容輝湯


(日本で最も美しい銭湯の一つだろうなあ…)

aqua.gif (191 バイト) 場所 JR琵琶湖線 石山駅 徒歩7分

日帰りで滋賀行ってきたっす。ちかれた…が、大当たりだったぞ!

大津石山の容輝湯へ。そういえば以前、この近くの唐橋湯に来たっけな。石山駅から歩くこと7分くらいっす。滋賀県の町並みは、ちゃんと区画になっているが、細い道が多いっす。おそらく、自動車社会になる前から発展してきたのだろう。お陰で滋賀は「飛びだし坊や」の看板が多いっす。


(こんな私鉄も走っているっす)

さて容輝湯…煙突は低いのだが、白い煙が出ている。隣はコインランドリー。で、正面に向かうと…これがまた、見事な見事な唐破風の小屋根。銅板で葺いているっす。しかも立派な貫禄ある木の看板に見事に屋号が書いてあるっす。これを見ただけで来た甲斐があったかも。暖簾は牛乳石鹸暖簾、秋風に揺れているっす。

空放しの玄関から中に入ると、番台。これまたかなり低いっす。滋賀銭湯料金は先日値上げして355円。番台脇は土間になっており、下足入れ。下足板の鍵はツルカメの旧式の、亀にシッポが生えてるヤツっす。これも滅多に見ることはないっす。

さて脱衣場。天井は格子。これまた木の落ち着いた雰囲気の脱衣場。ロッカーの鍵はKING、ごくまれに見るものっす。YAMATOのアナログ体重計、フジ自動マッサージ機。灰皿の代わり?大きな火鉢のようなものが置いてあるっす。んで長椅子。さらに、外に小庭。残念ながら池には水が入っていないっす。

ロッカーを開けると、中に四角い編籠が入っているっす。四角は京都系か。取り出して、軽く「タン」とひっくり返して中に着衣を入れる。脇の方には常連桶も。場所が場所だけに、常連ばかりの銭湯なんだろな。それにしても大津は人口の割には銭湯が多いっす。日本の中でも銭湯が密集してるエリアとそうでないエリアがくっきり分かれているっす。これはその土地の文化、歴史を大きく関係あるんだろうなあ。銭湯が多いっつーことは昔から都市として発達してきたのだろう。脱衣場から浴室入り口へ一段上がっており、ここがタイルと流し。関西で良く見る構造。

さて浴室へ。東京と比べると小ぶりな銭湯。天井は四角錐型で、真ん中に湯気抜き部分。入り口に桶と椅子が綺麗にピラミッド型に積まれているっす。っつーことは、もしかしてあっしが一番湯?ラッキー!

桶は白ケロリン、「内外薬品」の字が緑のものだから、最近の白ケロリンだろう。で、しっかり関西系の小サイズ。椅子は100年持つといわれる緑椅子。カランは全部で12個、このうちサイド側の7個にシャワー付き。カランは逆三角形の赤青プラスチック、京都で良くみかけるタイプっす。で、湯温が…ぬるい。一番湯だからだろうなあ、としばらく湯を出すと、シャワーは熱くなったんだけど、カランがなかなか熱くならない。仕方ないか。

さて浴槽…浴槽はセンター側に3槽。浅風呂、深風呂にジェット。裸婦が壷を傾けているがあって、この壷から湯が出てくるっす。まず浅風呂。「設定温度41度-42度」とあるが、入ってみると43度くらいあるっす。一番湯だからだろうな。それにしても澄んだ綺麗なお湯、とても気持ちがいいものっす。ジェットは1穴式が2機、穴の高さを微妙にずらしているのがよろしいっす。上部に超音波気泡風呂の能ガキ。

で、この銭湯、なんと最奥にタイル絵、しかもタイルに書いた渓流のものがあるっす。すばらしい。しばらく見とれる。と、爺さんが入ってくる。見てたら…ありゃ、かけ湯もせずに浴槽へ。しかもタオル持ったまま入ってきて、中でタオルでゴシゴシ。なんなんだよなあ、せっかく綺麗な湯なのに。まあ、常連なんだろうが、イカんものはイカんよなあ。

あとびっくりするのは…玄関開けていて、いくら縦長暖簾があるとはいえ、風で揺れると浴室から表通りまで直視。いいかえれば、表通りから浴槽まで見えるっす。町人都市大津とはいえ…相当オープンだなあ。

上がりはデカビタで一服。ドリンクは割と一般的なものでレアものが無いのは残念。TVを見てると…あ”?長嶋退任?おいおい、イチローもいなくなり、背番号3までいなくなったら、日本のプロ野球はどうなっちゃうんだ?そもそも後任がいるのか?個人的にはぜひ、耳の大きい人に監督就任して欲しいが…それにしても味のある銭湯。大津にきたら、ぜひ行くべし。ちなみにこの銭湯は、滋賀県浴場組合のホームページの表紙にもなっているっす。上がってから商店街でうどんをすするが、この辺ってうどんずいぶん安いのね。

(2001年9月)