鶴橋湯


(2002年11月撮影、改装されてやや立派になっているっす)

aqua.gif (191 バイト) 場所 鶴橋駅 徒歩5分

モバイルギア持つとどうしてもレポートが長くなるっす。 いいことだ。

「うの目たかの目マチダの目」に、鶴橋湯は大阪屈指の古い銭湯、というようなことが書いてあったので、早速いってみたっす。鶴橋駅下車、朝鮮食材市場をぬける。ふと下北沢北口市場を思い出す。しかしこの辺りもちょっと変わったエリアっす。なにしろ道が狭く混みいっている。東京の池之端あたりもこんな感じか。

そんな中に鶴橋湯。電話帖には鶴橋浴場と書いてあるが、鶴橋湯と呼んでいる人も多い。どっちかな?下足板の裏には「つるはしゆ」と 書いてあるからこっちかな。建物は古い洋風建築。こうした建物は国内でも珍しい。この辺りは空襲の被害なかったのかな?表面のタイルの細かさが古さを物語る。玄関正面にタイル?ステンドグラス?の絵があるのだが、残念ながら上にポスターが張られて見ることが出来ない。残念だ…


(う〜ん残念)

で、ここでびっくり。下足の鍵が…大日之出錠?みたことないぞ、こんな鍵。通常の下足板ではあるが。当然番台形式、男湯女湯仕切りはカーテンっす。女湯の方から男湯が良く見えるのは大阪に多いっす。番台の親父は年輩だけどやさしそう。

さて脱衣場。男湯と女湯の境の部分に、なんと神棚がある。珍しい銭湯。で、その前にTV。ロッカーが…これまた大日之出っつー謎のロッカーキー。で、びっくりしたのが、一部に木のロッカーが残っている。しかも正面に大きく数字が書いてあるタイプ。これは大阪では珍しい。木ロッカーの鍵はおしどり。壁にはひょっとこの飾り物がある。広告がこれまた相当古そうな広告っす。

浴室へ。大阪にしてはシンプルな浴室だが、それでも4槽ついている。浴室の屋根は四角錐型で、センターに湯気抜き。とりあえずカランへ。カランがこれまた見たことないタイプ。赤青のプラスチックだが、なんと鶴のマークのカラン。もしかして、鶴亀温水器工業?カランの湯はかなり熱い。古い銭湯だが、シャワーがちゃんとついているのはやはりサービスの大阪。桶はケロリンだが小型のものっす。

で、浴槽。なんと石の浴槽。珍しい…でもいい触感。浴槽周辺部は大阪タイプなので、座れるように外部に一段ついている。年寄りはここに腰をかけて、桶で湯舟の湯をすくって身体を洗うっす。浴室の床がこれまた石なんだな。

まず、気になる石の主浴槽に入ってみる。下町の古い銭湯らしく、湯の温度は高め、44度くらいかなあ。一般人にはかなり熱く感じる湯温っす。2槽になっており、片方が浅くて狭い。深い方はかなり広い浴槽。センターの底から湯が噴出。大阪の銭湯はこの「センターの底から湯噴出」っつーしくみが多いようっす。ぬるい方に手を入れると、42度くらいの感じ。

さて、副浴槽。こっちはデンキ風呂になっている。ライオンの口から湯噴出。温度は42〜43度くらい。デンキは大阪らしくかなり強い。で、出入り口近くに水風呂らしい槽があるのだが…これがかなり狭い?一人膝を曲げてやっと入れる大きさ。これって本当に浴槽?でも、入ってみたくなり思わず膝を曲げて入る。もし浴槽じゃなかったとしたら相当恥ずかしいよな。

湯上がりに庭を見渡すと、なんと石灯篭や石の橋がついている立派な庭。「毎日牛乳」ブランドのドリンクケースには…おや、レアなお風呂ドリンク。みたこともないような飲み物が下の方に置いてある。思わずその内一つのサイダーらしき飲み物を購入。

湯上がり、やはり木のロッカーがたいへん気になり、番台の親父に許可をもらって撮影。「改装したとき、一つだけ残しておいたんですわ。ヒノキ使ったいいヤツなんだが…」番号を見てみると、木のロッカーは六拾五から始まっている。びっくり。新しいロッカーは64番で終わっている。むう、ロッカーの大きさも違うだろうに、無理矢理連番にしたのか…いいね、こういうのって。「いつごろのものなんすかねー?」と聞くと「さあ、昭和15,6年か…」戦前のものか…

っつーわけで、大阪屈指のレトロ銭湯。ぜひ行くべし。でも客は少ないんだよなあ。狙い目だ!


(2000年11月撮影、この後に親父が没したらしい)


(洋風建築の外観)


(隣のこれまた年代モノのアパート)

(2000年11月)