金春湯

2002年11月24日をもって廃業しました


(むくり破風のいい感じ)

aqua.gif (191 バイト) 場所 東急東横線 学芸大学 徒歩12分

目黒本町の金春湯が廃業になるっつーんで、急いで行ってきたっす。駅前で銭湯MLの人間たちと待ち合わせて金春湯へ。途中鶴の湯なんかを眺めながら徒歩12分くらい。目黒通りを超えたその向こうにあるんだが…

手前が駐車場だったんで、銭湯の裏の前面が見えるが、これは…キてるなあ。脇の倉庫だかなんだか分からない木造建築、まさに「ほったて小屋」っつー表現がふさわしい。さらに煙突は根元は立派だが妙に低いっす。後で聞いたところによると、どうやら途中で切ったらしい?


(脇の廃材置き場の光景)

さて正面に回るとむくり破風、こっちはいわゆる銭湯の面構えっす。隣はコインランドリー、暖簾をくぐるとその向こうに木の板にかかれた「金春湯」の屋号。こういうのって、マニアはチェックするけど、意外と毎日来てる人は気がつかないのかもしれんなあ。隣の廃材置き場がこれまた凄い、とても平成の時代とは思えないっす。デジタルな時代だけど、「物質って大事だなあ」と、妙なことを考えるっす。


(入り口の屋号の板)

下足板の鍵は松竹、55番が空いてるのでここは素直にいつも通りの55番。中に入ると当然番台、400円払うっす。番台脇に雲型の目隠し板。脱衣場天井は伝統型に高いっす。天井は格子になっており、端が…珍しい、木でカーブになっているのではなくって、しっくいでカーブになっているっす。それにしてもまあ、なかなかキている銭湯っす。番台の上にはエビス様と大黒様?の飾り物。

ロッカーがこれまた横幅広い昔タイプ、片方には木の番号付きの東京じゃ珍しいタイプのロッカー。ロッカーの鍵はTOKYOとあるヤツっす。さらに丸籠あり、今日はマニア陣が多いので丸籠の花が咲くっす。KEIHOKUのアナログ体重計。しかもこの銭湯、石油ストーブで暖房してるよ…

ま、とりあえず浴室へ。天井高い東京型の伝統2段天井。桶はケロリン、グレー椅子。島カランは1列だけど、結構余裕は取ってあるっす。シャワーは男女の境側にしかなくって、他はカランのみ。カランはボール型の赤青、湯量、湯温GOODっす。しかしこの銭湯、最後の改装をしてからしばらく経っているなあ。

そして浴槽へ。浴槽は深浅槽式のオーソドックスなもの、その前に当然、最奥部の壁画に目に行くっす。中島師の渓流のペンキ絵っすね。上の方がくすんで来てるから、結構前に描かれたものだろうなあ。

それにしても、何のシカケもない、広めの浴槽っす。わずかに浴槽のフチの辺りから泡が出ているっす。壁には森林浴の薬湯表示があるが、これはまあ薬湯ではないだろうなあ。浅風呂は43度くらい、深風呂はやや高くて44度弱くらい。なんてことない銭湯なんだが…ん?ん?このお湯は?なんかいい感じの湯感っすねえ。柔らかいっす。井戸水かな?カルキの臭いがあんまりしないっす。

上がりは脱衣場でサッポロ系の栄養ドリンク。他にビン牛乳やビールなんかも。そして縁側。今や向かいのマンションから縁側丸見えだが、前にかなり広い池が広がって、しかも鯉が何匹か。灯篭なんかも。で、ここの旧型マッサージ機がなんと10円。番台のお姉様によると、「20円にすると付けかえなきゃいけなくって、それで何万もかかったら元が取れないから…」だそうっす。オマケだが、ここの脱衣場の男女の境がやたら低いっす。ジャンプしたら向こうが見えそう だぞ。


(廃業宣告書)

番台付近では、例によって「長い間ご苦労様でした」の会話。いろいろ事情があるらしいのだが、暗い顔一つ見せずに客と話するお姉様、これもいわゆる一つの銭湯光景っす。それにしても東京1010軒は達成できるのだろうか!?


(これは夜の光景)

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(2002年11月)