湯、これは漢方薬湯になっているが、デンキ風呂兼になっているっす。しかも広い浴槽。電極のペアが二つあるっす。デンキは大阪にしては弱い方かも。能書きに「ワカガエリ」とあるっす。お次はスチームサウナ、結構温度が熱いっす。椅子は後ろから湯を流しており、清潔が保たれているっす。むろん無料。なんだかんだといろいろ設備がある上に、一つ一つの浴槽が結構広いっす。いわゆる幕の内銭湯ではないっす。

うむ〜、なんというか重厚感のある、でもリラックス空間。やっぱりカネをかけると、「雰囲気」に出てくるんだろうなあ。スペースがたっぷりあるのが心地よい。おまけに窓の外は緑が多いっす。風呂に入りながら目も和むっす。上がりは出入り口近くにある「ジュビロバス」要するにボディシャワーね。この他、冷の立ちシャワーあり。

上がりは…ドリンクもビン牛乳、フルーツ、コーヒーと並んでいるっす。ビンのコーラは珍しいかな。乳酸飲料スコールで庭を見ながら一服。う〜ん、なんかくつろぐ銭湯だなあ。空間の取り方がそうなのか…源ヶ橋温泉に通じるものがあるっす。っつーわけで設備、雰囲気、両方をとってもかなりお勧めできるいい銭湯っす。ビバ!大阪!

(2001年8月)