末広湯


(屋号はタイルで書かれたもの)

aqua.gif (191 バイト) 場所 阪急 三国駅下車 徒歩10分

銭湯MLでも話題、月刊大阪人にも掲載されたレトロ銭湯の、三国の末広湯へ。銭湯マップでは第二末広湯と表示されているなー。阪急三国駅を下車、西方向へ。三国の東は結構商店街とかあるけど、こっち側はなんもないなー。駅前では巨大マンションが建設中、そういえば最近、大阪のあちこちで巨大なビルが建設中なのが目立つっす。ようやく大阪経済も回復か?

駅から5分ほど、静かな住宅地の中に煙突…しかしこの煙突は低めで太いな。東京じゃ見ないタイプだ。入口には「末広湯」と、イカにも手書き風の文字、玄関に牛乳石鹸の3房大型暖簾。玄関の床がコンクリでなくだな…下足板の鍵はおしどり。料金表を見ると「洗髪料10円」のところに×が書いてあるので、ここは洗髪料取らないんだな。


(入り口、絶対便所用のだよねえ)

中に入ると番台、お姉様が笑顔でステキ。脱衣場の天井はさほど高くない大阪的高さだが、格子になっているっす。男女の境には神棚、隣にTVと
招き猫が収まっているっす。ロッカーの鍵はツルカメの板鍵。YOSHIDAのアナログ体重計、あとは何と新型マッサージ機、これはちょっと浮いてる。奥の方に木のベンチ。3つの足のついた卓上灰皿がなんともレトロ。結核予防のポスター、大阪の結核の発生率は何と全国平均の3倍だと…相撲協会のポスター、あとは石川県のポスターが張ってあったから、この銭湯も石川出身の人なのかな。

さて浴室へ。天井は大阪レトロ系定番の、四角錘型の天井、真ん中に湯気抜き。床は石になっているっす。淀川区辺りにレトロな銭湯が沢山あるのは何でだろうなあ…桶は赤の小型桶、おそらく花王と思われるけど、模様が擦りきれて判別不能。緑椅子、なぜか高い椅子が一つだけあるっす。入口近くに水溜め槽。湯ではなくて水っす。

カランは赤青のレバー型、シャワーはちょっとあちこちに飛んでるけど、湯量、湯温OKっす。カランは8個しかないんだけど…なんとこの銭湯、正面に鏡がなくって、高い位置についているっす。ヒゲ剃るのに立ちあがって剃らんとな、と立ちあがってヒゲソリ。そもそもヒゲ剃る時って結構集中しているから、傍から見るとこっけいなポーズになっていることが多いっす。

ビジュアルは…男女の境に小さめのタイル絵、これが何と富士山、美保の松原に天女。羽衣を取り返した天女が天に帰っていくところのようだが…なんかこの天女、エロっぽい格好してるな、天女ってこんなに薄着だったけか?なんとなくインド系の格好、こうだったか?

さて浴槽へ。基本的にシンプルそのもの、深浅の2槽式、フチは石で外型に1段。温度は42度くらいっす。浅風呂がやたらと浅い…寝湯用だよな、ここにライオン口から湯がドバドバ。深風呂は…なんと浴槽内に、スプリンクラーのようなジェットが真ん中にいる。これは前に西田辺の文明湯で見たものと同じタイプだが…文明湯は四方に噴出していたが、ここのは60度くらいづつずれた方向に、3つ口で噴射。

っつー訳で、大阪レトロな銭湯だった…壁のタイルも細かいのが残っているっす。ところで、ふと思ったんだが、大阪の銭湯は浴槽が男女の境側についているものが多いが、こうなると上座はどこになるんだろうか?少なくとも出入口近くは違うような気がするが…なぜかこっちに陣取る人が多いんすよね。浴室入ってすぐだから、思わず座るのかな?

上がりはそのまんま出てきたっすけど、ドリンクはソフトドリンク中心で、ビンの牛乳他、パレードやみかん水、板倉スカッシュとかのローカルドリンクも。しかし、駅前に建設中の高層ビルを見ると、こうしたレトロ銭湯もいつまで存在するのだろうか、なんて思うっすねえ。

(2003年11月)