山の湯


(いい感じ…)

aqua.gif (191 バイト) 場所 JR琵琶湖線 彦根駅 徒歩20分

前々から行ってみたかった彦根へ。京都から新快速…米原の手前っす。彦根は城下町、城下町の場合は注意が要るのだ。おおむね城下町の繁華街は、城の近くに発展するっす。例えば会津とか熊本とかしかり。駅前だけチェックして「な〜んだ」なんつーのは大きな間違い。

さて、彦根で電話帖と駅前の地図を照らし合わせて…あれ〜、意外と密集してるもんだね。彦根市は6軒の銭湯があるっす。島根県だけで3軒しかないっつーのと比べると多いもんだよね。思った通り、駅前には該当銭湯なし。さて、歩くか…

なんとなく江戸時代を感じさせる町並み、街道筋。まず錦町の巴湯をチェック、まあ普通のこじんまりした地場銭湯だな。さらに進むと「花しょうぶ通り商店街」へー。明らかに江戸時代を意識した、でっかい木の看板と格子のある商店が並ぶ。ニッポンにもハイカラな文化、ファッションが続々入ってくるけど、こうした伝統庶民文化が好きな人たちっつーのも結構多いんだな。まったくそうだよな、外人にもニッポンの文化の説明一つ胸張ってできなきゃ、国際交流もないもんだ。


(花しょうぶ通り商店街)

(こんな壁画もある)

さらに商店街が大きくなる…駅から離れて繁華街、っつーのも変なハナシだが実際そうっす。しかし、かつて繁栄して、今やさびれつつある街っつー雰囲気が大いに漂う。なにしろ建物が古い。さらに進むと中央町の山の湯発見。こりゃまた伝統的な銭湯だなあ。

さらに進む。自動車が進めない程度の、かなり細い道路が碁盤になったような住宅街。こりゃ古い街なんだろうなあ、田んぼから発展した新しい町並みならもっと道太いだろうしね。自動車が発達していなかった時から発展していた住宅街と見うけられるっす。その中、ほとんど車が進入してこれそうもないエリアに末広湯発見。ここもまあ、木造のかなりレトロで庶民的雰囲気漂う、こじんまりした銭湯。

近くに普通の八百屋があるのだが…ごく普通なんだが、奥の方に「祝!創業108年!」と模造紙で張ってあるっす。ほとんど「祝入学」のノリ。108年間、売る商品は多少変わっても、ほとんど変わらない感じで商売をやってきたんだろうなあ。まあ続けるっつーのもすごいことっす。


(みなさまのおかげで108年!)

さて、あまり時間もない。さらに進めばmidoさんの天神湯とかあるはずなんだが、すでに日も暮れて闇があたりを包もうとしている。後は次回にするか。っつーわけで、一番気になった山の湯へ突入!駅から直だと…それでも20分くらいか?

入口は伝統的な銭湯、破風造り。煙突ともども、なかなかの貫禄っす。暖簾は牛乳石鹸最新モデル。暖簾っつーのもチェックポイントなんすよね。牛乳石鹸の暖簾は、商品を一箱なり買わないとおまけで付いてこないそうっす。最新モデルを置いてある銭湯っつーのは、それなりに風呂グッズが売れているっつーこと。っつーことは、それなりに繁盛している銭湯っつーことっすね。

さて、下足入れの鍵は…これがびっくり、超混成軍団。ツルカメの鍵があるのはいいのだが…「こがね錠」?さらに「IDEAL」とか書いてある、見たことない鍵も発見。

中にはいるとかなり低い番台、女湯見えそう。滋賀銭湯料金355円を払う。それなりに繁盛している銭湯のようっす。天井は格子になっており、奥の方になんと透かし彫り。しかもちょっと感動は奥に「明日湯わきます」の札がかかっている。裏返すと「明日休業」の趣旨が書いてあるのだろう。

ロッカーの鍵は大日の出錠…と思ったら、見なれないものが一部。「SUPER」?なんだ?この鍵は良く分からんけど、珍しいものっす。他に長いす、テーブル、テーブルの上にはウチワ。旧式マッサージ機が2機、新型が1機。体重計はかなりごっついタイプのノーブランドのが一つ。丸籠もしっかりある。いかにも「懐かしい銭湯」という感じの脱衣場。

さてこの銭湯のユニークな点、それは銭湯内部の中庭っす。銭湯の中に中庭があって、池もあり石灯篭もあるっす。この池は女湯と繋がっている模様で、なんと小型の鯉まで泳いでるっす。さらに、脱衣場の一部の床がアクリル板になっており、上から池が見えるようになっている。目一杯頑張りましたなこりゃ。

中庭の脇が流しになっており、ここを通って浴室に行くようになっているっす。で、この造り、京都圏というより名古屋圏だなあ。彦根まで来ると名古屋の勢力圏に入るのか?とりあえず浴室へ進むことにするっす。

浴室は地方銭湯にしてはなかなか広いっす。天井は四角錐の形。センターに湯気抜き。桶はケロリンの黄色桶だが関西小型タイプ。カランは丸型というか、小ナスをひっくり返したような形だが赤青のプラスチック。シャワーもちゃんとあるっす。男女の境の列だけだけど。湯温、湯量ともにOK。

浴槽配置がまたヘンというか、なんというか。男女の境に2槽あるのはいいのだが、最も奥部に一槽。さらに真ん中辺りに…こりゃなんだろ。子供のビニールプールくらいの小さな湯舟が一つ。ここから湯をかきだして洗うのかなあ。

まずは最奥の浴槽へ。この浴槽がなにやらすごいんだけど…何なんだ?薬湯というか温泉というか、泥水というか…。完全赤褐色の湯。有馬系?って感じでもないし…とりあえず入ってみる。湯温は41度くらいのぬるめなんだけど、こりゃ…「鉄サビ」だよ。サビの臭いがするっす。一応鉄鉱泉なのかなあ、しかしドラム缶に水入れてそのままサビさせたらこんな感じになるような。しかし、この浴槽の上に水槽、しかも立派な鯉が泳いでいるっす。これはポイントかな。

続いて主浴槽系。まずはジェット槽、1穴のジェットが3機稼動中。湯温は42度に設定と書いてあるけど、ややそれより熱い感じ。しかし滋賀県の銭湯はよく「設定温度XX度」と書いてある。滋賀に限ってそうなんだけど、なんかあるのかなあ。その隣が深風呂。深風呂でずいーっと身体を静めるが…

男女の境が厚手のガラス。しかもガラスは浴槽のすぐ上まで。すなわち、ほとんど男女の浴槽を仕切った感じでガラスになっているっす。人の気配は十分に分かるっす。気になる…気になって見てると、ふとガラスの「メジ」の部分が一部ハゲてて、3センチほどガラスが透明になっている部分があるっす。ほんのわずかなんだが、もしかして見えるのではないだろうか?向こうからも見てたり して。(-_-;

上がりは脱衣場で…チェリオ。なんと懐かしい、2種類あってレモンライムの方をゴックン。なかなかイケるでないの。その他、ビンものが結構置いてあるっす。っつーわけで基本はレトロ銭湯だが、見所多しだ!彦根もなんか独自の文化があるっすね。また来よう。

(2001年9月)