紅葉湯

2002年6月30日をもって廃業しました。

aqua.gif (191 バイト) 場所 西武多摩川線 多摩駅 徒歩7分

府中の紅葉湯へ。京王線多摩霊園駅から北に徒歩20分くらい。西武の多摩川線だと徒歩7分くらいかな。多摩霊園からだと、北にまっすぐっす。しばらくすると巨大煙突が見えてくるっす。住所が紅葉ヶ丘だから紅葉湯か。それにしても駅からかなり離れたエリア。こんなところで銭湯人口は少ないだろうなあ…

正面回るとこれまた立派な千鳥破風。花王の銭型暖簾。その上のすりガラスに紅葉湯の屋号、重々しいっす。下足の鍵はおしどり。玄関前には「6/30日をもって閉店します」の張り紙。番台裏のガラスに風雅な模様が入っているっす。


(番台裏のガラス絵)

当然番台形式。番台脇の目隠し板は、雲型の模様っす。脱衣場天井は高く、立派な格天井。ロッカーの鍵は松竹とおしどりの混成軍団っす。あとはKEIHOKUのアナログ体重計。さらに…縁側に庭。池には水がほとんど入っていないが、なかなか良い縁側っす。あとはビン牛乳系の自販機。

浴室へ。天井高い東京型2段の天井だが、天井の形がアーチ型になっているのが特徴っす。それにしても大型の銭湯だなあ。シカケは無く、ただ広いのみの東京銭湯。桶はケロリン黄色の赤線入り。島カランは1列、島には鏡もシャワーもないっす。カラン配置は窓際から6667、シャワーがついているのは男女の境側のカランのみっす。ここに陣取る。

カランは赤青の温泉マーク。カランの湯は熱めで水は冷ため。っつーか、この水の冷たさは、井戸水とかなのかな。シャワーは勢いいいんだけど、温度がちょっと低めっす。で、「シャワーは洗髪のみにお使いください」なんつー、前時代的な注意書きが。客はあっしの他に2,3人。閉店前日だが、まあこんなもんだろなあ。男女の境には湖のタイル絵。片側に花模様が入っているが、このタイプのものは珍しい。そして壁画。最奥部に大きく、丸山師の見附島のペンキ絵

浴槽へ。幅が広い銭湯なんで、浴槽も幅広なんだけど、シンプルな浅深2槽式っす。浅風呂から入ると…早い時間のせいか?熱い!45度近くあるかもなー。とりあえずそろりと入って…身体が慣れたら水浴びしながら何度も入る。2穴のジェットが2機。あと、石和田章三博士のガリウム石温浴泉の能書き。この温度だと普通の人は熱かろう。親父がすんごい形相で腰から下へ入ろうとしてるっす。深風呂だが…うむ〜、これは46度以上あるぞ。今日は二日酔いで身体もダメ気味だし…あっさり諦める。

上がりは脱衣場の自販機でビン入りりんごジュース。その他白牛乳、コーヒー、いちご、オロナミンなど。それにしてもここの縁側はなんとなく「出てみよう」っつー感じになるっす。季節のせいもあるけど、風呂上がりの客はみんなこの縁側にまず向かうようっす。

番台、女側では「長い間お世話になりました」との、例の会話。親父もニコニコしながら「いやこちらこそ」。廃業前は笑顔が絶えない…日本人はどういう表情していいか分からないときは、みな笑顔になるのだろう。っつーわけで伝統的な大型銭湯。駅から相当遠いので、独自のノリがあったのだろうが…壊された後には、ここに銭湯があったなんて誰も気がつかないようになるのだろうなあ。


(廃業宣告書)

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(2002年6月)