旭湯

（立派な唐破風造）

場所 地下鉄新中野駅 徒歩3分

新中野の旭湯へ。駅を降りて中野通りを少しだけ南下、ちょっと入ったところにあるっす。時にこの角には「クロスロード」っつーなかなか濃いバーがあるっす。前に何度か来たもんだな。

この銭湯、まあ立派な唐破風造りっす。入り口の屋根がゆるいカーブをえがく。背後の煙突から煙がたなびく。あれ、この煙突少し低い気がするなあ。入り口は「イルカ」の牛乳石鹸暖簾。まったく、イルカが銭湯はいるかよ…

鍵のメーカーはanarとかいう、古いタイプのもの。自動ドアから中へ…ドアの上にはすりガラスに重々しく「男湯」「女湯」。「殿方」「御婦人」の方が感じが出るかな？ おおっ！この脱衣場は広いぞ。番台のお姐さまは丁寧に「いらっしゃいませ」。気持ちよい対応っす。風呂セットが入ったガラスのウインドウ。

しかし、脱衣場センターになにもない。ロッカーは全て壁際。わずかにテーブルと椅子が3個ほど隅の方にある。入り口には丸籠。すなわち、この銭湯は未だ丸籠を使って真中で脱衣するっつー伝統スタイルをくんだ銭湯っす。でも綺麗でレトロ臭さはない。床はピカピカに磨かれている。ロッカーは通常タイプ、鍵はSAKURA2。さて、中に入るか。

浴室は中大型。2列の島カランがあるが、窓際はなし。立ちシャワーは出入り口に2機。カラン配置はセンターから55544っす。シャワーはステンレスの丈夫なもの。客層は白髪親父が多い。天井高い伝統銭湯形式。

さて浴槽へ。2槽式で一槽は薬湯。むろんペンキ絵の壁画がでーんとあるっす。女湯側が富士山&美保の松原、男湯が…桜島。頂上から煙が出ている。しかし、この桜島ちょっとだけデフォルメされているなあ。ふもとの建築物がやたら大きい。しかしまあ、桜島の壁画も珍しいかな。平成7年の作っす。

白湯の広い方の浴槽に入る。片方バイブラ、寝湯バイブラ、ジェット2機っつーわりかし一般的なものだが、寝湯もジェットもしっかりしたもの。バイブラは勢いがよくって気色がよろしい。寝湯もグッド。座ジェットも足裏噴出付きでよかよかっす。温度計は43度、こんなもんかな？

さて、次は薬湯。ハーブ系の緑色っす。っつーかバスクリンか。長ったらしいカタカナの名前がついている。とりあえず2名入れる浴槽。温度計は46度を指していたので期待したが…ありゃ〜、こりゃどうみても42度だ。まあいいか、薬湯は気色がよいっす。上がりは脱衣場でしばしくつろぎ、汗が収まるのを待つ。ドリンクはビールもありっす。

縁側らしきものが付いているのだが、その奥がランドリーになっている。なるほど、池をツブしてランドリーにしたのかなあ。しかし天井高い広々とした見事な脱衣場っす。「キング オブ 脱衣場」かもしれん。大黒湯のように天井に模様は入っていないが…

暖簾を跳ね上げて外に出る。そういやこの銭湯のすぐ前のアパートに、うら若い未亡人が住んでいたのを思い出した。今や海外に行ってしまったなあ、良く一緒に遊びに行ったっけ。新婚3ヶ月で死んでしまったんだよなあ、旦那は。まあ、世の中いろんな人生があるもんだ。

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（2000年7月）