おとめ湯


(立派な唐破風っす)

aqua.gif (191 バイト) 場所 地下鉄 千石駅 徒歩10分 またはJR巣鴨駅 徒歩12分

千石のおとめ湯へ。千石から10分とあるけど、あっしは巣鴨から、こっちからだと12分くらいっすね。それにしても「千石」って名前の由来はなんなんだろうなあ…なんとなく江戸時代っぽい。中山道沿いだから、昔から流行ってたんだろうなあ。それとも田んぼとかそういう関係?


(大鳥商店会)

中山道、すなわち17号からやや入ると巨大煙突発見。お、この建物は…かなり立派な、大きな破風造り。とにかく堂々とした銭湯っす。オリジナルの暖簾がなんか小さめ、「男」「女」と描いてあるから、フロントにする前から使ってたんだろうなあ。見てると、ひっきりなしに桶を抱えた人たちが出入りするっす。人気銭湯だなあ。


(こりゃ立派な唐破風だよ…しっくいに絵)

下足板の鍵は松竹、迷わず空いている55を取る。自動ドアから中に入るとフロント形式、息子か?茶髪のパーマを当てた、ハタチそこそこのヤングがフロントに。珍しい…フロントならでわだな。サウナは200円なので、合わせて600円払うとバスタオルの貸し出し。フロント前にはロビー。

脱衣場へ。これまた広い脱衣場、天井は格天井で端がゆるくカーブ、男女の中心地からシャンデリアが下がっているっす。ロッカーの鍵は松竹のシリンダ、KEIHOKUのアナログ体重計、旧型マッサージ機…あれ?珍しい、30円になってるよ。畳敷きの長いすが何とも座り心地が良さそうっす。これが2つ、さらにガラス戸の向こうには広い縁側と庭。池もあるっす。どうもこの広い庭、昔は上から水を川のように流していたような形跡が。それにしても、なかなか賑わっている銭湯っす。結構平均年齢が低い。

浴室へ。桶は、おとめ湯屋号入りの黄色、緑椅子。桶の数がなんか多い…人気銭湯だからかなあ。で、イカにも伝統木造銭湯のこの銭湯なんだが、形状がまた変わってるっす。男女が離れており、中庭があって仕切られてる。残念なことに向こう側が見えないように岩が高く立ってるんだが…

さらにこの中庭に池があって、大きな鯉が何匹も泳いでいるんだけど、ここで びっくり!中庭の側面が、カラン上部のガラスとなっているっす。すなわち、男女の境側のカランに座ると、正面に大きな鯉の顔。身体洗いながら鯉とコンニチワ、っつー感じになるっす。ちなみに、脇側の窓の外にも岩とか花。

天井形式がまた変わってるっす。完全木造なんだけど、ゆるくアーチ。男女の天井が別々だからなあ…で、真ん中に湯気抜きが3つほど。最奥部で男女の天井は壁画をバックに繋がるっす。この構造は、川崎の生田浴場に似ているなあ。

島カランは2列、大型銭湯だけど窓側の壁にはカランがないっす。シャワーがあるのは島カランのみ。カランは6角の茶色、シャワーともども湯量、湯温OKっす。ところでサウナ用のバスタオルの置き場に困る…

で、周辺の庭もすばらしいがビジュアルも良い。最奥部には早川師によるペンキ絵。和歌山の渓谷?の絵の模様、早川師らしい、濃い色使いの絵。文京区なんで、例によって温暖化なんちゃらのスローガンも描いてあるっす。その下には…章仙師、鈴榮堂のクレジット入りのタイル絵、田園風景、水車、川っつーものっす。広告もまずまず入っているっす。

さて肝心な風呂へ。広い主浴槽に薬湯。奥まった、男女の境部分の薬湯にまず入ってみる。今日は漢方薬湯、二人くらいの浴槽サイズ。これが意外にまずまず熱いっす。43〜44度くらいか?

さらに主浴槽へ。隅から湯が溢れる構造、片側バイブラ。これまたまずまず熱く、やはり43度強か?最近、ぬる湯銭湯が増えてきたから意外感があるけど、そういや元々東京の銭湯は熱めだったよな。さらに逆サイドに7点の座ジェットが2機。これは噴出もまずまずっす。

続いてサウナへ。遠赤外線の乾式サウナ、2段だけど段がちょっと狭いな、6人くらいで一杯か?温度は100度くらい、5分計と10分計が置いてあるっす。タオルで目隠ししながらサウナ入ってるヤツがいたな…サウナを出たら、立ちシャワーで冷水。カーテン付きの冷温立ちシャワーブースが2機あるっす。しかし、これで水風呂があったらサイコーなんだが…

しかしまあ、この中庭、鯉、ペンキ絵、タイル絵といい…なんか風流への憧れを感じるっすねえ。考えてみれば、東京の銭湯、富士山のペンキ絵に代表されるように、銭湯に「自然」を感じさせるものを多く置いてあるっす。対して関西の銭湯は人工物主義なところがあるかも。


(別の角度から、名銭湯の雰囲気漂う)

上がりはロビーでパックのアップルジュース。その他、なぜかコーシンのビン牛乳、ドリンク種類は豊富っす。ビールも置いてあるっす。っつー訳で立派な破風、中庭、ペンキ絵、タイル絵、そして現役臭いっぱいの人気銭湯。水風呂が無いのは残念だが、それでも星を付けざるをえまい。いい銭湯っす。


(巣鴨へ続く道)

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(2003年2月)