平和湯

aqua.gif (191 バイト) 場所 南海本線 住之江駅 徒歩10分 または阪堺線あびこ道 徒歩2分

今日は杉本町から大和川沿いを少し歩いてみる。大阪市の最南端、川向うは堺。遠くに堺の工場街の煙突。家並みといい、なんとなく大阪を感じる光景。大和川にかかる橋に、阪堺線のチンチン電車が走る。そうこうしているうちに住之江区へ。東京で言えば蒲田みたいなもんか。近くに競艇もあるしなあ…堺=川崎っつーイメージもなんとなく。が、そうすると和歌山=横浜?やっぱり神戸=横浜、和歌山=千葉っつー方がしっくりくるなあ…なんて何の役にも立たないことを考えてみたりする。


(なんか大阪を感じる)

(阪堺線のチンチン電車)

っつー間に、安立商店街へ。ここを行くと住之江駅か…おや、商店街の入り口に銭湯が。しかも、結構レトロを感じる玄関。まあこの辺りで入ってみるか…最寄は阪堺線あびこ道、徒歩2分ほどか。住之江からだと10分くらいっす。

入り口は牛乳石鹸の3房の大型暖簾。下足板の鍵、傘の鍵ともにおしどり。中に入ると番台、親父はちょっとあっしの方をいぶかしげに見る。まあ、こんな下町の超地元系銭湯だろうから、一発でよそ者と分かるだろうなあ…。番台正面にTV。阪神広島戦。

脱衣場は関西チックだが、これまた余計なものがないシンプル銭湯。一面の壁におしどり鍵のロッカー。天井は格子になっているが、一部模様が入っているっす。で、天井から巨大な2枚プロペラのような、ゴッツイ扇風機。関西の古い銭湯はこの手が多いっす。あとは長いす、木の古いベンチ、灰皿、旧式マッサージ機。年季が入った古い木の長いすっつーのは、なんか落ち着くっすね。

さて…この銭湯、超ウナギの寝床銭湯だなあ。設計が少し名古屋入ってるぞ…浴室と脱衣場の間に長い流し、なにもこんなに長くなくてもいいだろうに…かなりの間隔で蛇口が4つもある。桶も少し積んであるっす。隅にIUCHI SCALEのアナログ体重計。ここを渡って浴室へ。客はあっしの他に一人のみ。

浴室天井はゆるい四角錐型で、真ん中に湯気抜き。桶はその辺で売ってそうな無地桶にマジックで屋号が書いてある。さらに緑椅子。が、この銭湯、桶と椅子の数がやけに少ない…5個づつくらいしかないっす。みんな桶もってやってくるんだろうか。あと、椅子が少ないのは、床に直で座る人間が多いとみた。古くからの銭湯なんすねえ。

カランは宝マーク入りの赤青丸型。カランの湯量、湯温はいいが、シャワーがじゃっかん細いっす。奥のカランは1段上にあるっす。こっちだと椅子を使わず座って洗う専用ゾーンだろうなあ。

浴槽は男女の境に3槽。まず深風呂。これは典型的な大阪型。それにしても大阪の銭湯は浴槽のフチに石を使っているのがなんとも心地良いっす。さらに浅風呂、こっちは旧式の、背中の部分が丸くなっている1穴のジェット、まあ超音波風呂っつー感じのが2機。湯温は42〜43度っつーあたりっす。あとは最奥に一人用のデンキ風呂。Wakagaeriの能書きプレートがあるっす。このデンキが強いんだなあ、さすが大阪。一定のパルスでずんずんとクるっす。そういや、昨日バーで飲んでて、隣に居た男女カップル、両方とも銭湯好きだっつーてたなあ。野郎の方は若かったのに、「デンキ風呂好き」っつーことで、「分かるヤツには分かる」と二人でガッチリ握手してきたのだった。大阪は若年層でも街の銭湯に良く行く人間が多いっす。それにくらべて東京はまず居ないなあ…やっぱり「地元文化度」では大阪が圧倒的に上か。

上がりはかなり喉も乾いたので、ドリンクを物色するが、残念ながらあまり種類は無いっす。ファンタ、スプライト、コーラ、ポカリ、で地元いかるが牛乳のコーヒー牛乳っつーところか。ビンのファンタグレープ、100円を賞味。このビンのファンタも、今はほとんど見向かれもしないが、昔はステータス高かったんだよなあ。っつーわけで下町商店街の中の、昔ながらの銭湯だったっす。でも、この客の入りだったら、いつまで続けられるんだろうか…


(安立商店街、「あんりゅう」と読むっす)

(2002年6月)