道後温泉本館


(重要文化財 道後温泉本館はこんなに現役、庶民の憩いの場)

aqua.gif (191 バイト) 場所 松山市電 道後温泉駅 徒歩3分

憧れの道後へ。

しかしあっしも最北端の稚内温泉から沖縄の温泉まで入ったが…温泉を語るに足りないもの。それは道後温泉に入ったことないんすよねえ。やっぱり道後温泉を知らずして日本の温泉を知っているとは言えないだろう。っつーわけでいいチャンスだとばかり高松から松山へ。特急で2時間半、2時間半っつーたら東京大阪と同じぢゃないの。結構あるんだなあ。もっとも最近はこういう時間でレポートをまとめているので、さほど無駄な時間ではないっす。

で、松山到着。松山駅のホームの立ちそばで「じゃこ天うどん」を食べたら、薄味でうまかった。この街は城下町かあ…城下町は注意が必要、街の中心部が駅の近くでなくって、城の近くに発展していることが多いからっす。地図を良く見ると…道後温泉って近いんだなあ、ほとんど街中じゃん。歩いていけるかも。とはいえ、「道後温泉行」と書いたチンチン電車の走る街、これに乗るのが旅っつーものだろう。っつーわけで道後温泉行きのチンチン電車へ。料金は市内一律150円。


(道後温泉行きチンチン電車、「坊ちゃん」にも登場する)

(松山城)

終点の駅が道後温泉、なんとなく函館の湯の川みたいだな。駅をおりると道後温泉本館までみやげもの屋がずらりとならぶっす。タオルとかも安価で売っているので、ここで記念にタオル買って入ってもいいかも。もっとも本館でも200円で売ってるけどね。


(道後温泉への商店街)

(おみやげに売ってる「湯籠」
これに風呂道具を入れて道後温泉本館へ)

さて、みやげもの街を楽しみながら徒歩で3分ほど、じゃ〜んと道後温泉本館に到着!これだあ〜!正面に巨大な破風造りの屋根、木造建築の粋を極めた建物っす。三階建て。まさに温泉。回りの旅館から浴衣でやってくる人も多し。巨大な暖簾が正面にかかる。


(これは朝の模様)

入り口でチケット購入、この温泉、単に湯に入るだけなら300円、すなわち銭湯料金。つまり、格式高い温泉ではなくって、あくまで大衆の銭湯なのよ、ここは。あっしは2Fの休憩所利用も含んだ620円の「神の湯2階」券を購入。他に小ぶりの霊の湯というのがあって、個室休憩室を利用して1240円らしい。朝は6時から営業中、夜は休憩室は22時まで(入場は21時まで)、温泉は22時30分まで入場可の模様。

格式のある建物だが、結構スタッフがいてサービスはいいっす。これなら初めてやってくる人も不安なく安心だろう。下足入れに下足を入れて中へ、しかしこの建物、なんか迷路みたいな構造だなあ。2Fの休憩所に行ってくれ、と言われるまま2Fへ。途中、映画のロケ写真やいろいろな絵があるっす。


(飾られている絵)

2F休憩室、これがまたなかなかいい味を出しているっす。すばらしい。和風の広々とした大広間、あちこちに絵や書が掛かっている。座布団で席を作ってあり、そのうちの一つへ案内される。目の前に籠があり、浴衣が置いてあるっす。ここで浴衣に着替えて、階下の浴場へどうぞ、っつーこと。なお、浴場にも鍵付きロッカーがあるが、一応念のために100円の貴重品ロッカーもあるっす。


(2F休憩室、感無量)

っつーわけで浴衣に着替えて石鹸シャンプータオルを持って階下へ。この階段が急だから要注意っすね。階下の脱衣場もこれまた広いっす。なお、2Fは禁煙だけど、ここでは煙草可っす。

で、神の湯、男湯は二つ浴室があるんだなあ。が、これが壁画のみ異なっていてほとんど同じ形状。浴室内部は最近改装されたようで、意外にモダンな浴室。センターに浴槽、周辺にカラン。木の椅子木桶、これは嬉しいかもね。カランは温度調節付きのハンドシャワー付き。

