銭湯と温泉の違い

「銭湯と温泉?同じだろ、気持ちよくなりゃ一緒!」まさしくその通りであるっす。どちらも快楽を求めて来てるんだからね〜。

が、大きく違う点。温泉は古来よりの自然の恵みっす。それに比べて、銭湯はあくまでも人間が作ったもの。営利が基本の商売であるがゆえの「どうぞいらっしゃい」という、人が人を呼ぶ施設。温泉は誰も入らないでも温泉だが、誰も入らない銭湯っつーのはありえないわけっす。そして銭湯は、銭湯を経営する人の家でもあるっす。

そこには人工的な「人をもてなす」空間があるのだ。そのもてなし方は銭湯によって万別。花鳥風月を模したり、あるいは妙な機械で楽しませたり、軽い飲食を提供したりと。温度だって湯だって人間がつくったもの。この「もてなしのココロ」を感じるのが銭湯の妙っす。そう思うと、銭湯のアイテム一つ一つが「なるほど」と思えてくる、これが銭湯の妙味。

だから、銭湯は片意地張ったり堅くなったりせずに、客人として銭湯のもてなしのココロをゆったりと味わう、これが銭湯のマナーってもんじゃありゃあせんか、なあ、熊さん。

(2001年1月)