小町湯


(コケのついた唐破風の小屋根が実にいい感じ)

aqua.gif (191 バイト) 場所 JR琵琶湖線 大津駅 徒歩5分

これはなかなか良かった。大津の銭湯。

一仕事終えてから大津の小町湯へ。JR大津駅を降りて西方向へ若松湯の煙突を眺めながら徒歩5分ほど、突き当たりの国道へ出ると煙突発見。しかしこの銭湯、なんともレトロな外観…

もちろん木造。唐破風の小屋根にはコケがこびりつき、貫禄たっぷり。煙突もレトロ銭湯らしく低く、変な形をしてるっす。窓の格子もレトロ。正面の入浴案内も、細かいタイルもなんともレトロ。牛乳石鹸のシャワラン暖簾をくぐって中へ。

中に入ってまた驚愕、番台が低く、しかも広いために女湯側脱衣場が半分くらい見えそう。さすが町人の街だけあってオープンだ…番台のお姐様がこれまた、80超えてるんでないの?滋賀銭湯料金355円を払う。番台と土間が続きで、下足板鍵のメーカーはツルカメ、なんとこの銭湯、下足入れの多くが常連桶の置き場になっているっす。

脱衣場はシンプルで広々としてるっす。天井は格子の天井、男女の境には変色してほぼ認識しがたいのだが、フクスケ人形と思われる物体。旧式のフジマッサージ機、「OMI SCALE」のアナログ体重計、長椅子、灰皿。滋賀浴場組合の「浴室内で喫煙しないで…」で始まるマナー集。最後に8才以上の混浴は禁止、あれ?滋賀の別の銭湯では10才以上だったような。他にドリンクケース、特にめぼしいレアなドリンクはないっす。脱衣ロッカーの鍵はこれまた、なんとKING。これも珍しい。京都勢力圏らしく、長方形の竹編みの脱衣籠も番号付きでたくさんあるっす。

で、浴室に向かう方向になんと梅の絵柄の透かし彫り。透かし彫りって滅多にみなくなっちゃったっすよねー。浴室の入り口は一段高くなっており、細かい目のタイル、そして流し。関西銭湯の特徴っす。

さあ浴室だ。地方銭湯にしてはなかなか広い浴室…で、ぱっと目に入るのは関西銭湯としては珍しい、最奥部にあるモザイクタイルの富士山の壁画。既製品っぽいが、珍しい。さらには男女の境に熱帯魚のタイル絵。この銭湯、結構混んでるっす。5,60の親父が中心。天井は四角錘型、真中に湯気抜き。しかもセンター型浴槽、綺麗に周辺にカランが配置されているっす。

花王のビブレのオレンジ小型桶を持ってカランへ。カランは逆三角形の赤青プラスチック、京都勢力圏にはこれが多いっす。カランの湯温が…これが微妙に熱くて、なかなかよろしいっす。シャワーもしかり。湯量もOK。

で、浴槽へ。まずセンターの主浴槽、2槽に分かれており、両方とも深風呂。仕切りの部分から湯が噴出中。湯温は43度に設定と書いてあるが、ややそれよりも熱いかも。微妙にいい温度っす。しかも…この銭湯、地方銭湯の割には相当清潔っす。浴槽のタイルは古いんだけど、綺麗に磨かれているせいか肌に当たるとつるつるとするっす。結構「ヌルヌル」のところもあるけどね。カラン回りも綺麗だし、この銭湯の清潔さにはちょっと感動。古い銭湯ってメンテが大変そうだけど、綺麗に補修されているっす。センター浴槽は気色よいっす。

っつーわけで、特に設備は充実しているわけではないんだが(あっし的には壁画の方が重要)清潔でいい感じにレトロな、大変結構な銭湯。大津ではイチオシかも…ってまだ何軒も行ったわけではないんだが。帰りは浜大津まで歩いてみるっす。JRの大津駅と浜大津って歩いてもそんなにないんすね。京阪電車で地下鉄経由で京都へバック。


(浜大津からの琵琶湖光景)

(2001年9月)