浴槽は広い石の1槽の浴槽、ド真ん中にでっかい石の「湯釜」?があるっす。ここに漢詩が書いてあるっす。温度は42〜43度くらい、こりゃ単純弱アルカリ泉だな、ナトリウムが入っているかどうか、ちょっとナメてみたいが…飲用不可と書いてあるっす。おそらく循環してフィルターかけてるんだろうなあ。でも、あまりベタっとした感じはないからナトリウムはあまりないかも、なんてブツブツ考える。 壁には「坊っちゃん泳ぐべからず」と張ってあるっす。

壁画、これまたすばらしい。中国風の、白地に青の壁画。ちなみにもう一つの浴室のほうは色使いは同じだが、ツルの壁画っす。天井は高く、センターに湯気抜き。いや〜、やってきましたよ、道後まで。

上がりは2F休憩所の座布団に座って浴衣でくつろぐ。お茶と茶菓子のサービスがあるっす。さらにビン牛乳やジュースの類も販売中。縁側に出ると…この縁側がまたすばらしい。木の感触のしっかりした縁側から通りを見下ろす。夏目漱石もこうしてたんだろか?しかし奇しくも、この温泉に入るために出した千円札は夏目様。


(はあ〜っ)

さて、ここで…隣に座っているギャルに気がつく。一人っきり、普通は野郎連れだろうがその気配もないっす。浴衣でゆったり涼んでいる感じがグッドだなあ、これは声をかけないと失礼にあたるだろう、と意を決して話かけてみることに。すると一瞬びっくりした顔をするが、その後ニッコリ。やたー、袖擦りあうもナントカの縁だもんねえ。

姫路から来たY子ちゃんっつー娘で、車で広島に行く予定だが、一日余裕を取って松山経由にしたっつーことっす。しかし道後温泉本館でナンパとはなあ、我ながら100%予想外だったよ。しかしあっしの座右の銘は「一期一会」である。明日も生きてるとは限らないのだ。しばし歓談。しかしまあ、この浴衣姿っつーのもアレだよなあ、うんうん、グッドす。


(変なダルマ?右側Y子ちゃん)

で、投宿場所が市街、っつーことで一緒に松山市街へ戻ることに。途中、おみやげ用の「坊っちゃん団子」を一緒に買い物。うんうん、いい感じだ。さらに一緒にチンチン電車に乗り込む。さて、ここで「せっかくだから、市街で軽くいかんっすかね」「うん〜、ホントはそうしたいんだど、明日の昼11時まで広島つかんとあかんから、それだと朝7時に松山出ないとダメだし…ちょっとキツいですわ」うむ〜。一応立派に筋が通っている…ここでゴリ押しっつーのも粋でわないわな。体よく断られたか?いやホントかもしれん。うん〜、何があかんかったん やろか?としばし考えるが、考えてみたら仮に話がウソだったとしても、温泉で声かけられてホイホイついて来る人間おらんわな。うん、あっしのやったことは100%正しくてミスもなかった、と納得させ、一人で松山の歓楽街へ向かうのだった。

で、結局次の朝も道後温泉いっちゃったよ〜。今度は慣れたものっす。しかし街に近いから思い立ったらチンチン電車で軽く行ける温泉。すばらしい。たしかに坊っちゃんも通うよなあ。ところで、「坊っちゃん」って小学生かそこらの時に読んだだけで、その後みたことなかったなあ。当時は「言われるほど面白くないなあ」とか思っていたが、大人になると見方も変わるだろうなあ。東京に帰る機内ででも読んでみようかなあ。

あと、脱衣場の注意書き、「市民の人は観光客に親切に接してください」これはちょっと驚き。松山って観光客を大事にしてるんすね。銭湯マニアは一生に一度は道後温泉詣でに行くべきだぞ!


(木造建築の粋!)

(2001年11月)