鶴の湯


(2002年3月撮影、黄色の塗りが珍しい)

aqua.gif (191 バイト) 場所 中央線 吉祥寺駅 徒歩15分

吉祥寺にて本物の銭湯を発見!

吉祥寺の鶴の湯に行ったっす。歩くとかなりあるかな〜、駅から15分くらい。五日市街道を西へ、ちょっと北へ入ったところ。正面が…これがまたずいぶん立派な破風造り。なかなか圧倒されるっす。その奥に「つるの湯」と書かれた巨大煙突。

下足の鍵はカナリア。中に入ると当然のごとく番台、番台脇には移動式の階段が置いてあるっす。で、脱衣場、これまたシンプルで天井高く、しっかり格天井になってるっす。番台脇には丸籠もしっかり積まれている。脱衣場内余計なものもなく、センターに丸テーブルと椅子が少々。当然のごとく縁側と庭。そして…大きな重量感のある体重計。これまた見モノっす。

脱衣ロッカーは壁際に少々、あまり沢山ないっす。で、浴室へ…これまた感動の代物。天井高い東京型2段、大型の銭湯っす。そして壁画が…見事な見事な富士山。早川師の作の模様。手前は湖で山梨県側からの構図。湖のほとりに茶屋、暖簾に「吉祥寺 つるや」とあるのはご愛嬌っす。早川師の富士山は山頂を実物より少し誇張するのが画風だが、これまたご立派。

そしてその下には、ああ、鯉のタイル絵。当然のごとく章仙&鈴英堂のサイン入り。それにしてもここの滝登りの鯉は、ほかのところより幅が広い。大型銭湯だからタイル絵の幅も広いのだろう。滝登りの鯉のみならず、その横には鴨と桜の木。

タイル絵の真中辺りが石檻になっていて、ガリウム石温浴泉になっている。檻の中にはカエル、これがまたちょっと不気味かも。で、なぜかタイル絵の一枚の部分が「」になっており、突起になっている。亀の口に穴があいているので、おそくらここから湯なり水が出るしくみだったのだろう、今は出ていない。

そうして、男女の境はこれまた3枚の鈴英堂のタイル絵、風景画だが一枚は富士山になっている。ああ、古典の教科書のようだ。さて、しばらく見とれてしまったが、ケロリン桶を持って…これまた、通常ケロリンの他に白ケロリンがあるっす。白ケロリンの模様って、今のと違うって知ってるっすか?赤い濃い円の模様が入っているっす。

島カランは2列、堂々した大型銭湯の証っす。島カランのうち1つはシャワーがないので、センターのカランへ。カランはWaguriの赤青ボール型カラン。湯温、湯量は申し分ないが、シャワーがちょっとぬるいか?それにしても…カラン前に座りながらも見とれてしまう富士山のすばらしさっす。

さて、浴槽へ。これまたシンプル系の深浅2槽式、タイルの細かさは年代をあらわしている。浅風呂の方にジェットが2機、深風呂は泡風呂。これまた、幅広な銭湯なだけに浴槽も幅広い。本当に「銭湯」っつー銭湯。温度は42〜43度くらい。白湯。女湯の壁画は松島風の島嶼の模様らしい。脱衣場と浴室の間のセンターの柱が、これまたぶっといんすよ。

脱衣場へ。ドリンクはいくつかの缶ものの他にビンのコーラとHI-C。リアルゴールドで一服、番台のお姐さんに思わず「立派な銭湯ですねえ、東京でもこんな立派なところはないですよ」と言うと、あっしが本当に冗談をいってると思っている模様。「いや〜、ウチは建て替えるアレもないんで、昭和32年に建ててずっとそのままやってるんですけどねえ、でもお客さんにそう言われると 嬉しいですよ。」いや本気だっちゅーに。こんな凄い銭湯は滅多にない。

「サッシだけ1度代えたんですよね」「え?ほかはそのまんま?」「内側とかは定期的に塗り替えると結構もって」なるほど見事な格天井。でも、実は脱衣場の丸テーブルもなかなか貫禄が。それにしてもホントにあっしがお世辞を言っていると思っているようだ。考えてみれば、わざわざレトロ銭湯を求めて、電車でやってくる客っつーものの存在を知らないのかも。

「ずっと頑張ってください」というと、この瞬間顔に陰りが「いや、いつまでやれるのやら…」ううむ。「一応若い人手もいるんですけどねえ」

さーこれを読んだ諸君!ウソはつかんぞ。可及的速やかに吉祥寺の鶴の湯に行くこと!真の銭湯ファンなら感動すること受けあい。そしてくちぐちに番台に行ってホメてくるのだ!そうしたら、多分「もうちょっと続けようかな」という気にもなるかもだ!吉祥寺のまとまった土地だもんね、マンションのデベロッパーに狙われるのも必然の土地っす。

「でわまた」と出てくる時、玄関前の自販機に缶を詰めている親父がいたが…あ、この人はここの息子だ。だって番台のお姐様と顔がおんなじじゃ〜ん。それにしても、脱衣場からガラス越しに見る富士山は圧巻っす。見るべし!そして浸かるべし!


(まさしく銭湯でござる)

(2001年5月)


三鷹市芸術文化センターの銭湯壁画鑑賞ツアーで、再度ご入浴してきたっす。改めて立派な銭湯、立派なタイル絵。この銭湯って、煙突に鶴の絵が書いてあるんすね。

しかも番台にまで座らせてもらった…営業時間前だけど。番台からの浴場の光景が、これまた素晴らしいっす。

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(2002年3月)